故事成語「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)」です。

意味、由来、類義語、対義語についてわかりやすく解説します。

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「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の意味をスッキリ理解!

燕雀安んぞ鴻鵠の意を知らんや:小物には大物の気持ちが分からないということ

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の意味を詳しく

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は、人物の器量を鳥にたとえた言葉です。「小物には大物の気持ちが分からない」という意味になります

難しい言葉が出てくるので、それぞれ説明しましょう。

「燕雀」は、ツバメとスズメのことで、小さい鳥の例です。ここでは、小人物(大したことのない、普通の人)のたとえで使われています。一方、「鴻鵠」はコウノトリとハクチョウのことで、立派な人物のたとえとして使われています。

「安(いずく)んぞ」「志を知らんや」という表現は、古めかくて難しいですよね。「安んぞ」は「どうして」、「志を知らんや」は「志を知っていようか」という意味です。「どうして志を知っていようか」で、「志を知っているはずがない」という意味を持たせています。

 

「小物には大物の気持ちが分からない」というと、少しイラッとくる人がいるかもしれません。そこで、例を挙げてさらに説明しましょう。

子どもが「俺はサッカーで世界一になる」と言い出したら、周りの大人たちは反対することでしょう。「サッカーだけじゃ食べていけないよ」とか、「サッカーが上手い子どもは世の中にいくらでもいるよ」など、夢を諦めさせるような反対の言葉はたくさんあるでしょう。

しかし、その子どもが努力を重ね、才能を伸ばして大会で活躍するようになれば、幼いころに反対した人たちも気づくでしょう。「この子が幼いころ言っていた『世界一のサッカー選手になる』という目標が本当に叶いそうだ」と思うでしょう。

このように、大物になる人の志は、初めのうちは周囲に理解されないものです。それでも志を貫いて成功させるのが大物なのです。「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は、このようなことを意味しているのです。

 

ちなみに、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は、「燕雀鴻鵠」という四字熟語に省略されて使われることもあります。

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「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の使い方

  1. 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。周りを気にせず、リーダーとしての信念を貫くべきだ。
  2. 有名企業の社長の話がピンと来なかった。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやということか。
  3. 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやと言うが、才能があっても反対され夢を諦める子が多い。

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の由来

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」は、古代中国の歴史書に出てくるセリフがもとになった言葉です。歴史書と言っても、物語のように描かれている部分が多く、実際にそのような発言があったかはわかりません。

その歴史書とは、司馬遷が書いた『史記』のことです。彼はとても有名な歴史家で、今から2000年ほど前に活躍しました。当時の「歴史」を振り返って、生き生きと描いているのです。

 

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」が出てくるシーンは、以下の通りです。

彼は畑で雇われて働いていた。あるとき、農作業の手を止めて丘に登り、大げさに身の上を嘆いて、一緒に働いている人にこう言った。「大成功しても、お互いに忘れずにいような。」

同僚は、「俺たちのような雇われ農夫が大成功するわけはないだろう」と言います。それを聞いた彼は「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」と言ったのでした。

いかにも何かが始まりそうな場面ではないでしょうか。実際に、この人物は大成功をおさめます。

 

先ほどあえて「彼」としておいた人物の名前は、陳勝(ちんしょう)です。陳勝・呉広(ごこう)の乱を率いて、中国最初の統一王朝・秦(シン)を滅ぼした人物なのです。

陳勝は、大雨のため兵役に遅れることになり、処刑される運命を前に開き直ります。「遅れて到着しても殺される。兵役についても、命を落とす可能性が高い。どうせならば、名を残して死ぬのがいい」

そう考えた陳勝と呉広は、反乱を決意しました。秦の厳しい支配に反発を強めていた人々は反乱に加わり、秦は滅びました。陳勝と呉広は途中で秦に殺されてしまいますが、歴史に名を残すことになりました。

 

ちなみに、反乱を起こしたときに陳勝が掲げた言葉が「王侯将相(おうこうしょうしょう)いずくんぞ種(しゅ)あらんや」です。

「国のリーダーになる人に血統などない」、つまり「身分ではなく、正しい主張をするものに政治を任せるべきだ」という意味です。秦の厳しい支配には道理がないという批判の意味を込めているのです。

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「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の類義語

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」には、以下のような類義語があります。

  • 鷽鳩大鵬を笑う:小さいハトが大きな鳥のことをバカにするたとえ
  • 猫は虎の心を知らず:小物には大物の気持ちが分からないというたとえ
  • 小人の心を以て君子を量る:小物が自分の気持ちで大物の考えを類推すること
  • 升(しょう)を以て石(こく)を測る:升(1.8L)という単位では石(180L)を測れないというたとえ

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の対義語

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」には、以下のような対義語があります。

  • 英雄は英雄を知る:優れた人物なら、将来優れた人物になる者を見抜けるということ
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まとめ

以上、この記事では「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」について解説しました。

読み方「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」
(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)
意味小物には大物の気持ちが分からないということ
由来古代中国で帝国を滅ぼした陳勝が言ったとされる言葉から
類義語「猫は虎の心を知らず」「升を以て石を量る」「小人の心を以て君子を量る」など
対義語「英雄は英雄を知る」など

夢を諦めそうになったときは、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の話を思い出してみるといいかもしれません。

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