「乾く」と「渇く」の違いとは?意味から使い分けや使い方まで解説

違いのギモン

「乾く」と「渇く」はどちらも水分がなくなる時に用いる言葉であるため、使い分けに迷ったことのある方は多いかもしれません。しかし、両者にはきちんとした意味の違いがあります。

今回は「乾く」と「渇く」の違いについて解説します。

結論:「渇く」は水分を強く欲している。

「乾く」は単に水分がなくなること、また潤いがなくなることを指します。一方、「渇く」は潤いがなくなった状態で、強く水分を求めている時に使います。

「乾く」をもっと詳しく


「乾く」は、水分や湿気がなくなることを指します。「洗濯物が『かわく』」や「雨に濡れた靴が『かわく』」と言う際には「乾く」を用います。

また、本来の意味から転じて、人間としての情が浅いことや生気が感じられない様も指します。

「乾く」の使い方の例

  1. 空気が乾いている。
  2. 舌の根が乾かないうちにまた約束を破った。
  3. 彼は乾いた心の持ち主だ。

➌の乾いた心とは、人間味のない冷淡な心のことを指します。

「渇く」をもっと詳しく


「渇く」とは、潤いがなくなり、強く水分を求めている時に使用します。「のどが『渇く』」という形で使われることがほとんどです。また、水分に限らず、何かが欠けた状況で、その何かを強く欲しがっているときにも「渇く」を用います。

なくなった何かを強く欲しがっている点が「乾く」との明確な違いです。別の見方をすると、「渇く」の方は、今欠けている何かはそこにあることが望ましいということになります。

 

ここで、間違えやすい例があります。既述したように、「『かわいた』心」と言う際には「乾く」を用いるのですが、人間味はないよりもある方が望ましく見えるため「『渇いた』心」と書きたくなるかもしれません。

ただ、人間味というのはその人に備わった性質であり、「『かわいた』心」の持ち主と言われる当人も、人として深い情を積極的に手に入れようとすることはないでしょう。そのため、この場合は「乾いた心」と表記します。

「渇く」の使い方の例

  1. 口が渇きやすいのが悩みだ。
  2. 愛に渇く。
  3. のどの渇きを潤す。

➋は、今は自分に注がれていない愛情を強く求めることを意味します。

まとめ

以上、この記事では、「乾く」と「渇く」の違いについて解説しました。

  • 乾く:潤いがなくなること。また、人間味がないこと。
  • 渇く:主に水分が欠乏した時に、強くそれを求めること。
「乾く」と「渇く」は水分が欠乏しているという点では共通しているため、混同しやすい同音異義語かもしれません。しかし、欠乏しているものを強く求めているのかどうかが決定的な違いとなるため、きちんと使い分けてくださいね。