今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ファーム」です。
「ファーム」の意味・使い方・語源についてわかりやすく解説します。
☆「ファーム」をざっくり言うと……
英語表記 | ファーム(farmまたはfirm) |
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意味 | 農場・農園、会社、プロ野球の2軍チーム |
語源 | 英語の “farm” または “firm” |
「ファーム」の意味をスッキリ理解!
「ファーム」の意味を詳しく
「ファーム」には、大きく分けて以下の3つの意味があります。
- 農園・農場
- 会社・企業
- プロ野球の2軍チーム
①は、英語の”farm”が由来となっています。「パイロットファーム」などの複合語が代表的な使用例です。パイロットファームは、大型機械を用いて酪農経営を行う実験農場を指し、北海道の根釧(こんせん)台地にあるものが有名です。
②は、主にビジネス用語として用いられます。この場合は、英語の”firm”が由来となっています。”firm” は、会社以外にも、「固い」という意味を持ちます。
③は、「ファームチーム」の略です。2軍を指すのは日本での独特な用法です。もともとは、アメリカでマイナーリーグに所属する球団を意味していました。英語では、「農場・農園」と同様に”farm”と表記されます。
「ファーム」の使い方
- ワーキングホリデービザでオーストラリアに行き、ファームステイを体験する。
- 私の父は、有名なローファームに勤めている。
- 私の好きな野球選手は、ファームチームに所属している。
- ファームウェアは、機器を制御するソフトウェアだ。
- 私の勤めている企業は金融機関とのやりとりのために、ファームバンキングを利用している。
上の例文のように、「ファーム」は「〇〇ファーム」「ファーム〇〇」というように別の名詞と一緒に用いられ異なる意味の言葉となります。
①の「ファームステイ」は、日本や海外の農園・農場で働きながらその農場に滞在することを言います。
「ファームステイ」は、ニュージーランドやカナダ、オーストラリアなどで体験することができます。ニュージーランドは農業王国としても有名で、動物や自然と多くふれあえることから人気が集まっています。
②の「ローファーム」は、「法律事務所」のことです。「ロー」は英語でlawと表記され、「法律」を指します。「ローファーム」は、多くの弁護士をかかえる大規模な法律事務所を指します。規模の小さな個人の弁護士事務所は「ローファーム」とは呼びません。
③の「ファームチーム」は、「プロ野球の2軍チーム」のことです。もともとは、大リーグの球団所属のマイナーリーグのチームを指します。しかし「選手の育成場所」というイメージから、日本では上記の意味で使用されています。
④と⑤の 「ファーム」は、「固い、固定的な」という意味の “firm” です。
④の「ファームウェア」とは、パソコンなどの電子機器に組み込まれているシステムを制御するためのソフトウェアです。物としての「ハードウェア」や、処理を担う「ソフトウェア」に対して、ハードウェアにソフトウェアを読み込ませるのが「ファームウェア」です。
ハードウェアにとってファームウェアは必要不可欠であり、必ず組み込まれていることから “firm(固定的な)” が用いられています。
⑤の「ファームバンキング」は、企業と金融機関を結ぶ伝送システムのことです。回線を通じて振り込み・引き落としなどができます。この場合の「ファーム」は、「固い」ことを指す “firm” です。企業と金融機関を回線で結ぶことを「固定的」ととらえた表現です。
「ファームバンキング」は、最近耳にする「インターネットバンキング」とは少し異なる点があります。
「インターネットバンキング」は既存のネット回線を利用することができ、ソフトウェア不要で利用することができます。一方で、「ファームバンキング」は専用のソフトウェアを使用しなければなりません。
「ファーム」の語源
ファームの語源は英語のfarmまたはfirmです。
farmはカタカナ語と同様に「農園」や「農場」という意味の名詞です。一方で、firmは「硬い」「しっかりとした」「確固とした」という意味の形容詞です。また、「固める」「しっかりする」という意味の動詞でもあります。
まとめ
以上、この記事では「ファーム」について解説しました。
英語表記 | ファーム(farmまたはfirm) |
---|---|
意味 | 農場・農園、会社、プロ野球の2軍チーム |
語源 | 英語の “farm” または “firm” |
日本語では「ファーム」という1つの発音ですが、もともとの英語には “farm” と “firm” の2単語があるということを覚えておきましょう。
また、用いられるシーンによって全く別の意味になるということも押さえておきましょう。