覚えておくべき!「避難勧告」と「避難指示」と「避難命令」の違い

違いのギモン

日本には火山もたくさんありますし、地震も多発しますし、台風だって襲ってきます。このことから、日本は災害大国だと言われていますよね。

なので、日本ではとても災害対策が進歩していて、特に地震対策については世界有数だと言えるでしょう。

ところで、実際に災害が発生した時には国や自治体などから避難するように言われることがありますよね。

そんな時に使われるのが「避難勧告」や「避難指示」や「避難命令」です。

 

みなさんはこれら 3 つの言葉の違いがわかっていますでしょうか。

もしわかっていないと、絶対に逃げなければいけない時なのに逃げ損ねてしまうこともあるかもしれません。

そこで、今回は「避難勧告」と「避難指示」と「避難命令」の違いについて解説していきたいと思います。

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結論:緊急度が違う

まず、「避難勧告」は実際の災害が起こる前に被害が生じる可能性のある地域に対して出される避難の勧告です。

次に、「避難指示」は広範囲に甚大な被害が予想される場合に出される避難の指示です。

そして、「避難命令」は明確な被害が間近に迫っている状況で避難しなければ人命に大きくかかわる時に発令される避難の命令です。

つまり、「避難勧告」<「避難指示」<「避難命令」の順に緊急度が高い通達になっているのです。

「避難勧告」をもっと詳しく

避難勧告は実際の災害が起こる前に被害が生じる可能性のある地域に対して出される避難の勧告です。

つまり、避難勧告はその地域に住んでいる人へ避難をすすめ促すものです。

そのため、「逃げといたほうがいいよ」程度のニュアンスになります。

なので、たとえ避難勧告を無視して逃げなくても罰則はありません。

ただ、被害が予想されるのは確かなので、避難勧告が出た時点で避難を始めるのが無難でしょう。

 

ちなみに、避難勧告を発令するのは主に市町村です。

そして、市町村は内閣府が示している「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」を参考にして設けた独自のガイドラインをもとに避難勧告を発令します。

ちなみに、ガイドラインには災害の種類ごとに脅威のある場所を特定し、各脅威に対して適した避難行動を行ったり、避難行動のタイミングを明確にしておいたりするという指針があります。

 

そして、学校などの指定避難場所が必ず安全とは限らないので、災害に合わせた避難場所を設定することが望ましいと考えられています。

例えば、山沿いにある学校が指定避難場所だった場合、津波などに対しては強い避難場所になりますが、土砂災害が予想される場合にはあまり安全であるとは言えませんよね。

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「避難指示」をもっと詳しく

避難指示は広範囲に甚大な被害が予想される場合に出される避難の指示です。

そして、避難指示は勧告より拘束力は強めです。

「すみやかに避難を行ってください!」程度のニュアンスになります。

ただ、避難指示にも法的な拘束力や罰則はなく、たとえ従わなくても罰せられることはありません。

しかし、具体的な被害が予想される状況なのですぐに避難を始める必要があるのでしょう。

 

そして、「避難指示」は 2018 年現在では「避難指示(緊急)」という名前になっています。

2016 年 12 月 16 日にこの名前へ変更されました。

なぜなら、「避難指示」だと緊急を要することが伝わりにくいからです。

「避難命令」をもっと詳しく

避難命令は明確な被害が間近に迫っている状況で避難しなければ人命に大きくかかわる時に発令される避難の命令です。

これは 3 つの中で最も強い通達であり、従わなかった場合には牢屋に入れられたり罰金刑を受けたりします。

また、これが発令された時には救急隊員に居住者の身柄拘束の権限が与えられるので、身柄を拘束された上で強制避難が行われることもあります。

 

ただ、現在の日本には法律上、「避難命令」に関する規定はありません。そのため、今の日本では避難命令が発令されることはありません。

東日本大震災の時に放送で「避難命令」という言葉が使われたことはありますが、これはただの呼びかけに過ぎず、法的な拘束力があるものではありませんでした。

 

しかし、日本にはこれの代わりに「警戒区域指定」という制度があります。

「警戒区域指定」は、関係者以外の警戒地域への立ち入りに罰則があるという制度です。

実際に、東日本大震災で福島第一原子力発電所の事故があった時には「警戒区域指定」が行われました。

補足➊:避難準備情報

避難準備情報とは避難勧告より弱いレベルの勧告です。

こどもや高齢者や障がい者など、避難に時間がかかる人を優先的に避難させるために発令されます。もちろん避難しなくても罰則はありません。

 

ちなみに、避難準備情報も2016年に「避難準備・高齢者等避難開始」へ改称されました。

これは2016年8月8日に起こった台風10号の水害の時に高齢者施設で適切な避難行動がとられなかったことが原因になっています。

補足➋:非常事態宣言

非常事態宣言は、避難命令よりもさらに緊急性が高いものです。

これが発令されると発令された地域の住民は「不要不急の外出禁止」もしくは「外出禁止」が命令され、これを破ると厳しい罰則を受けます。

もちろん現在の日本では存在しません。

しかし世界では非常事態宣言が発令できる国もあり、例えば、2015 年 11 月に起こったパリ同時多発テロ事件ではフランス政府が非常事態宣言を発令しました。

海外では政府や自治体が発令の権限を持っている場合が多いでしょう。

 

また、日本ではかつて一回だけ非常事態宣言が発令されたことがあります。

それは、戦後間もない 1948 年に在日韓国人と日本共産党との間に民族教育紛争が起こった時です。

この時、大規模なテロや騒乱事件が多発し、非常事態宣言が発令されました。

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まとめ

以上、この記事では、「避難勧告」と「避難指示」と「避難命令」の違いについて解説しました。

  • 避難勧告:実際の災害が起こる前に被害が生じる可能性のある地域に対して出される
  • 避難指示:広範囲に甚大な被害が予想される場合に出される
  • 避難命令:明確な被害が間近に迫っている状況で人命に大きくかかわる時に発令される

「避難勧告」と「避難指示」と「避難命令」は強制力こそ違うものの、どれが出されても避難すべきであることに変わりはありません。

取返しのつかないことにならないよう、はやめの避難を心掛けるべきでしょう。

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