「とくちょう」には、「特長」と「特徴」の 2通りの表記があります。どちらも目立った部分に対して使う言葉ですが、違いがわかりにくく、使い分けに困ったことのある人は多いのではないでしょうか。
今回は、「特長」と「特徴」の違いについて解説します。
結論:「特長」は優れている点を指す
一方、「特徴」は、良し悪しを別として、他と比べた時に目立っている点のことを指します。
「特長」の定義
「特長」は、他と比べた時に特に優れている点を指します。悪い意味で目立つものに対して「特長」は使われません。そのため、他人に長所を押し出す際によく使われる表現です。
たとえば、「従来の物より電池の持ちが長く、水に強いのがこの製品の『とくちょう』だ」、と言う際には「特長」を用いるのが自然です。従来の製品よりも優れている点を指摘しているからです。
「特長」の類義語
「特長」は、類義語を押さえておくと「特徴」との違いがわかりやすくなります。「特長」の類義語は以下の通りです。
- 長所:優れている性質
- 美点:優れている点
類義語からわかるように、他と比べたときに優れている点が「特長」です。
「特長」の使い方の例
- 人は自分の特長を伸ばしていくべきだ。
- 彼と彼女の特長を生かして作られたドラマ。
- 彼の特長は群を抜いて足が速いことだ。
すべての例文において、ポジティブな性質を指して「特長」を用いていることがわかりますね。
「特徴」の定義
「特徴」は、他と比較した時に目立っている点のことを指します。それが良いか悪いかは別の話です。そのため、他の人や物と比べた時に際立っている点を指摘する際に「特徴が」用いられます。
たとえば、「犯人の『とくちょう』」と言う際には、他の人と比べて単に目立つ点を言いたいため、「特徴」を用います。
「特徴」の類義語
「特徴」の類義語は「特色」です。「特色」は、他と異なる箇所を意味する言葉です。
「特徴」と同じく、それが優れているものか悪いものかというのは別の話です。
「特徴」の使い方の例
- 彼の特徴は背が高いことだ。
- 特徴のある笑い声。
- 並外れた身体能力の高さは、犯人の特徴の 1つだ。
「長」と「徴」の意味
「長」と「徴」の意味を知っておくと、特長と特徴の違いが覚えやすくなります。「長」には、「長ける」(たける)という言葉に代表されるように、優れているもの、上のものという意味があります。
そのため、「特長」は、特別な長所と覚えておくと良いでしょう。
一方、「徴」には、他と見分ける手段としてのしるし、という意味があります。
これを知っておくと、「特徴」は良し悪しに関係なく、他と比べて目立つ点を指摘する言葉であることが理解しやすくなるでしょう。
英語での「特長」と「特徴」
「特長」と「特徴」は、それぞれ英語で次のように表現します。
- strong point
(長所) - merit
(美点、取り柄) - forte
(長所、得手(えて))
- feature
(特徴、特色) - characteristics
(特色)
それぞれを用いた例文は以下の通りです
- Having good writing is her strong point.
(彼女の字の上手さは美点だ。) - I think this item is lacking in merit.
(この製品は、長所に欠けると感じた。) - Speaking in public is his forte.
(人前で話すことは、彼の得手だ。)
- that policeman asked me about facial features of the criminal.
(犯人の顔の特徴について、警官は私に尋ねた。) - Our science teacher is talking about the characteristics of the natural environment.
(理科の先生は、自然かの特徴について話している。)
まとめ
以上、この記事では、「特長」と「特徴」の違いについて解説しました。
- 特長:他と比べて優れている点
- 特徴:良し悪しを別として、他と比べて目立つ点