今回ご紹介する言葉は、熟語の「畏怖」です。
言葉の意味・対象・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「畏怖」をざっくり言うと……
読み方 | 畏怖(いふ) |
---|---|
意味 | 自分の力が到底及ばないものに対して、恐れおののくこと |
対象 | 神、自然、天皇、宇宙など |
由来 | 「おそれること」という意味の漢字 |
類義語 | 畏敬、恐怖、尊敬 |
対義語 | 軽侮、軽視 |
英語訳 | “fear” (恐れ) “awe” (畏怖) “fright” (畏怖) |
このページの目次
「畏怖」の意味をスッキリ理解!
「畏怖」の意味を詳しく
「畏怖」とは、「自分の力が到底及ばないものに対して、恐れおののくこと」という意味です。
「おののく」とは、「体や手足が恐ろしさや不安などで、ブルブルと震えること」です。非常に大きな恐怖心を表す言葉です。
単に怖がったり、恐れたりする感情ではありません。自分の力が全く及ばないような偉大な存在に対して、恐れると同時にかしこまるようすを表します。
「怖がる」という感情ではなく、偉大な人や強大な存在に対して、かしこまって敬うことなどを意味する場合もあります。
「畏怖」の対象
「畏怖」は、単に怖そうなものに対して使う言葉ではありません。「畏怖」には、「かしこまり、敬う」という意味もあるので、偉大で力の及ばない存在に対して使われます。
具体的には、以下のようなものに対して、抱かれる感情です。
- 神
- 自然
- 天皇
- 宇宙
日本における「天皇」は、明治時代までは「神の子孫」と主張されていました。そのため、庶民には遠く及ばない存在であり、それこそ神のような「畏怖すべき対象」であったのです。
また、これ以外にも「自分が尊敬する相手」や「立場が上の人間」に対して「畏怖」を使うこともあります。
「畏怖」の使い方
- 子供のころから尊敬していた相手に畏怖する。
- 去年の大地震によって自然の脅威を思い知らされ、畏怖の念を抱く。
- 「神なんていない」と侮る(あなどる)のではなく、畏怖すべきだ。
上の例文のように「畏怖の念を抱く」「畏怖する」という形で使われることが多いです。
「畏怖」の由来
「畏怖」の漢字には以下のような意味があります。
- 畏:おそれかしこまること・敬うこと
- 怖:こわいと感じること・おそれること
どちらの漢字も「おそれる」という読み方があります。つまり、「怖い」と感じるだけでなく「おそれ」という感情が含まれている漢字が使われているのです。
「畏怖」の類義語
「畏怖」には以下のような類義語があります。
- 畏敬(いけい):心から服しうやまうこと
- 恐怖:恐れること・怖がること
- 尊敬: その人の人格をとうといものと認めてうやまうこと
「畏怖」と「畏敬」の違い
「畏怖」と「畏敬」には、同じ漢字が使われており勘違いされがちですが、しっかりと違いがあります。
「畏敬」とは、「心から服しうやまうこと」という意味があり、「怖がること」という意味はありません。
「畏怖」と「恐怖」の違い
「恐怖」とは、「恐れること・怖がること」を意味する言葉です。
これに対して「畏怖」は、「単に怖がること」だけではなく、「尊敬」「敬う」という意味が含まれています。
「畏怖」の対義語
「畏怖」には以下のような対義語があります。
- 軽侮(けいぶ):人をばかにして見下げること・軽く見てあなどること
- 軽視(けいし):軽んじ見下げること、物事を軽く考えること
「畏怖」の英語訳
「畏怖」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- fear
(恐れ) - awe
(畏怖) - fright
(畏怖)
まとめ
以上、この記事では「畏怖」について解説しました。
読み方 | 畏怖(いふ) |
---|---|
意味 | 自分の力が到底及ばないものに対して、恐れおののくこと |
対象 | 神、自然、天皇、宇宙など |
由来 | 「おそれること」という意味の漢字 |
類義語 | 畏敬、恐怖、尊敬 |
対義語 | 軽侮、軽視 |
英語訳 | “fear” (恐れ) “awe” (畏怖) “fright” (畏怖) |
「畏怖」は、複雑な感情を表す言葉です。英語訳も複数あるので、場面に応じた訳をできるようにしておきましょう。