「越権行為」の意味とは?使い方や具体例から類語や英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「越権行為(えっけんこうい)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「越権行為」をざっくり言うと……

読み方越権行為(えっけんこうい)
意味自分の権限の範囲を超えた行動を取ること
類義語越俎之罪、越俎代疱、職権乱用
対義語越畔之思
英語訳exceed one’s authority

「越権行為」の意味をスッキリ理解!

越権行為(えっけんこうい):自分の権限の範囲を超えた行動を取ること

「越権行為」の意味を詳しく

「越権行為」とは、「自分の権限を越えた行動を取ること」を言います。

「越権」とは、自分の権限を越えて、身分不相応な行動をすることを指します。後続の「行為」は、「越権」の意味を強める働きをしています。

「越権行為」は、法や規則で定められている「権限」を侵すことを指す場合が多いですが、単に出過ぎた振る舞いを表す場合もあります。

「越権行為」の使い方

  1. 秘書の私が、上司に無断で面会予約を受けるのは越権行為だ。
  2. サッカーについては素人の私たちが、代表監督の戦術に野次を飛ばしたのは越権行為だったように思う。
①では、秘書としての職務上の権限を侵すことを「越権行為」と言っています。②では、素人が出過ぎた真似をしたさまを「越権行為」と表現しています。

「越権行為」の類義語

越権行為には以下のような類義語があります。

  • 職権乱用(しょっけんらんよう):職務において、権限を越えたり、悪用したりすること
  • 越俎之罪(えっそのつみ):出過ぎた行いによって、他人の権限を侵害すること
  • 越俎代疱(えっそだいほう):出過ぎた行いによって、他人の権限を侵害すること

「職権乱用」は、「職権濫用」とも表記します。

また、「越俎之罪」と「越俎代疱」は、古代中国の思想家である荘子(そうし)が記した『荘子』を出典とする四字熟語です。「越俎」は、「他人の領分を侵す」という意味を持ちます。

『荘子』には、次のような故事が描かれています。古代中国において、堯(ぎょう)という皇帝が、人格者と名高い許由(ぎょゆう)に皇帝の座を譲ろうとした時のことです。

許由は、「人は自分の領分を守ることが重要です。たとえ料理人が神にお供えする料理をうまく作れないからといって、神主がまな板の前に立って料理人の仕事をすべきではありません。」と述べて断ったと言います。

この故事から、「俎(まないた)を越(こ)える」と書く「越俎」は、他人の領分を侵すことを指すようになりました。また、「代疱」は、代わりに料理人を立てることを指しています。

「越権行為」の対義語

越権行為には以下のような対義語があります。

  • 越畔之思(えっぱんのおもい):分(ぶ)をわきまえて、他人の領分を侵害しないようにすること

「畔」は「あぜ」と訓読でき、田畑の境界線のことを指します。つまり、「越畔」は他人の田畑に踏む込むことを指しています。

「越畔之思」は、他人の領域に介入することは、他人の田畑に足を踏み入れるようなものであり、絶対にすべきでないということを表す四字熟語です。

「越権行為」の英語訳

越権行為を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • exceed one’s authority
    (権限を越える)

上記の表現を用いた例文は以下の通りです。

例文
  • I thought my boss exceeded his authority when he interfered in my private life.
    (上司が私のプライベートに口出ししてきたとき、越権行為のように感じた。)

まとめ

以上、この記事では「越権行為」について解説しました。

読み方越権行為(えっけんこうい)
意味自分の権限の範囲を超えた行動を取ること
類義語越俎之罪、越俎代疱、職権乱用
対義語越畔之思
英語訳exceed one’s authority

人にはそれぞれ自分の領分というものがあります。「越権行為」によって他人の気分を害さないように注意しましょう。