今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「フィジビリティ」です。
「フィジビリティ」の意味・使い方・語源・類義語・フィジビリティスタディについてわかりやすく解説します。
☆「フィジビリティ」をざっくり言うと……
英語表記 | フィジビリティ(feasibility) |
---|---|
意味 | 事業の実現可能性、実行可能性 |
語源 | 英語 “feasibility” |
類義語 | 実現可能性、実行可能性など |
フィジビリティスタディ | フィジビリティを様々な視点から捉え、検討すること |
このページの目次
「フィジビリティ」の意味をスッキリ理解!
「フィジビリティ」の意味を詳しく
「フィジビリティ」とは、事業が実現する可能性のことです。
新規事業の立案の際、企業は投資家から支援金を貰う必要があることが多いです。
その際に、投資家に事業が成功すると思わせる必要があります。
この時に「フィジビリティ」が必要なのです。
「フィジビリティ」と「フィージビリティ」の違い
「フィジビリティ」と「フィージビリティ」は同じ意味です。
「フィージビリティ」は厚生労働省などがよく使いますが、「フィジビリティ」と表記するほうが一般的です。
世界初の「フィージビリティ」
世界で初めてきちんと「フィージビリティ」を検証したのはテネシー川流域開発公社だとされています。
テネシー川流域開発公社は1933年にアメリカ政府が立ち上げた会社です。
この頃発生していた世界恐慌から労働者の雇用を守るためにテネシー川流域開発公社が設立されました。
テネシー川流域開発公社はテネシー川流域でダム、空港、原子力発電所の建設など、さまざまな公共事業を行いました。
これらの公共事業で、さまざまな観点から入念に「フィジビリティ」が検証されたのです。
IT業界では、システムを構築する上でのシステムの実現性を検討する際に「フィジビリティ」という言葉が使われます。
「フィジビリティ」の使い方
- アイデアとしては素晴らしいが、フィジビリティについて考えられていないため、この企画を採用することはできない。
- 新規事業提案を成功させるため、フィジビリティについて念入りに検証する。
上の例文のように、フィジビリティは事業計画について話す際に、事業が本当に実現可能かどうかを示すために使われます。
「フィジビリティ」の語源
フィジビリティの語源は英語の “feasibility” です。
意味はカタカナ語と同じです。
英語をカタカナ読みした際の音で、フィジビリティと呼ばれるようになりました。
「フィジビリティ」の類義語
フィジビリティには以下のような類義語があります。
- 実現可能性:ある物事が実現する見込みのこと
- 実行可能性:ある物事を実行できる可能性のこと
- 実現見込み:ある物事が実現できるかどうかの予想
上記の3つは “feasibility” の訳語であるため、同じ文脈の中で使うことができます。
フィジビリティスタディ
「フィージビリティスタディ」とは、事業が実現する可能性について多角的に検証することです。
「フィジビリティスタディ」では、実現の可能性について主に以下の4つの要因に分けて考えます。
- 外部要因・業界の動向
- 外部要因・競合状況
- 内部要因・人材
- 内部要因・技術
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
外部要因・業界の動向
せっかく新規事業を立ち上げたとしても、立ち上げた先の業界が今後縮小傾向にある場合、市場規模の減少と共に顧客数の低下が予想されるため、当初の利益が見込めなく恐れがあります。
その場合、「フィジビリティ」は低いと判断されます。
それに対して業界が拡大傾向にある場合は、予想した利益の達成は容易であると捉えられるため、フィジビリティが高くなる傾向にあります。
外部要因・競合状況
新規事業の内容と似た内容をすでに他社が実行している場合には、オリジナリティがないものとして見なされます。
また、その他社と顧客の奪い合いになるため事業の拡大が見込みにくくなります。
そのため、「フィジビリティ」が低いものとして見られるようになります。
内部要因・人材
新規事業を立ち上げたとしても、それ以外の事業に人材を目いっぱい使用している場合には、新規事業に回す人が確保できないとして「フィジビリティ」が低い事業としてみなされます。
内部要因・技術
せっかくよい新規事業の案を考えたとしても、自社の技術で行うことができるレベルを超えたものを提案した場合には、「フィジビリティ」が大きく低い企画として見られます。
逆に、自社のみがもつ技術を使用した新規事業を立案した場合には、他社に真似されない企画と見なされ企画の「フィジビリティ」は高くなります。
まとめ
以上、この記事では「フィジビリティ」について解説しました。
英語表記 | フィジビリティ(feasibility) |
---|---|
意味 | 事業の実現可能性、実行可能性 |
語源 | 英語 “feasibility” |
類義語 | 実現可能性、実行可能性など |
フィジビリティスタディ | フィジビリティを様々な視点から捉え、検討すること |
このように、フィジビリティとは実現可能性を表す言葉です。
ビジネスの際には使うことがありますが、あまり一般的に使う言葉ではありません。
いきなりこの言葉を使うと意味が伝わらないこともあるため、使う相手には注意しましょう。