「ディクテーション」の意味とは?使い方から英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ディクテーション」です。

「ディクテーション」の意味・効率的なやり方・聞き取れない原因・コツ・メリット・デメリット・おすすめ教材・使い方・語源・外国語学習法について分かりやすく解説します。

☆「ディクテーション」をざっくり言うと……

英語表記ディクテーション(dictation)
意味読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること、またはその試験
原因原因①:知らない単語・文法が使われている
原因②:発音の理解が足りていない
原因③:アクセントが理解できていない
原因④:背景知識が不足している
コツコツ①:自分のレベルに合った教材を選ぶ
コツ②:最初は穴埋め形式で行う
コツ③:同じ教材を繰り返し行う
メリットメリット①:リスニング力が上がる
メリット②:自分の弱点がわかる
メリット③:自分が興味のある題材を選べる
デメリットデメリット①:初学者には難しい
デメリット②:挫折の原因になりやすい
おすすめ教材おすすめ①:ゼロからスタートディクテーション
おすすめ②:英語リスニング無料学習館
おすすめ③:スタディサプリ
語源英語の “dictation”

「ディクテーション」とは?

ディクテーション(dictation):読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること、またはその試験

「ディクテーション」の意味を詳しく


「ディクテーション」とは、読み上げられた外国語の文章や単語を書き取る英語学習法です。

具体的には、先生やCDが読み上げた外国語の文章や単語を指定の用紙などに書き取ります。

「ディクテーション」では白紙に単語や文章を書き取る場合もありますが、一部の単語やフレーズだけ空欄になっている穴埋め形式の用紙に書き取る場合もあります。

白紙に文章を書き取る形式のほうが難易度は高いです。

 

そんな「ディクテーション」は外国語の学習方法として広く用いられています。

また、この方法を用いた試験を「ディクテーション」または「ディクテーション試験」と呼びます。

「ディクテーション」の効率的なやり方

「ディクテーション」は以下のような方法で行うと効果的に外国語を習得することができます。

「ディクテーション」のやり方
  1. 止めずに音声を聞き、大まかな内容を掴む
  2. 1文ごとに音声を止め、聞き取った内容を記す
  3. 答え合わせをする
  4. 間違えた場所の音声をもう一度聞き、答えを見ずに聞き取った内容を記す
  5. 再度答え合わせをする
  6. 間違えた理由を分析する
  7. 数日後、再度「ディクテーション」を行う

❹で聞き取れなかった文章・単語を聞き取れるようにしていくことが、外国語習得の近道です。

間違えた理由を正確に分析できると学習効率が向上するでしょう。

そして、「ディクテーション」は完璧にできるまで何度でも復習することで、効率的に外国語を身につけることができるようになります。

「ディクテーション」で聞き取れない4つの原因・対策

「ディクテーション」で聞き取れなかった文章・単語には必ず原因があります。

その中でも特によくあるのが、以下のようなパターンです。

「ディクテーション」で聞き取れない原因
  1. 知らない単語・文法が使われている
  2. 発音の理解が足りていない
  3. アクセントが理解できていない
  4. 背景知識が不足している

それぞれについて対策と一緒に見ていきましょう。

原因①:知らない単語・文法が使われている

知らない単語や文法が使われている場合、「ディクテーション」で聞き取ることは不可能です。

そもそも、「ディクテーション」をする教材を選ぶ時には、知らない文法は含まれていないものにし、知らない単語も極力含まれていないものにしましょう。

知らない単語や文法は、「ディクテーション」ではなく単語帳や文法の問題集で学ぶべきです。

原因②:発音の理解が足りていない

発音の理解が足りていないことで、「ディクテーション」ができない場合もあります。

私たち日本人もそうですが、外国人も文章に書かれている単語をそのまま読み上げているわけではありません。

たとえば、英語の場合、take itは単語のとおり「テイク イット」と発音されることはほとんどなく、「テイケット」とつなげて発音します。

発音の理解が足りていない場合は「ディクテーション」を繰り返し行い、発音のルールを身に着けましょう。

原因➂:アクセントが理解できていない

アクセントが理解できていないことで、「ディクテーション」ができない場合もあります。

アクセントとは、日本語で言うと「訛(なま)り」のことです。

ただ、日本人でも方言を理解できない場合があるように、アクセントを理解するのはかなり高度なテクニックです。

 

