今回ご紹介する言葉は、熟語の「末裔」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「末裔」をざっくり言うと……
読み方 | 末裔(まつえい) |
---|---|
意味 | 先祖から代々続く血筋の中で、その時点での末の者 |
由来 | 「子孫」「先端」という意味の漢字 |
類義語 | 子孫、後裔、末孫、孫子 |
対義語 | 先祖、始祖、高祖、ルーツ、祖先、先世 |
英語訳 | “descendant” (子孫・末裔) “progeny” (子孫・種子) “offspring” (子孫・種子) |
「末裔」の意味をスッキリ理解!
「末裔」の意味を詳しく
「末裔」とは、「先祖から代々続く血筋の中で、その時点での末の者」のことです。
読み方は、「まつえ」ではなく「まつえい」なので注意しましょう。また、「ばつえい」と読むこともあります。
「末裔」は、同じ血筋を持つ人の中でも、その時点でいちばん最後の、末である人を指します。家系図で最も下に表記される人です。
「末裔」は、「徳川家康の末裔」のように、歴史上の人物などの有名人の血筋について言うときに使われることが多いです。しかし、実際には、このような歴史上の人物以外の血筋についても「末裔」と言い表すことができます。
「末裔」の使い方
- 彼はかの有名な織田信長の末裔らしい。
- 私は末裔であるのだから、彼の名に恥じぬように生きなければならない。
- 偉業を成し遂げた人物の末裔であることを誇りに思っている。
「末裔」の由来
「末裔」の漢字には、以下のような意味があります。
- 末:続いているものの先端のこと
- 裔:血筋の末・子孫
「末裔」の類義語
「末裔」には以下のような類義語があります。
- 子孫:ひとつの血統を受け継いで生まれてきたもの
- 後裔(こうえい):かなり昔のある人やある一族から、代々血でつながってきた血筋の人
- 末孫(ばっそん・まっそん):「末裔」と同じ意味
- 孫子(まごこ):孫と子・子孫
「孫子」は、漢字の通り「孫や子」のことを表します。しかし、場合によっては、その先の子孫について表すこともあるのです。
「末裔」と「子孫」の違い
「末裔」と「子孫」は混同して使われやすいですが、意味の違いがあります。
「末裔」が「先祖から代々続く血筋の中で、その時点での末の者」という意味に対し、「子孫」は「ひとつの血統を受け継いで生まれてきたもの」という意味です。
つまり、ある血筋の中の末端であるAさんは「末裔」であり、「子孫」です。しかし、Aさんに子供が生まれた場合、子供が「末裔」になります。
Aさんも、その子供も「血筋の者」であることには変わりないので、二人とも「子孫」ではあります。しかし、「末裔」は「末の者」のみを指すので、子供が生まれればAさんは「末裔」ではなくなります。
「後裔」と「子孫」の違い
「後裔」は、「かなり昔のある人やある一族から、代々血でつながってきた血筋の人」という意味です。
「子孫」は、ある人の子供や孫などの近い代も含んで指します。それに対して、「後裔」は、もっと先の子孫だけを表します。
ただし、厳密に「後裔は何代目以降の子孫のこと」などと決まっているわけではありません。
「末裔」の対義語
「末裔」には以下のような対義語があります。
- 先祖(せんぞ):その家系に属した過去の人々
- 始祖(しそ):血筋・流儀などの系統が考えられるものの始まり
- 高祖(こうそ):遠い先祖
- 祖先:「先祖」のやや硬い言い方
- 先世(せんせい):「祖先」と同じ意味
- ルーツ:根源・祖先
「末裔」の英語訳
「末裔」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- descendant
(子孫・末裔) - progeny
(子孫・種子) - offspring
(子孫・種子)
まとめ
以上、この記事では「末裔」について解説しました。
読み方 | 末裔(まつえい) |
---|---|
意味 | 先祖から代々続く血筋の中で、その時点での末の者 |
由来 | 「子孫」「先端」という意味の漢字 |
類義語 | 子孫、後裔、末孫、孫子 |
対義語 | 先祖、始祖、高祖、ルーツ、祖先、先世 |
英語訳 | “descendant” (子孫・末裔) “progeny” (子孫・種子) “offspring” (子孫・種子) |
「祖先」や「子孫」を表す言葉はいくつもあるので、使い分けができるようにしておきましょう。