今回ご紹介する言葉は、ネット用語の「エンカ」です。
言葉の意味・使い方・由来・英語訳についてわかりやすく解説します。
「エンカ」の意味をスッキリ理解!
「エンカ」の意味を詳しく
「エンカ」とは、主に、偶然に誰かと出会うことを指すネット言葉です。本来は偶然であることが強調されますが、意味が転じて、単に「インターネット上の知り合いと示し合わせて会う」という意味で使う人もいます。
待ち合わせのうえで意図的に出会う行為を単に「会う」と表現しないのは、会う相手との関係性が鍵となります。
SNS上でしか知らない相手に「会う」ことを特異的に「エンカする」と言うことで、単に元からの知り合いと会うことと区別する役割があります。また、インターネット上の相手に会うことには相応の緊張がともないますが、その緊張を和らげてくれるラフな表現でもあります。
まさに、インターネットの普及によって変化する文化に合わせて誕生した言葉であると言えます。
「エンカ」の使い方
- SNSのフォロワーとエンカした。
- 旅先でクラスメイトとエンカし、驚きのあまり叫んでしまった。
①の例文では、インターネット外の世界では知り合いでないが、SNS上ではお互いを認識し合っている相手に偶然出会ったことを表します。
②の例文では、出会った相手はもともとの知り合いであり、より「偶然出会った」というニュアンスが強調されます。この場合はネット用語としての要素よりも、単に若者言葉としての利便性から生まれた表現となります。
両方の例文で見られるように、「エンカ」は後ろに「する」をつけて、動詞のように用いるのが一般的です。「エンカ」はそれ単体で使われることがほとんどなく、実際の行為をともなって結びつく言葉なのです。
「エンカ」の由来
「エンカ」は、日本のゲーム用語である「エンカウント」が省略されて生まれた言葉です。「エンカウント」という言葉自体は、英語の”encounter”(遭遇する)を由来としています。
「エンカウント」は、ロールプレイングゲームにおいて、敵と遭遇し、戦闘画面に切り替わるイベントを指します。ゲーム内で使用されるこの言葉が、現実世界でも使われるようになり、ネット用語として広く表現されるようになりました。
誰かと遭遇する意味を持つ「エンカ」自体を指して「エンカウント」と呼ぶことはほとんどありません。「エアコン」や「リモコン」などのように、略語の方が一般的となった言葉であるといえるでしょう。
「エンカ」の英語訳
エンカを英語に訳すと、次のような表現になります。
- encounter
(偶然出会うこと) - meet
(会う)
“encounter”は「エンカ」の語源になった言葉であり、そのままの意味で使用できます。注意したいのは、「エンカ」の正式名称である「エンカウント」という言葉は英語には存在せず、“encount”は誤用になってしまうという点です。しっかりと正しい英単語である”encounter”を使用しましょう。
偶発性をともなわない「エンカ」のことを表すときは、”encounter”だと大げさな表現になってしまうので、”meet”や”see”といった単純な表現に留めるべきでしょう。
まとめ
以上、この記事では「エンカ」について解説しました。
読み方 | エンカ |
---|---|
意味 | 偶然遭遇すること |
由来 | エンカウント、英語の”encounter”(遭遇する) |
英語訳 | encounter(偶然出会うこと) |
「会おう」と言うのは照れくさいものですが、「エンカしよう」だとくだけた印象があり、誘う側にとっても誘われる側にとってもハードルが下がります。「エンカ」という言葉自体は「偶然出会うこと」を指しますが、その言葉が誕生したのは必然かもしれませんね。