「エッセイ」の意味とは?英語や類語まで例文付きで簡単に解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「エッセイ」です。

「エッセイ」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。

☆「エッセイ」をざっくり言うと……

英語表記エッセイ(essay)
意味自分の感想や意見を自由な形式で述べた散文
語源フランス語の “essai”
類義語随筆、随想

「エッセイ」の意味をスッキリ理解!

エッセイ(essay):自分の感想や意見を自由な形式で述べた散文

「エッセイ」の意味を詳しく

「エッセイ」とは、自分の感想や意見を自由な形式で述べた散文のことです。「エッセー」と表記することもあります。

「エッセイ」以外のジャンルの文学作品や論文には、ある程度文章の決まりが求められます。たとえば、「小説」は「起承転結」の流れにしたがって執筆されます。

そういった決まりを持たず、考えたことを考えたままに書くことができるのが「エッセイ」になるのです。

「散文」とは

「散文」とは、定型や韻律のルールを持たない文章のことです。

対義語は、詩・俳句・短歌といった「韻文」になります。こちらは、音数を整えたり同じ母音で韻を踏んだりとある程度の決まりにしたがって作られます。

「韻文」でなく、普通の文章であればすべて「散文」になります。

「エッセイ」と “essay” の違い

「エッセイ」とはフランス語の “essai” を語源とするカタカナ語ですが、英語の “essay” とは意味が異なります。

  • essay:作文、小論文
日本語の「エッセイ」が、形式にとらわれずに書く散文を指す一方、英語の “essay” はある程度整った形式で、論理的に考えを述べる文章のことを指します。

英作文の課題で「エッセイを書け」と指示があった場合には、「作文しなさい」という意味になります。日本語の「エッセイ」とは異なり、体系的に文章を書く必要があるため注意しましょう。

「エッセイ」の使い方

  1. 私は、小説は好きだが、エッセイはそこまで好きではない。
  2. そのエッセイは、子育てに悩む主婦の間で大ヒットした。
  3. 彼女は歌人であり、エッセイストである。

上の例文のように、「エッセイ」は、出版物の一ジャンルとして区別されるときに使われます。

①の例文では、「エッセイ」を「小説」と比較して、「好きではない」という判断を下しています。

「エッセイ」は小説と異なり、感じたことや考えたことを形式にとらわれずに書かれるのが特徴です。そのため、それぞれのジャンルに対して好みが別れる場合があります。

「エッセイ」と「小説」の違いとは?意味から使い分けまで解説

 

②の例文では、「エッセイ」の売り上げがよかったことを「大ヒット」と表現しています。

③の例文では、「彼女」の物書きとして扱う文章が、短歌と「エッセイ」の二つであることを「歌人」「エッセイスト」という言葉で表現しています。

「小説家」「歌人」と同じような分類として、「エッセイ」を書く人は「エッセイスト」と呼ばれることがあります。

エッセイスト:「エッセイ」を書くことを職業としている人のこと。「随筆家」とも呼ばれる

「エッセイスト」と似た言葉に、「コラムニスト」があります。

こちらは、「コラム」を書くことを職業にしている人のことであり、「エッセイスト」と区別されるため注意しましょう。

「コラム」と「エッセイ」の違いとは?意味から代表例まで解説

「エッセイ」の語源

「エッセイ」の語源はフランス語の “essai” です。

“essai” には以下のような意味があります。

  • essai:試み

“essai” を文学のジャンルとして定着させたのは、ルネサンス期に活躍したフランスの哲学者モンテーニュの『随想録(Essais)』が始まりです。『随想録』は、安易な体系化に陥ることを恐れ、思索をあえて整列させないという試みでした。

現代の基準で「エッセイ」と呼べるものは、『枕草子』を始めとする古典作品に多く存在します。ただし、「エッセイ」がジャンルとして定着したのは18世紀以降のことになるため注意しましょう。

「エッセイ」の類義語

エッセイには以下のような類義語があります。

  • 随筆:感想・意見・体験・見聞などを形式にとらわれずに書いたもの
  • 随想:折に触れてあれこれ考えたこと。また、それらを書き留めたもの

「随筆」の意味

「随筆」とは、形式にとらわれず、筆者が感想・意見・体験・見聞などを書いたもののことです。

実質的な意味はほとんど「エッセイ」と同じです。

ただし、欧米由来の「エッセイ」に対し、「随筆」は日本においては平安時代からと歴史が長く、より多彩な内容を指す場合が多くなります。

現代では、「エッセイ」の方が誰でも書くことのできる気軽な文章というイメージが強くなります。それに対し、「随筆」は文芸の一ジャンルとして格式高い印象を与えます。

「随想」の意味

「随想」とは、折に触れてあれこれ考えたことを表現する言葉です。また、考えを書き留めたもののことも指します。

文章のジャンルとしては「随筆」または「エッセイ」という表現が使われるため、「随想」が使われる場面はあまり多くはありません。

まとめ

以上、この記事では「エッセイ」について解説しました。

英語表記エッセイ(essay)
意味自分の感想や意見を自由な形式で述べた散文
語源フランス語の “essai”
類義語随筆、随想

「エッセイ」は、日本で人気のジャンルのひとつです。他のジャンルと区別できるよう、意味をしっかりと覚えましょう。