「遺伝子」と「DNA」と「ゲノム」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

「遺伝子」や「DNA」「ゲノム」という言葉は耳にすることはありますが、説明するとなると難しいのではないでしょうか。そこでこの記事ではその3つの違いについて詳しく解説していきます。

結論:物質なのか、情報そのものなのかの違い

「遺伝子」は「DNA」の一部で、生物の設計図となる情報です。

「DNA」は遺伝情報を記録している物質です。

「ゲノム」は「DNA」にしまわれている、生物に必要な1セットの遺伝情報のことです。

「遺伝子」をもっと詳しく

「遺伝子」は、生物の設計図になる情報です。DNAのところどころにあって、DNA全体のうち約1.5%が遺伝子です。

具体的には、遺伝子はタンパク質の作り方を記録しています。

人のカラダ全体のうち、約40%がカラダを形作る組織です。そのうちの約20%がタンパク質で水の次に多い成分です。タンパク質は筋肉や内臓、血液、皮膚、骨を作っているため、タンパク質の作り方を記録した遺伝子は、生物の設計図になる情報なのです。

「DNA」をもっと詳しく

「DNA」は遺伝情報を記録している、デオキシリボ核酸という物質です。細胞の核というところの中にあります。

遺伝子や、DNAの働き方を調節する情報を持った部分がありますが、機能がよくわかっていない部分も多く残っています。

「ゲノム」をもっと詳しく

「ゲノム」は、DNAにしまわれている情報であり、遺伝子もそうでない部分も含めた遺伝情報全体のことをいいます。自分自身を形作るのに必要な最小限の遺伝情報1セット分です。

ヒトは、母親と父親から1セットずつ受け継ぐため、2セットのゲノムを持っています。

ヒトの遺伝子の数は約2万3千個ですが、ミジンコでも約3万1千個、カーネーションは4万3千個あります。ヒトより複雑ではない単細胞生物や植物より遺伝子の数が少ないのです。

しかし、ゲノム全体の情報量で比べればヒトのゲノムはカーネーションの5倍もあります。ヒトのゲノムには、遺伝子以外に、遺伝子の働きを調節する部分が多くあります。様々な調整をしながら、カラダは作られているのです。

まとめ

以上、この記事では、「遺伝子」「DNA」「ゲノム」の違いについて解説しました。

  • 遺伝子:「DNA」の一部で、生物の設計図となる情報
  • DNA:遺伝情報を記録している物質
  • ゲノム:「DNA」にしまわれている、生物に必要な1セットの遺伝情報

ヒトは、とても複雑な調整をしながらからだづくりを行っています。大切にしたいですね。