故事成語「越畔の思い」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「越畔の思い(えっぱんのおもい)」です。

言葉の意味・例文・由来・対義語・英語訳について、わかりやすく解説します。

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「越畔の思い」の意味

越畔の思い(えっぱんのおもい)自分の領域を超えて、他者の領域に踏み込まないように心がけること

「越畔の思い」の詳しい意味


「越畔の思い」とは、自分の領域を守り、むやみに他者の領域に入り、荒らすことがないように心がけることです。つまり、身の程をわきまえた行動をするように気を付けることを表しています。

「畔」は、訓読みでは「あぜ」と読みます。田んぼや畑の境界線のことを指します。

「越畔之思」と書き、四字熟語として使われることもあります。意味は同じです。

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「越畔の思い」の例文

「越畔の思い」は文章中では以下のように使われます。

  1. 越畔の思いを普段から意識し、出過ぎたことをしないように気を付けている。
  2. 余計なことをして彼に迷惑をかけてしまったので、今後は越畔の思いを心に刻んで行動する。

「越畔の思い」の由来

出典は、中国の春秋時代に書かれた、『春秋左氏伝』という歴史書です。『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』と合わせて、「春秋三伝」と呼ばれています。

鄭(てい)という国の宰相である子産(しさん)が、政治における心がけを農業で例えた言葉の一節が由来になっています。

「政は農功の如し。

日夜之を思い、その始めを思いて、その終りを成し、朝夕にして之を行い、行い思いを越ゆること無し。

農の畔あるが如くならば、その過ち鮮し。

政治や農業、その他どんな分野においても、自分の領分をわきまえて他人の領域にむやみに踏み入らないことは、礼儀としても大切なことであるという教えです。

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「越畔の思い」の対義語

「越畔の思い」には、以下のような対義語があります。

  • 越権行為(えっけんこうい):与えられた権限を越えた行いのこと
  • 越俎之罪(えっそのつみ):自分の出すぎた行いによって、他人の領分を侵す罪のこと
  • 越俎代庖(えっそだいほう):出すぎた行いをすることで、他人の領分を侵す罪のこと

「俎」とは、まな板のことです。

「越俎之罪」「越俎代庖」
この二つは、『荘子』という本の、同じ話が元になった四字熟語です。概要は以下の通りです。

 
古代の中国で、尭(ぎょう)という皇帝が許由(きょゆう)という人物に、皇帝の座を譲ろうとしたことがありました。

それに対し許由は「人は自分の領分を守ることが大事です。料理人が、神様にお供えする料理に失敗したとしても、神主が代わって料理を作るべきではありません」と言って断りました。

「越畔の思い」の英語訳

「越畔の思い」は英語では以下のように表されます。

  • It is important to protect own territory and duty, and not enter in to other’s.
    (自分の領分を守り、他人の領分に入らないことが重要である)
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まとめ

以上、この記事では「越畔の思い」について解説しました。

読み方 越畔の思い(えっぱんのおもい)
意味 身の程をわきまえた行動を心掛けること
由来 中国の歴史書『春秋左氏伝』より
対義語 越権行為(えっけんこうい)、越俎之罪(えっそのつみ)、越俎代庖(えっそだいほう)
英語訳 It is important to protect own territory and duty, and not enter in to other’s.

他の人に対して、むやみに口や手を出さないことは、現代でも重要なことです。ぜひ「越畔の思い」を心がけてみてください。

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