「餞別(せんべつ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「餞別」です。

言葉の意味・使い方・語源・具体例・適してない品物・注意点・相場・お返し・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「餞別」の意味をスッキリ理解!

餞別(せんべつ):別れ際に贈る金銭や贈り物のこと

「餞別」の意味を詳しく

「餞別」とは、「別れ際に贈る金銭や贈り物」のことです。

餞別は、以下のような場面で贈られることが多いです。

  • 退職・転職・異動をする社員
  • 引っ越しをする近所の人

このほかにも、旅行や留学に行く人などにも「餞別」を渡すことがあります。

最終的には戻ってくる可能性があっても、中期から長期間離れ離れになるときには「餞別」を送ってもいいのです。

「餞別」は旅立つ人に対して行うものであり、到着した人を歓迎するために送るものは「餞別」とは言いません。

「餞別」の使い方

  1. 君には、私たちからの餞別があるんだ。
  2. お隣さんが引っ越してしまうので、餞別を贈る。
  3. 離職をする彼に餞別を渡す。
  4. 餞別の言葉が出てこない。

上のように「餞別を贈る」「餞別を渡す」という形で使われることが多いです。

「配送する」という意味の「送る」ではなく、「プレゼントする」という意味の「贈る」なので、漢字の表記には気を付けましょう。

また、「餞別品」を渡す際にかける言葉を➍のように「餞別の言葉」と言います。

「餞別の言葉」としては、目上の人には感謝の言葉を、同僚や目下の人には感謝や激励の言葉をかけるのが一般的です。

「餞別」の語源

「餞別」の漢字には以下のような意味があります。

  • :旅に出る人などに贈る、品物・金銭や詩歌など
  • :わかれる・はなれる

「餞」は単体で「はなむけ」とも読みます。「旅に出て、離れ離れになってしまう人への贈り物」という意味の漢字であることがわかります。

昔は、「安全に目的地まで行けるように」という願いを込めて、馬の「鼻」を目的地に向ける風習がありました。

この「鼻を向ける」という風習から、今の「はなむけ」という言葉の音が生まれたと言われています。

昔の「旅」とは、今でいう「旅行」とは違い、何カ月、何年とかかるものでした。今はそのような旅は少ないので、転勤や引っ越しなどの際にも贈られるようになったのですね。

「餞別」の具体例

具体的には、「餞別」としてはよく贈られるのは以下のようなものです。

  • 現金
  • お花
  • ビジネス用品

「餞別」の最も一般的な内容は現金ですが、その他の品物でも構いません。内容は定められているわけではなく、思い出に残るようなものが送られます。

会社の人であれば、ビジネス用品などがよく選ばれます。高価なものを1点用意することもあれば、「花束と何か」というようにいくつか用意するというケースもあります。

引っ越しをするご近所さんであれば新生活用品など、場面に合わせたものを贈るのがいいでしょう。

「餞別」として適してない品物

「餞別」として適してない品物として、下記のものが挙げられます。

  • ハンカチ
  • 刃物(ペーパーナイフなど)
  • 日本茶
  • 敷物
  • 文房具
  • シクラメン

ハンカチ

ハンカチは漢字で「手巾(てぎれ)」と書き、「手切れ(=縁切り)」を連想させるため、「餞別」の品物としては不向きです。

刃物(ペーパーナイフなど)

