「事実」と「真実」の違いとは?使い方の例から英語まで解説

違いのギモン

字面やニュアンスが似通っている「事実」と「真実」。同じような場面で使われる言葉であり、使い分けをあまり意識しないかもしれませんが、実は両者には意味の違いがあります。

今回は「事実」や「真実」の違いについて解説します。

結論:「真実」は「事実」に対する解釈

「事実」とは、実際に起こった、もしくは現実に存在する事柄を指します。

一方、「真実」は事実に対する嘘偽りのない解釈を指します。

「事実」をもっと詳しく


「事実」とは、実際に起こった事柄や現実に存在している事柄のことを指します。英語では “fact” と言います。誰が見てもそうとしか捉えられない客観的な様を表しており、後に解説する「真実」と違って「事実」は 1つであると言えます。

例えば、水が入っている白いコップがある場合、「白いコップに水が~ml 入っている。」というのが「事実」に相当します。その水の量が多いか少ないかは個々人によって意見が分かれるため、事実には当たりません。

この例のように、感情を排して客観的に表現されることが事実の特徴です。また、「事実」には、「本当に」という意味の副詞で用いられる用法もあります。

「事実」の使い方の例

  1. 事実を直ちに解明すべきである。
  2. 我々は負けたという事実をきちんと受け止めて反省すべきだ。
  3. 事実、彼とは一度も話したことがない。

➌に関しては副詞的な用法であり、本当に彼とは一度も話したことはないという意味になります。

「真実」をもっと詳しく


「真実」とは、起こった出来事や存在する事柄に対しての嘘偽りない解釈のことを指します。英語では “truth” と言います。解釈というものは人それぞれであることから、「事実」と違って、「真実」は 主観的なものであり、また 1つとは限りません。

例えば、校庭を走っている少年がいたとします。この時、「自主トレーニングとして走っている」や「先生に走るよう命じられている」と外から見て解釈するのは真実に相当します。本当のこととは異なるかもしれませんが、個々人にとっては嘘偽りのない解釈だからです。

 

この例のように、「真実」は、推測や直感によって形成される、その人にとっての正しい解釈のことです。時に「事実」と「真実」は一致することがありますが、人の価値観や考え方は大抵異なることから、一致しないことが多いです。

また、「真実」にも、「本当に」という意味で副詞的に使う用法があります。

「真実」の使い方の例

  1. この件に関して、あなたの真実を述べてください。
  2. 真実は、個々人にとっての事実と言えよう。
  3. 真実、困った話だ。

➌に関しては副詞的な用法です。本当に困った話だ、という意味です。

まとめ

以上、この記事では、「事実」と「真実」の違いについて解説しました。

  • 事実:実際に起こった、もしくは現実に存在する事柄
  • 真実:事実に対する嘘偽りのない解釈

「事実」と「真実」は似たような使い方がされる言葉ですが、同じものではありません。「事実」は客観的なもので常に 1つであり、一方、「真実」は主観的なもので 1つとは限りません。

「事実」であっても「真実」でない場合、そして「真実」であっても「事実」でない場合があるため、混同しないように注意しましょう。