外国語習得の目的にもよりますが、基本的には標準語の発音が理解できていれば十分でしょう。

教材も、できるだけ標準語で話されているものを選びましょう。

原因④:背景知識が不足している

背景知識が不足していることにより「ディクテーション」ができない場合もあります。

日本と外国では文化が異なるため、話の内容をうまく理解できない場合があるのです。

単語・文法・発音などについて十分に理解できたら、その国の文化について学んでおくと、「ディクテーション」でも聞き取りやすくなるでしょう。

「ディクテーション」を効率的に行う3つのコツ

「ディクテーション」は以下のようなコツを実践すれば効率的に行うことができます。

  1. 自分のレベルに合った教材を選ぶ
  2. 最初は穴埋め形式で行う
  3. 同じ教材を繰り返し行う

それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。

コツ①:自分のレベルに合った教材を選ぶ

「ディクテーション」において一番大切なのは自分のレベルに合った教材を選ぶことです。

具体的には、以下のような条件を満たす教材を選びましょう。

自分に合った教材の条件
  • 知らない単語がほとんどない
  • 知らない文法がない
  • 文章で読んだら意味がすぐ理解できる

大切なのは、とにかく簡単な教材を選ぶことです。

「ディクテーション」は紙に書かれた文章を読むよりよほど高度な学習方法です。

難しい教材を選ぶとわからない箇所が多すぎて挫折の原因になります。

コツ②:最初は穴埋め形式で行う

「ディクテーション」は最初は穴埋め形式で行うのがおすすめです。

理由は簡単で、穴埋め形式のほうが難易度が低いからです。

「ディクテーション」は高度な学習方法ですから、最初はとにかく難易度を下げて行うのが重要です。

穴埋め形式で「ディクテーション」ができる教材も売られているので、活用しましょう。

コツ➂:同じ教材を繰り返し行う

「ディクテーション」に限らず、外国語学習では同じ教材を繰り返し行うのが重要です。

そうすれば記憶に定着しやすくなり、学習効率が良くなります。

以下のようなタイミングで復習するのがおすすめです。

おすすめの復習タイミング
  1. 翌日
  2. 3日後
  3. 1週間後
  4. 2週間後
  5. 1ヶ月後

「ディクテーション」の3つのメリット

「ディクテーション」には以下のようなメリットがあります。

「ディクテーション」のメリット
  • リスニング力が上がる
  • 自分の弱点がわかる
  • 自分が興味のある題材を選べる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット①:リスニング力が上がる

「ディクテーション」の最大のメリットはリスニング力が上がることです。

「ディクテーション」では聞き取った英語を理解し、それを書き写す必要があります。

そのため、「ディクテーション」できちんと聞き取れるように慣れば、リスニング力も上がるのです。

メリット②:自分の弱点がわかる

自分の弱点がわかることも「ディクテーション」のメリットのひとつです。

「ディクテーション」には単語力、文法力、リスニング力のすべてが必要です。

そのため、「ディクテーション」で間違えた原因を分析すれば、どの力が自分に足りないかわかるのです。

メリット➂:自分が興味のある題材を選べる

自分が興味のある題材を選べるのも「ディクテーション」のメリットのひとつと言えます。

「ディクテーション」は音声とそれに対応する文章さえあれば、どの題材でも行うことができます。

たとえば、外国語字幕がつけられれば、好きなドラマで「ディクテーション」を行うこともできるのです。

「ディクテーション」の2つのデメリット

「ディクテーション」は効果的な外国語学習法ですが、以下のようなデメリットもあります。

  1. 初学者には難しい
  2. 挫折の原因になりやすい

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

デメリット①:初学者には難しい

「ディクテーション」の最大のデメリットは初学者には難しいことです。

先ほども述べたとおり、「ディクテーション」は単語力、文法力、リスニング力が備わっていなければできません。

そのため、単語力や文法力がない人が行うにはあまりに難しすぎます。

「ディクテーション」は文法や単語をある程度身につけた後で行うと良いでしょう。

デメリット②:挫折の原因になりやすい

挫折の原因になりやすいことも「ディクテーション」のデメリットと言えます。

「ディクテーション」は多くの人が思っているより、ずっと高度な勉強法です。

そのため、自分のレベルに対して難しすぎる教材を選ぶ人が多く、これが挫折の原因になるのです。

繰り返しになりますが、「ディクテーション」の教材は文章で読んだ時には簡単すぎるレベルのものにしましょう。

「ディクテーション」のおすすめ教材3選

「ディクテーション」には多くの教材がありますが、その中でも英語学習に特におすすめなのは以下の3つです。

  1. ゼロからスタートディクテーション
  2. 英語リスニング無料学習館
  3. スタディサプリ

それぞれの教材について詳しく見ていきましょう。

おすすめ①:ゼロからスタートディクテーション

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「ゼロからスタートディクテーション」は「ディクテーション」初心者におすすめの本です。

