「ドラフト」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ドラフト」です。

「ドラフト」の意味・使い方・語源などについて分かりやすく解説します。

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「ドラフト」とは?

ドラフト(draft):草案のこと。また、人を選抜することなど

「ドラフト」の意味を詳しく

「ドラフト」とは、草案や人を選び出すことなどを意味するカタカナ語です。

一般的にドラフトと聞くと、「プロ野球ドラフト会議」のことを連想するのではないでしょうか。そのため、日本では「人を選ぶ」という意味で用いられていることが多い言葉です。

しかし、ドラフトのもともとの意味は線や物を「引く」という意味です。この原義から、「草案」や、「人を選び出す」などという意味に派生しました。

では、それぞれどのような意味があるのか掘り下げていきましょう。

 

「草案」という意味

ドラフトは、下書きや試案(しあん)などの「草案」全般のことを意味する言葉です。これは、原義の「線を引く」という言葉から転じて、「下書きをする」「計画を作り上げる」という意味に派生したことから来ています。

具体的には、法案や企画などを練る際、問題点や不備な点を洗い出すための企画書を作ることがあります。このような草案のことを「ドラフト」と言います。また、建築業界では設計図のことを「ドラフト」と呼ぶことがあります。

このように、文章や図面を問わず、企画などの草案全般を意味する言葉が「ドラフト」なのです。

 

また、近年では必ずしも書面化している必要はないとも言われています。書面ではなく、企画やアイデアそのものを「ドラフト」と呼ぶこともあります。さらに、メールなどを下書き状態にすることを、「ドラフトする」とも呼ばれます。

このように、近年では徐々に意味が広がって来ている言葉であるということもできますね。

 

「人を選び出す」という意味

「人を選び出す」という意味も、元々は線や物を「引く」ということから来ています。原義の「線を引く」「物を引く」という意味から派生し、「人を引いて持ってくる」という意味に変化しました。そこから、「人を選び出す」という意味になったのです。

「草案」という意味に比べ、日本では「人を選び出す」という意味の方がより一般的でしょう。プロ野球界で、年に一度の新人選手を獲得機会である「プロ野球ドラフト会議」は、毎年大きく注目を浴びるイベントです。

新人選手を獲得する「ドラフト会議」は、アメリカのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)に起源を持ちます。ここから、アメリカのMLB(メジャーリーグベースボール)や日本のプロ野球などにも導入されました。この影響もあり、現在では主に「新人選手を獲得する」という意味のスポーツ用語として用いられることが多くなっています。

 

しかし、今でこそスポーツ用語ですが、より長い間用いられている意味があります。「ドラフト」は「徴兵(ちょうへい)」のことも意味します。徴兵とは国民が国家の兵隊として軍に入ることです。

特に、「ドラフト」は「緊急的に兵士として駆り出され、戦地へ行かされる」ような徴兵を意味します。たとえば、第二次世界大戦期の日本が行なった学徒出陣(がくとしゅつじん)は、緊急時につき、それまで兵役の対象外であった学生も戦地に駆り出す目的で一時的に作られた徴兵制度です。「ドラフト」はこのような、緊急かつ一時的な徴兵の事を指します。

つまり、韓国やイスラエルのように、「徴兵令」によってある一定の年齢を迎えた人間に兵役を課すという、法律として常に存在する制度的な徴兵は、「ドラフト」ではありません。

また、たとえ緊急的で、一時的に徴兵制度が発布(はっぷ)されていても、自ら進んで入隊した場合は「ドラフト」の意味とは異なってくることにも注意が必要です。

 

このように、「人を選び出す」という意味のドラフトは、スポーツ用語としての意味と、「徴兵」という意味の大きく2つに分けることができるのです。

 

その他の意味

また、日本で使われる言葉として、「ドラフトビール」という言葉があります。ドラフトビールは、「生ビール」と言い換えることもできます。このビールに付く「ドラフト」とという言葉は、「ビール樽から直接くみ出した」という意味を表します。

さらに、「ドラフト」には「隙間風(すきまかぜ)」という意味もあります。「物を引く」動作から、「狭いところから引くように入ってくる風」という意味に派生した言葉です。英語でも、「隙間風」は draft というように、主に英語圏では一般的に用いられている言葉です。

 

このように、ドラフトという言葉は多様でまったく異なる意味を持っています。しかし、どの言葉も線や物を「引く」という原義から派生している言葉なのです。

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「ドラフト」の使い方

  1. あの高校生は、中日ドラゴンズからドラフト会議で指名された。
  2. 契約を結ぶために、ドラフト版を作成する。
  3. ドラフト感があったので窓を調べてみると、微妙に隙間が空いていた。

②の文章は、「草案」という意味で用いられています。特に、「ドラフト版」という言葉は、契約を結ぶ際の、契約書の下書きを意味するビジネス用語です。

③の文章では、「隙間風」という意味を示しています。「ドラフト感」とは、隙間風が吹くことで人間が感じる不快感のことです。

「ドラフト」の語源

ドラフトの語源はラテン語の “trahere” です。

trahere とは、「引く」という意味のラテン語です。ここから、英語の draft という言葉に派生し、日本でも用いられるようになりました。

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スポーツ用語としての「ドラフト」の変化

上でも説明したように、「ドラフト」は「新人選手を獲得する」という意味を持っています。しかし、近年、このスポーツ用語としての「ドラフト」の意味に若干の変化が生まれてきました。

それは、MLBにおいて「ルールファイブドラフト」という制度が誕生したことがきっかけです。これは、新人選手ではなく、実力はあるが、選手層が厚いため2軍や3軍でくすぶっている選手を、他のチームが指名して移籍させることができるという制度です。

これを契機に、近年のアメリカでは、「ドラフト」が必ずしも「新人選手を」獲得することではなくなってきています。

この「ルールファイブドラフト」は日本プロ野球にはまだ導入されていません。しかし、万が一導入されれば、日本でも同じような意味の変化が起こる可能性があるかもしれませんね。

まとめ

以上、この記事では「ドラフト」について解説しました。

英語表記ドラフト(draft)
意味草案のこと。また、人を選抜することなど
語源ラテン語のtrahere
意味の変化「新人獲得」からの変化

ビジネスや法律、野球から徴兵、はたまたビールや現象まで、ドラフトは本当に広い意味を持つ言葉です。

しかし、説明したようにどの言葉も同じ語源を共有しています。このような、1つの語源から派生し、多様な意味を持つカタカナ語や英語は非常に多く存在しています。

このような言葉には、意味を暗記するより、ニュアンスやイメージとして覚えてしまうとより記憶しやすくなります。個人差はありますが、だまされたと思って一度試してみてはいかがでしょうか。

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