テキパキと要領よくやるべきことを終えることができた時、あなたの頭によぎるのは、「効率よくできたな」と「能率良くできたな」のどちらのセリフですか?どちらもよく聞く単語だと思いますが、はっきりと使い分けができるでしょうか。
その二つの単語に違いはないと思われがちですが、使われる状況が微妙に異なります。それではその違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
結論:違いは、仕事をした時間が定まっているか
それに反して、「能率」とは、決められた時間に行った仕事の割合です。
「効率」を詳しく解説!
効率とは、仕事の量とそれに消費されたエネルギーの割合のことを指します。例えば、昨日は二時間で作文を二枚仕上げることができたのが、今日は一時間で二枚仕上げることができたら、効率が良いとされます。
この作文の例では、作業時間が短くなっていますが、同じ時間で仕上げることができた仕事量が増えているので、成果が上がったといえるのです。このように、相対的に成果を上げることができた事例の場合、効率が良くなったと表現されるのです。
ちなみに、近年若者の間でよく使われる「コスパの良い」という表現は効率が良いという意味で使われることがあります。
「効率」の使い方の例
- 作業を効率化することによって、短時間でより多くの料理の品を作れるようになった。
- 集中力が高まると、仕事の効率が良くなって、短期間で仕事を片付けることができる。
「能率」を詳しく解説!
能率とは定められた時間内で達成できた仕事の割合を指します。例えば、去年は一時間で三キロメートルしか走ることができなかったのが、今年になって一時間で五キロメートル走れるようになった場合、能率が上がったといえます。
このランニングの例では、走ることに費やした時間は一定のまま、走れた距離が長くなっているので、能率が良くなったと表現されるのです。
ちなみに、英語ではどちらも “efficiency” と訳されることが多いので、時間を基準にした単語の使い分けは日本特有のものだということができます。
「能率」の使い方の例
- 一日でこなせる仕事の依頼数が二倍になったので、能率が上がったと上司に褒められた。
- いくら能率を上げることができてもミスが多くては、仕事ができるとはいえない。
まとめ
この記事では効率と能率の使い分けについて解説しました。
- 効率:仕事に費やした労力と仕事量の割合
- 能率:決められた時間内でこなした仕事量の割合
「効率」と「能率」という単語は使われる状況が似通っているので、混同しがちだと思います。より少ない労力で多くの仕事をこなせるようになったのか、同じ時間内での仕事量を増やすことができたのかという違いに意識して、使い分けができるといいですね。