簡単なところから段階を追って「ディクテーション」に慣れることができるので、挫折しにくい教材になっています。

おすすめ②:英語リスニング無料学習館

英語リスニング無料学習館は無料の「ディクテーション」用サイトです。

5~10秒程度の音声でタイピングを使って「ディクテーション」を行うことができます。

おすすめ➂:スタディサプリ

スタディサプリは月額1,980円(税別)~の料金がかかりますが、「ディクテーション」を始め、英語学習に適したさまざまな教材が揃っています。

パソコンやスマホでスキマ時間に英語学習を行えます。

「ディクテーション」の使い方

  1. 先生が読み上げた英単語をディクテーションする。
  2. 英語の期末テストでは、ディクテーション試験が課される。
  3. 中国語学習を始めたばかりの私にとって、中国語をディクテーションするのは難しい。

「ディクテーション」の語源

「ディクテーション」の語源は英語の “dictation” です。

“dictation” には以下のような意味があります。

“dictation” の意味
  1. 書き取り
  2. 書き取りの試験
  3. 命令

❸のみ「ディクテーション」にはない意味ですね。

ちなみに、 “dictation” は英語の “dictate” を名詞形にしたものです。

そして、 “dictate” の語源をさらに遡るとラテン語で「話をする」という意味の “dictatus” になります。

「ディクテーション」以外のおすすめ外国語学習法

「ディクテーション」以外におすすめの外国語学習法には以下のようなものがあります。

  1. シャドーイング
  2. 音読
  3. 要約

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

外国語学習法①:シャドーイング

「シャドーイング」とは、聞き取った音声をすぐに声に出して発音する外国語学習法です。

「シャドーイング」は性質上、特にリスニング力を上げるのに効果的な学習方法です。

「ディクテーション」よりもさらに難易度が高いです。

そのため、「シャドーイング」を行う時にはできるだけ簡単な教材から始めるようにしましょう。

外国語学習法②:音読

「音読」は書かれている文章を声に出して読む外国語学習法です。

「音読」を行う時には前段階としてまず精読を行い、わからない単語や文法は調べて、文章の意味が理解できるようにしておきます。

その後、「音読」をすることで、学習した内容の定着を図るのです。

「音読」は文法力や単語力を鍛えるのに役立ちます。

外国語学習法➂:要約

「要約」は書かれている文章の内容を短くまとめる外国語学習法です。

「要約」は日本語で行っても良いですが、外国語で行うとより効果的です。

「要約」は文法力の向上に役立ちます。

まとめ

以上、この記事では「ディクテーション」について解説しました。

英語表記ディクテーション(dictation)
意味読み上げられた外国語の文章や単語を書き取ること、またはその試験
原因原因①:知らない単語・文法が使われている
原因②:発音の理解が足りていない
原因③:アクセントが理解できていない
原因④:背景知識が不足している
コツコツ①:自分のレベルに合った教材を選ぶ
コツ②:最初は穴埋め形式で行う
コツ③:同じ教材を繰り返し行う
メリットメリット①:リスニング力が上がる
メリット②:自分の弱点がわかる
メリット③:自分が興味のある題材を選べる
デメリットデメリット①:初学者には難しい
デメリット②:挫折の原因になりやすい
おすすめ教材おすすめ①:ゼロからスタートディクテーション
おすすめ②:英語リスニング無料学習館
おすすめ③:スタディサプリ
語源英語の “dictation”

「ディクテーション」は、外国語学習で広く用いられています。学校や塾の英語の授業などで、「やったことがある」という人も少なくないのではないでしょうか。

ただ、どんな学習法も、どのような効果が期待できるのか理解した上で、正しいやり方でやらなければ意味はありません。

「ディクテーション」に限らず、何か学習法を試す際は、その効果・正しいやり方をしっかり押さえた上で取り組みたいところです。