「地震」と「震災」の違いとは?種類から被害までわかりやすく解説

違いのギモン

毎年のように、世界の各地で大地震が起こっています。2011年の「東北地方太平洋沖地震」などが記憶に新しいでしょう。日本では、「地震」を避けて生きることはできません。

こうした大地震が起こると、「震災」という言葉を耳にします。2011年の大地震は「東日本大震災」と言いますよね。

では、「地震」と「震災」の違いは何でしょうか。

結論:揺れそのものか、被害か

「地震」は、地面の揺れそのものを指します

一方、「震災」は、地震によって起こった災害をまとめて指します

地震が起こっても、震災が起こるとは限りません

「地震」をもっと詳しく

地震」は、地面が揺れ動くことを言います。地面には常に力がかかっていて、ひずみがたまると岩盤が割れてしまいます。その割れ目を「断層」といい、断層が生じるところで地震が起こります。

地震の種類

地震は、大きく分けて3種類あります。

  • プレート境界型地震:プレートの境目で起きる地震
  • プレート内地震:プレートの境界以外で起きる地震
  • 火山性地震:火山の活動で起きる地震

2011年に起こった「東北地方太平洋沖地震」は、プレート境界型の地震でした。

地球表面は13枚のプレートに分かれてます。これらは、永遠に完成することのないパズルのように、ゆっくりと動いています。プレートが押しあうと、ひずみがたまります。地震によって一気にひずみが解放されるのです。

東北地方太平洋沖地震では、海の中にプレート境界があったので、津波が起こりました。地震のゆれにともなって、海水も動いたのです。

 

1955年の「兵庫県南部地震」は、プレート内のうち、内陸型の地震でした。内陸の岩盤が、突然割れたのです。淡路島には、この地震で割れた「断層」がくっきりと残されています。

最近の数十万年の間に活動したことのある断層を「活断層」といいます。全国には無数の活断層があります。

 

最後に紹介する「火山性地震」は、他の2つと少し性質が違います。断層ではなく、火山の働きで起こる地震なのです。火山の中にはマグマがためられています。噴火の前には、マグマが動くので山全体が動くのです。

火山性地震は小さなものですが、噴火を予想して対策をとるためにも、観測が大切です。

地震の大きさ

地震の大きさはさまざまですよね。日本人が震度2や3の地震ではあまり驚かないと言うと、地震の少ない国の人は驚くでしょう。

地震の大きさには、2種類あります。地震そのものの大きさをあらわす「マグニチュード」と、地震の揺れの大きさを表す「震度」です。1つの地震に対して「マグニチュード」は1つしかありませんが、震度は場所によって変わります。

 

マグニチュードは、地震によって解放されるひずみのエネルギーのことです。

他のものにたとえてみましょう。ある人が壁にもたれかかっていた場合、体重の一部が壁にかかっていることになります。かりにその重さを20kgとしておきましょう。

次に、その壁がとても薄くて、重みにたえかねて壊れてしまったとします。すると、壁が支えていたその20kgのエネルギーが解放されて、その人はよろめくでしょう。このように、押していたものが壊れるとエネルギーが解放されるのです。

 

マグニチュードは1大きくなるとおよそ32、2大きくなると、32×32で1000倍大きくなります。マグニチュード5の地震と、マグニチュード7の地震では、持っているエネルギーが1000倍も異なるのです。

 

震度は、揺れの大きさによって決まります。日本では、0から7まで(5, 6は強弱の2つに分かれる)の10の震度に分けられています。震度0では人は揺れを感じませんが、震度7では立っていることもできないほどの激しい揺れとなります。

 

実は、震度とマグニチュードは比例するわけではありません

兵庫県南部地震はマグニチュード6.9でしたが、震度7を多くの場所で観測しています。東北地方太平洋沖地震のマグニチュード9.0に比べるとエネルギーはおよそ1000分の1ですが、なぜ同じくらいの揺れが起こったのでしょうか。

答えは、震源からの距離が近いからです。地下深くで起こるプレート境界型地震に対して、活断層型の地震は浅いところで起こります。そのため、揺れが大きくなりやすいのです。「直下型地震」と呼ばれるものは、この活断層型の地震を指します。

「震災」をもっと詳しく

「震災」は、地震などによって起きる被害です。地震はあくまでも自然現象です。

「地震」を説明するときは、あえて「兵庫県南部地震」「東北地方太平洋沖地震」と言う地震の名前を使ってきました。これらの地震がもたらした被害をまとめて、「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」と言うのです。

震災には、様々な種類のものがあります。これらを正しく理解して、備えをしておくことが、「災害を防ぐ」防災に繋がります。

地震による被害

地震が起こって建物が壊れたり、物が壊れたりします。阪神・淡路大震災では、壊れた家の下敷きになって多くの人が亡くなりました。

さらに、地震によってがけ崩れや山崩れが起こることもあります。

 

また、地震によって埋め立て地などで「液状化現象」が起こることもあります。これは、地面の土砂に混ざっていた水が揺れて土砂と分離するために起こります。東日本大震災では、多くの埋め立て地で液状化現象が起こりました。

地面の一部だった水分が抜けるので、地面が陥没します。

家が傾いたり、道路が割れて通れなくなったりするなどの被害が起こります。

 

海が震源の地震で注意するべきは「津波」です。津波は、普通の波よりもエネルギーを持つため、低くても注意が必要です。東日本大震災では、地震そのもの以上に、津波によって多くの命が奪われました。

津波は、狭い湾や川などで高くなります。東日本大震災では、20mを超える大津波も観測されています。また、1960年には南米・チリで起こった地震の津波が東北地方太平洋岸を襲いました。揺れを感じていなくても津波に気をつけなければいけないときもあるのです。

二次災害

地震や津波などの自然現象によって起こった災害を「二次災害」と言います。二次災害の発生を食い止めることも、防災を考えるうえで大切です。

道路やライフラインが地震で止められてしまうことで、命に関わる被害をもたらすこともあります。

 

1923年の関東大震災では、昼に地震がおこり、大きな火事が起こりました。昼食の準備で火を使っていたところに地震が起こったためです。木造の家屋はあっという間に燃え、渦を巻くような巨大な炎が燃え上がったと言います。

 

さらに長期的に考えると、「震災関連死」も大きな問題です。阪神・淡路大震災では、仮設住宅に暮らすお年寄りの「孤独死」が大きな問題になりました。高齢者を中心に、環境の変化によるストレスや、環境の悪い避難所の生活による体調不良を抱え、死を早めてしまうことがあります。

デマ

不安なことが起こると、誤った情報に振り回されやすくなります。大地震の後に出回るデマには、気をつけましょう。情報の真偽を確認し、ウソの情報を広めてはいけません

東日本大震災では、「石油化学工場が爆発して有毒ガスの雨が降る」というデマが飛び交いました。他にも、様々なウソの情報が広まり、大きな問題になりました。

関東大震災では、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが広まり、朝鮮人が殺される事件も起こっています。

まとめ

以上、この記事では、「地震」と「震災」の違いについて解説しました。

  • 地震:地面が揺れる自然現象
  • 震災:地震による被害
正しく理解して、いざというときに自分の身を守れるようになりましょう。