ここ数年で、「仮装」「コスプレ」はハロウィン文化の浸透によってかなり身近なものになっているように感じます。
「仮装」や「コスプレ」の経験がある人の数も少なくはないでしょう。
ところで、「仮装」と「コスプレ」の違いをご存知でしょうか。
この記事では、その「仮装」と「コスプレ」の違いについて詳しく解説していきます。
結論:「仮装」の中に「コスプレ」がある
それに対し、「コスプレ」とは「コスチューム・プレイ」の略語で、「漫画やゲームやアニメのキャラクターに扮する(ふんする)」という意味を持っています。
- 扮する(※):「扮する(ふんする)」は「○○の姿になる」という意味。
「仮装」についてもっと詳しく
「仮装」とは「自分とは違うものの姿に扮する」という意味を持つ言葉です。
一般的に「仮装」と言うと、上に記したような意味が真っ先に思い浮かびますが、それ以外にもいくつか意味があります。
1つは「無かったことをあたかも有ったかのように見せかけること」というものです。
この意味の「仮装」では「仮装売買」という言葉があります。
交渉を有利に進めるために、実際には存在しない売買をあるように見せかけることを「仮装売買」と言います。
もう1つは「仮に装備して別のものにすること」という意味です。
この意味での「仮装」では「仮装空母」という言葉があります。
元々は空母ではなかったものに、簡易的な武器を装備することで空母として用いることとなったものを「仮装空母」と呼ぶということです。
また、「仮装」と似た言葉に「変装」や「扮装」という言葉がありますが、それぞれ意味が若干異なっています。
「変装」は「自分の立場を隠すために別人を装う」ことを指す言葉です。
それに対し、「扮装」とは主に「舞台や演劇の際に俳優が役柄に合わせた服装をすること」を意味します。
つまり、「警察官が潜入捜査のために暴力団員に仮装する」というのは、あまり適切ではないということになります。
この文章の場合、「警察官が潜入捜査のために暴力団員に変装する」と言ったほうが、より適切であるということです。
「仮装」は一般的には「自分とは違うものの姿に扮する」こと全般を指す言葉があり、その目的や場面に応じて「変装」や「扮装」と表現することがあるということですね。
「コスプレ」についてもっと詳しく
「コスプレ」とは「コスチューム・プレイ」の略語で、「漫画やゲームやアニメのキャラクターに扮する」ことを指します。
この「コスプレ」の語源である「コスチューム・プレイ」(costume-play)は和製英語(元々の英語には存在していない、日本で作られた英語)です。
しかし、英語表記のcosplayはイギリスの英語辞書に載るほどれっきとした英単語として認識されています。
また、「コスプレ」をする人々のことを「コスプレイヤー」(cosplayer)と言います。
「コスプレ」は上記のように、元々は「漫画やゲームやアニメのキャラクターに扮する」という意味を持っていました。
しかし、近年その意味は拡大し、「漫画やゲームやアニメのキャラクター」以外の恰好をする場合にも「コスプレ」という言葉を使うようになりました。
本来の意味に照らし合わせれば「ナースのコスプレ」や「悪魔のコスプレ」というのは間違っているということですね。
「ナースの仮装」や「悪魔の仮装」と表現したほうが適切ということです。
まとめ
以上、この記事では「仮装」と「コスプレ」の違いについて詳しく解説しました。
- 仮装:自分とは違うものの姿に扮する行為の全般を指す言葉
- コスプレ:漫画やゲームやアニメのキャラクターに扮することを指す言葉
元々は、「仮装」よりも「コスプレ」のほうが指す範囲は狭いということですね。
微妙な違いはあるものの、そこまで厳密に区別している人はあまりいないので、目くじらを立てることではないのかもしれません。
しかし、使い分けることができて損はないので、一応「仮装」と「コスプレ」の違いについて説明できるといいかもしれません。