「好意」と「厚意」の違いとは?意味から使い方や例文まで解説

違いのギモン

「好意」と「厚意」は人に親切にしてもらった時に使う言葉ですが、この2つはニュアンスが異なります。皆さまは、両者の違いをご存知でしょうか。

今回は「好意」と「厚意」の違いについて解説します。

結論:「好意」は親愛の気持ち、「厚意」は他人の行為に表れる親切心

「好意」とは、親愛の気持ちや、その人のためになりたいと思う気持ちを指します。

一方、「厚意」とは、他人の行為に表れる思いやりの気持ちのことを指します。

「好意」をもっと詳しく


「好意」とは、相手に親しみを覚えて好ましく思う気持ち、またその上でその人のためになりたいと思うことを指します。英語では “favor” と言います。親愛の感情がベースにあることがポイントです。

例えば、「好意に甘える」という表現がありますが、これは相手の親切心を伴った行動に甘えることを指します。また、「好意」は親愛の気持ちが意味の中心にあるため、「好意を持つ」などのように、具体的な行動を伴っていない場合でも用いることが出来ます。

「好意」の使い方の例

  1. 彼は私に好意を抱いている。
  2. 彼は、みんなが好意を抱いてしまうような素敵な人柄の持ち主だ。
  3. 好意を無にする。

➌は、相手の親切心を台無しにするような振る舞いをすることです。

「厚意」をもっと詳しく


「厚意」とは、他人が自分にする行為に表れる思いやりの気持ちのことです。英語では “kindness” と言います。「厚意」は、親愛の気持ちがベースにはなく、行動を通じて感じられる思いやりに焦点を当てている言葉です。そのため、「厚意を持つ」とは言いません。

また、「厚意」は相手の行動に関しては使いますが、自分や身内の行動に関しては使いません。それは、自分や身内の行動に関して親切心を他者に主張することは厚かましい態度に見えるためです。

「厚意」の使い方の例

  1. サポーターの皆様のご厚意に報いるべく、絶対に優勝したい。
  2. この度は、皆さまのご厚意に甘えさせていただきます。
  3. いつもと変わらぬお客様のご厚意に感謝しております。

➋は、かしこまった場面での発言であるため、「ご好意」としてしまうと妙に親しみのあるニュアンスになってしまいます。

まとめ

以上、この記事では、「好意」と「厚意」の違いについて解説しました。

  • 好意:親愛の気持ち、また人のためになりたいという気持ち
  • 厚意:他人の行為に表れる思いやりの気持ち

「好意」と「厚意」は親切心という意味では共通していますが、親愛の気持ちが「好意」、そして他者の行為を通じて見える親切心が「厚意」です。ニュアンスの違いがあるため、上手に使い分けてくださいね。