刃物の用途である「切る」も縁切りを連想させるため、選ばないようにしましょう。

日本茶

日本茶は、通夜や葬儀の香典返しを連想させるため、餞別の品物には向きません。

敷物・文房具

敷物や文房具は、相手を見下すものとされています。

「勤勉なさい」というメッセージが込められてしまうからです。

そのため、目上の方に贈る場合には不向きです。

シクラメン

シクラメンは、名前の「シ」が死を、「ク」が苦を連想させるので避けましょう。

「餞別」を送る場合の注意点

餞別を送る際に、気をつけたいポイントが2つあります。

  1. のしに書く言葉は相手や場面で異なる
  2. のし袋には蝶結びを使用する
  3. 現金は新札を使う

注意点①:のしに書く言葉は相手や場面で異なる

餞別を贈る際、贈る相手や場面によってのしに書く言葉を変えましょう。

一般的な退職、転勤や異動
連名、個人名義のいずれの場合も「御餞別」と書きます。

個人で目上の人に餞別を贈る場合には、「おはなむけ」と書きましょう。

定年退職
定年退職の場合は、「御祝」「御礼」と書きます。

個人で贈る場合には、「おはなむけ」も可能です。

転居や引っ越し
相手が目上の場合は「おはなむけ」、それ以外の場合は「御餞別」を使います。

なお、相手が住宅を購入した場合の引っ越しでは、「新築祝い」「御引越御祝」なども使われます。

注意点②:のし袋には蝶結びを使用する

餞別として現金を贈る場合、のし袋には蝶結びを使用します。

お祝い事に対しては、何度も結びなおせることから縁起の良い「蝶結び」を使用します。

注意点③:現金は新札を使う

お祝いとしてお金を包むときは、新札を用意するのがマナーです。

「餞別」の相場

餞別を贈る場合の相場は、だいたい3000円〜5000円であると考えられています。

物、現金のいずれの場合でも、相場はさほど変わりません。

ただ、「餞別」の相場は以下の2つの場合ではやや異なります。

  1. 社内で連名の餞別を贈る場合
  2. 個人で餞別を贈る場合

それぞれの場合の相場について詳しく見ていきましょう。

①:社内で連名の餞別を贈る場合

転職や退職する人に対し、会社や部署全体から連名で餞別を贈る場合は、1人あたり500~3000円が相場になります。

定年退職の場合は額がやや上がり、1人あたりの出資額は1000~5000円が相場です。

②:個人で餞別を贈る場合

個人で餞別を用意する場合は、連名のときよりも1人あたりの負担額の相場は高くなります。

転職や退職する人に対しては3000~5000円程度、定年退職の場合は5000~10000円程度を想定しましょう。

目上の人に現金を贈るのはNG

目上の人に対し、目下の人が餞別として個人的に金銭を贈るのは好ましくありません。代わりに品物を用意するのが一般的です。

目上の人に「餞別」としてお金を包むのであれば、他の同僚と連名にしましょう。

相手の勤続年数や、会社ごとの慣習によっても金額は変わります。都度相談して決めましょう。

「餞別」はお返し不要

餞別は贈るだけでなく、受け取る側になる場合があります。

お祝いなどはお返しが付き物ですが、「餞別」は一般的にお礼・お返しは不要とされています。きちんとお礼を伝え、ありがたく受け取りましょう。

お返しをしたい場合

何かお返しをしたいという場合は、受け取った餞別の1/3~半額でお返しを選ぶのが相場になります。

お礼状を送る場合は、新天地での近況報告を織り交ぜて書かれることが多いです。

「餞別」の類義語

「餞別」には以下のような類義語があります。

  • はなむけ
  • うまのはなむけ
  • 手向け

「餞別」の対義語

「餞別」には以下のような対義語があります。

  • 返礼:他から受けた礼に対して礼を返すこと

「餞別」の英語訳

「餞別」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • farewell gift
    (餞別・はなむけ)
  • a parting gift
    (餞別・はなむけ)
“farewell” “parting” は、いずれも「別れ」のニュアンスを持つ英単語です。

まとめ

以上、この記事では「餞別」について解説しました。

読み方餞別(せんべつ)
意味別れ際に贈る金銭や贈り物のこと
語源旅に出る時に、馬の鼻を目的地に向けていた風習から
具体的現金、花、ビジネス用品など
類義語はなむけ、うまのはなむけ、手向け
対義語返礼
英語訳“farewell gift” (餞別・はなむけ)

「餞別」は、人と別れる大切な場面で必要になります。

言葉の意味はもちろん、「餞別」を渡す際のマナーや注意事項まで頭に入れておけるといいでしょう。