「効果」と「効能」の違いとは?意味から英語や使い方まで解説

違いのギモン

「効果」と「効能」は、効果効能といった形でひとまとめで表現されることもあるため、違いをわかりにくく思う方もいらっしゃるかもしれません。

今回は「効果」と「効能」の違いについて解説します。

結論:「効果」は最終的な結果、「効能」は結果をもたらす働き

「効果」とは、ある働きかけによってもたらされる望ましい結果のことを指します。

一方、「効能」とは、物質が望ましい結果につながるように作用することを指します。

「効果」をもっと詳しく


「効果」とは、ある働きかけによってもたらされる望ましい結果のことです。英語では “effect” と言います。

ポイントは、過程ではなく結果であるということです。例えば、風邪薬について考えた場合、風邪が治るという最終的な望ましい結果が「効果」です。

 

また、「効果」は、経済効果や温室効果など、影響や現象の意味合いでも用いられます。こうした用法の場合、望ましいものであるかは問われませんが、最終的な結果に言及しているという点では風邪薬の例と同じです。

さらに、演劇や映画などで、その場面を味わい深く演出する技法のことも「効果」と言います。これは、その技法によって趣のある情景を描くという望ましい結果につながるためです。音響効果という言葉がその 1例です。

「効果」の使い方の例

  1. 薬の効果が現れた。
  2. このポスターの宣伝効果は大きく、今月の来客数は先月の 3倍だった。
  3. あれほど注意したのに効果はなかったようだ。

➋の宣伝効果とは、宣伝をしたことで得られる望ましい反応のことを指します。例文の場合、先月の 3倍の来客数になった(2倍分来客が増えた)という最終的な結果が宣伝効果に当たります。

「効能」をもっと詳しく


「効能」とは、望ましい結果が得られるように物質が作用することです。英語では “efficacy” と言います。「効能」という言葉の重点は物質の作用や働きにあります。

ビタミンC を例にして、効能について考えます。ビタミンC は、免疫物質を増やす働きがあり、免疫力を高める上で重要な成分です。この時、免疫物質を増やす働きが「効能」です。そして、その結果、免疫力が高まることは「効果」に当たります。

また、幅広い分野で用いられる「効果」とは違い、「効能」という言葉は物質の作用について言及している言葉であるため、医療や健康にかかわる場面でしか用いられません。

「効能」の使い方の例

  1. 皮膚病に効能のある温泉。
  2. 生姜には、酸化作用を抑えて体の老朽化を防ぐ効能がある。
  3. しいたけには、血圧を抑制する効能がある。

どちらも使える場合

「効果」と「効能」の違いについて解説してきましたが、「薬の効果が現れる」と「薬の効能が現れる」のように、どちらも使える場合があります。ただ、こうした場合はそれぞれにニュアンスの違いがあります。

「効果」は結果に重きが置かれる言葉であるため、「薬の効果が現れる」と言う場合は、完治するというニュアンスになります。

一方、「効能」は働きかけ、言わば過程に重きが置かれる言葉であるため、「薬の効能が現れる」と言う場合は、治りつつある状態であるというニュアンスになります。

まとめ

以上、この記事では、「効果」と「効能」の違いについて解説しました。

  • 効果:ある働きかけによってもたらされる良い結果
  • 効能:良い結果をもたらす物質の働き

「効果」と「効能」は同じような場面でも用いることが出来る言葉ですが、最終的な結果なのか、それともあくまで働きかけなのかという点においてニュアンスの違いがあります。上手に使い分けてくださいね。