「ファットスプレッド」の意味とは?マーガリンとの違いまで解説!

言葉

「ファットスプレッド」とは「マーガリン類の一種で食用油脂の割合が80%未満のもの」という意味です。

ファットスプレッドは、マーガリンやバターと似た意味の言葉ですが、それらとの違いは知らない人が多いと思います。

この記事では、意味や使い方だけではなく、マーガリンやバターとの違いまで詳しく見ていきます。

「ファットスプレッド」の意味

ファットスプレッド

マーガリン類の一種で食用油脂の割合が80%未満のもの

ファットスプレッドは、マーガリン類の一種です。

マーガリン類とは、動物性や植物性の油脂に発酵乳・食塩・ビタミン類などを加えて乳化し練り合わせた加工食品のことです。

マーガリン類には、以下の2種類があります。

  • マーガリン
    マーガリン類のうち油脂含有率が80%以上のもの
  • ファットスプレッド
    マーガリン類のうち油脂含有率が80%未満のもの

ちなみに、これらの定義は、日本農林規格(JAS)によって規定されています。

JASによるファットスプレッドの具体的な規定は次の通りです。

  1. 鮮明な色調を有し、香味及び乳化の状態が良好であり、異味異臭がないこと
  2. 風味原料を加えたものにあっては、風味原料固有の風味を有し、きょう雑物をほとんど含まないこと
  3. 油脂含有率が80%未満であり、かつ、表示含有量に適合していること
  4. 乳脂肪含有率が40%未満であり、かつ、油脂中50%未満であること
  5. 油脂含有率及び水分の合計量が85%(砂糖類、はちみつ又は風味原料を加えたものにあっては65%)以上であること
  6. 水分が17.0%以下であること
  7. 異物が混入していないこと
  8. 内容量が表示量に適合していること

[出典:http://www.j-margarine.com/jas/jas.html]

日本で一般的に販売されている「マーガリン」は、マーガリンではなくファットスプレッドである場合が多いです。

[出典:https://hdd-check.com]

この場合、パッケージの名称部分は「ファットスプレッド」になり、油脂の含有量もきちんと表記されます。

「ファットスプレッド」の製法

ファットスプレッドの製法は、マーガリンの製法とほとんど変わりません。

ファットスプレッドとマーガリンは、油脂含有率で区分されるのです。

ファットスプレッドは以下のような手順で製造されます。

ファットスプレッドの製法
  1. 食用の油脂を精製する
  2. 精製した油脂に水、食塩、ビタミンなどを加えて乳化する
  3. (風味を加える場合は)風味を出すための添加物を加える
  4. 冷やしながら練り合わせる

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

➀食用の油脂を精製する

「精製」とは、混合物を純物質にする工程です。つまり、➀の工程では、油から不純物を取り除くのです。

➁精製した油脂に水、食塩、ビタミンなどを加えて乳化する

乳化とは、「互いに混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること」です。

水と油は反発しあって混ざらない性質を持っています。しかし、それを無理やり混ぜることが➁の工程です。

➂風味を出すための添加物を加える

ファットスプレッドでは、風味づけのために添加物を混ぜることができます。

風味付けを行う場合には、冷やす前の➂の工程で添加物を入れます。

➃冷やしながら練り合わせる

混ぜ合わせた材料を、最後に冷やしながら練り合わせることで、固形状にします。

「ファットスプレッド」の使い方

ファットスプレッドは日常会話の中で頻繁に使われる言葉ではありません。

そのため、類義語であるバターやマーガリンと比較をしたい際に使われることが多いです。

  1. ファットスプレッドはカロリーが低いため、マーガリンより好まれることが多い。
  2. ファットスプレットとバターには、それぞれ適した使い道がある。

上で挙げた例文では、ファットスプレッドはマーガリンとバターと比較して使われています。

「ファットスプレッド」の語源

ファットスプレッドの語源は英語の “fatspread” です。

  • fat
    脂肪
  • spread
    パンやクラッカーなどに塗る塗りもののこと

“fat”は「太る」という意味だというイメージが強いですが、脂肪の成分そのものを表す意味もあるのです。

また、 “spread” は「広がる」「広げる」という意味の英単語です。この意味から、パンやクラッカーに塗り広げるものを表す言葉としても使われることがあります。

「ファットスプレッド」の類義語

ファットスプレッドには以下のような類義語があります。

  • バター
    牛乳から分離したクリームを練り固めた食品で脂肪が主成分
  • マーガリン
    植物性、または動物性油脂を原料とした、バターの代用品として作られた加工食品

ファットスプレッドと類義語の違いを見ていきましょう。

「ファットスプレッド」と「バター」の違い

ファットスプレッドは、マーガリン類の一種だと説明しました。一方でバターは、マーガリン類ですらありません。

バターとマーガリン類には、原材料に以下のような違いがあります。

  • バター
    牛乳の脂肪分
  • マーガリン類
    植物性の脂肪分

植物性の脂肪には、次のように複数の種類があります。

植物性の脂肪の種類
  • コーン油
  • 大豆油
  • バーム油
  • なたね油

以上のどの油も、マーガリン類の原材料として使われることがあります。

健康への影響の違い

動物性の脂肪由来のバターに対して、マーガリンは植物性の脂肪由来の食品です。そのため、これまではマーガリンの方がカロリーやコレステロールが低く、健康に良いとされてきました。

しかし、マーガリン類にトランス脂肪酸が含まれることから、近年ではマーガリン類の方が健康に悪いと言われることが増えてきています。

「トランス脂肪酸」には、血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす作用があるためです。

ただし、これらのトランス脂肪酸の研究は、日本人よりもトランス脂肪酸の摂取量が多い欧米人を対象としたものでした。そのため、日本人への影響は、研究結果よりも少ないと考えられます。

「ファットスプレッド」と「マーガリン」の違い


ファットスプレッドは、マーガリン類の一種です。

最初に述べたように、同じマーガリン類の中のマーガリンとファットスプレッドには次のような違いがあります。

  • マーガリン
    マーガリン類のうち油脂含有率が80%以上のもの
  • ファットスプレッド
    マーガリン類のうち油脂含有率が80%未満のもの

また、この基本的な違い以外にも、以下のふたつの相違点があるのです。

  1. ファットスプレッドの方が水分量が多い
  2. ファットスプレッドには風味付けが認められている

ファットスプレッドの方が水分量が多い

ファットスプレッドは、マーガリンよりも水分量が多いことが特徴です。そのため、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット柔らかいため、パンなどに塗りやすい水分量が多いため、カロリーが低い
デメリット水分量が多く、火を使う調理には不向き

ファットスプレッドは、マーガリンと違って果実、果実加工品、チョコレートなどの味を付けることが許されています。

このような添加物は専門的には「風味原料」と言います。

ファットスプレッドは風味原料を添加して販売することができるのです。

「ファットスプレッド」のまとめ

以上、この記事では「ファットスプレッド」について解説しました。

英語表記ファットスプレッド(fatspread)
意味マーガリンの一種で食用油脂の割合が80%未満のもの
製法精製した油脂に水、食塩などを加えて、冷やしながら練り合わせる
語源fat:脂肪
spread:パンやクラッカーなどに塗る塗りもののこと
類義語マーガリン
バター など

マーガリンやバターとの意味の違いをしっかりと理解することが大切です。

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年間100冊読む本の虫。InstagramよりTwitter派。 大学でも、精神分析を学びながら文章の書き方を日々勉強しています。 「言葉」と「心理学用語」の執筆が得意です。