「乖離」と「解離」の違いとは?読み方は?意味から使い分けまで解説

違いのギモン

何かと何かが離れることを指す言葉として「乖離」と「解離」があります。両者はいったい何が違うのでしょう。皆さまはご存知でしょうか。

今回は「乖離」と「解離」の違いについて解説します。

結論:「乖離」はネガティブな言葉、「解離」は中立的な言葉

「乖離」とは、結びついているべきものが離れることを指します。

一方、「解離」とは、単に何かと何かがばらばらになることを指します。

「乖離」をもっと詳しく


「乖離」とは、本来結びついているべきものがそむき離れることを指します。英語では “estrangement” と言います。

「乖離」は、単に何かと何かが離れることを指すのではありません。本来その何かと何かは結ばれているべきであり、それが離れることはネガティブなことであるというニュアンスを含んでいるのが「乖離」です。そのため、反対方向に離れていくことやあるべき姿とのずれを暗に示しています。

「乖離」は、主に人間関係や人の意見など、同じ方向を向くことが望ましいとされる事柄に使われます。物理的に何かと何かが離れることには使われにくいです。

「乖離」の使い方の例

  1. 理想と現実の乖離が凄まじい。
  2. 広告内容と実際のサービス内容に乖離があってはならない。
  3. 実際のパフォーマンスと周囲から期待されていたそれとの乖離が否めない。

「解離」をもっと詳しく


「解離」とは、一つになっていたものがばらばらになることを指します。英語では “dissociation” と言います。「乖離」と違い、ばらばらになることに対してネガティブな意味合いはなく、中立的な言葉であると言えます。

また、「解離」は分子が分解して原子やイオンを生じることを指す科学的な言葉でもあります。そうした現象自体はポジティブでもネガティブでもないため、「乖離」ではなく「解離」が使われます。

さらに、「解離」は心理学的に、一つになっている記憶や意識などがばらばらになることも指します。本来一つになっているべきものがばらばらになるという意味で「乖離」を用いたくなるかもしれませんが、この現象においては離れていく方向は関係ないため、「解離」が用いられます。

「解離」の使い方の例

  1. 幽体離脱は、魂が体から解離した状態と言える。
  2. 分子の解離を起こさせるのに必要なエネルギーをのことを解離熱という。
  3. 解離性障害

➌は、自分が自分であるという感覚が損なわれている状態を指す言葉です。

まとめ

以上、この記事では、「乖離」と「解離」の違いについて解説しました。

  • 乖離:結びついているべきものが離れること
  • 解離:一つになっていたものがばらばらになること

「乖離」と「解離」は、前者はネガティブな言葉であるのに対して後者は中立的かつ学問的な言葉であるという違いがあります。上手に使い分けましょう。