夏が近づくにつれて、夏バテ防止のための食事を心がける方も多いと思います。そんな人に鰻はぴったりです!鰻は高タンパクで、ミネラルやビタミンも豊富なため消化に良い食べ物です。日本では、昔から夏バテを防ぐために鰻を食べる習慣があります。
代表的な鰻料理は、「うな重」や「うな丼」だと思います。二つの料理の違いをあなたは説明することが出来ますか?
この記事では、「うな重」と「うな丼」の違いについて説明します。
このページの目次
結論:違いは器のみ!うな重は食器として重箱を用いる
「うな重」は、食器として重箱を使用します。
「うな丼」は、丼鉢を使用します。
「うな重」についてもっと詳しく
うな重とは、白米にタレをかけ、鰻の蒲焼を乗せた日本料理です。江戸や東京の郷土料理です。食器として、重箱を使用します。本来のうな重は、ご飯の上に鰻の蒲焼を乗せ、その上からご飯をいれて鰻の蒲焼を重ねる食べ物でした。
ご飯と鰻を重ねることがうな重と呼ばれるようになったきっかけです。今では値が張るため、重ねて提供するお店は少ないです。
うな重とうな丼の両方を置く飲食店では、通常うな重の方が鰻の量が多いです。長方形の食器に合わせて、うな丼よりもたくさんの鰻が詰められています。
「うな丼」についてもっと詳しく
うな丼とは、丼ぶりに白米をよそい、タレをかけ、鰻の蒲焼をのせた日本料理です。うな丼には丼鉢が使用されます。この時、器は陶磁器ではなく丸型の漆器の椀が使用されることも多いです。使用する食器によって、うな重と呼び方が区別されます。
薬味には粉山椒や、箸休めとして奈良漬けなどの漬物が添えられます。山椒の粉は、脂の多い鰻をさっぱりと食べるために使用します。消化を助け、泥臭さを消す効果もあります。
タレは、主に醤油と砂糖で作られます。多くのお店では、少しずつ継ぎ足しながらタレを受け継いでいます。鰻から出る脂と旨味、そして炭の香りが加わることで、コクや深みが生まれます。これによって、老舗ならではの味わいが誕生します。
「うな重」と「うな丼」の値段
鰻は、値段が高い料理の印象が根付いています。実際には、使用する鰻の部位によって、値段の格差が生じています。鰻料理はどれも均質的に高いわけではありません。
具体的に、三つの部位によって値段は変化します。
- 頭に近い部分:身が薄く、小骨が多い
- 胴体部分:身が厚い
- 尻尾に近い部分:身が薄く、幅が狭い
胴体部分は身が厚く、値段も一番高いです。つまり、幅が広く身が厚い胴体部分を多く使用する時に、うな重とうな丼の値段は高くなります。重箱は食器が大きいため、うな重の方が幅が広い鰻を多く使う必要があります。鰻とご飯の量もたくさん入ります。
一方で、うな丼には頭や尻尾に近い部位が使用されます。そのため、うな丼はうな重より安い値段で販売されることが多いのです。
多くのお店のうな重には、並・上・特上や、松・竹・梅、などのグレードが存在します。高いグレードのメニューには、鰻の量が多く使用されています。予算に合わせて美味しい鰻を召し上がることが出来ます。
地域の「うな重」と「うな丼」
鰻は、古くから日本で親しまれている料理です。そして、地域によって食べ方も様々あります。例えば、伊勢ではご飯とタレを混ぜてうな丼やうな重を食べています。
地域によって、蒲焼の仕方も変わります。関東は、鰻を焼いた後に蒸します。これによって、ふっくらとした食感に仕上がります。関西では、鰻を焼くだけで済ますことが多いです。関東の鰻よりも、パリっとした食感に蒲焼が出来上がります。
名古屋では、ひつまぶしが名産です。ひつまぶしは、明治以降に生まれた、名古屋発祥の鰻の食べ方です。基本的に使用されている食材はうな重とうな丼と一緒です。ひつまぶしがは、切り分けた鰻の蒲焼とご飯をお鉢に入れます。茶碗に取り分けて食べる方法で親しまれています。
ひつまぶしをそのまま鰻飯として食べることもありますが、ワサビや刻み海苔を好みに合わせて加えることもできます。また、鰻とご飯の残りにお茶を加え、お茶漬けとして食べることもできます。うな重やうな丼と比較して、一度に異なる食べ方を楽しむことが出来ます。
まとめ
以上、この記事では「うな重」と「うな丼」の違いについて説明しました。
- うな重:鰻の蒲焼と白米を重箱に盛り付けた日本料理
- うな丼:鰻の蒲焼と白米を丼鉢に装った料理
どちらも使用されている食材は一緒ですが、食べ方が異なりますね。気分に合わせて、自分にピッタリの鰻を食べましょう!