「糾弾」と「非難」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

何かを責め立てることを表す言葉として「糾弾」と「非難」があります。実は、この 2つの言葉はニュアンスが微妙に異なります。皆さまは、違いをご存知でしょうか。

今回は「糾弾」と「非難」の違いについて解説します。

結論:罪状が明白な場合に「糾弾」を用いる

「糾弾」とは、罪状を問いただした上で相手を責め立てることを指します。

一方、「非難」とは、相手の欠点や過失を責め立てることを指します。

つまり、相手の罪状が明白である場合の「非難」を「糾弾」と言います。

「糾弾」をもっと詳しく


「糾弾」とは、罪状や起こったことに対する責任を問いただした上で相手を責め立てることを指します。英語では “denunciation” と言います。

「糾」には「取り調べて是非を明白にする」、「弾」には「罪を責め立てる」という意味があります。罪とは、違法行為や社会通念上良くないとされる行為のことです。つまり、「糾弾」とは客観的な基準で問いただされた罪状や責任を責め立てることなのです。

そのため、犯罪や不正行為など、多くの人が悪だと見なすものを責め立てる時に「糾弾」は使われます。

「糾弾」の使い方の例

  1. 企業の不正を糾弾する。
  2. 政治家の汚職をマスコミが糾弾した。
  3. いじめ行為を見て見ぬ振りした彼らも糾弾の対象だ。

「非難」をもっと詳しく


「非難」とは、相手の欠点や過失を責め立てることを指します。英語では “criticism” や “condemnation” と言います。

「糾弾」の場合は責める相手の罪状が客観的に明白ですが、「非難」と言う場合はそうとは限りません。「非難」は、人の欠点などのように、絶対的な悪ではない事柄にも使われます。

欠点というのは誰にでもあるものであり、一律の基準で善悪を問えるものではありません。そのため、「非難」には、個人的な判断で相手を責め立てることも含まれるのです。

「非難」の使い方の例

  1. 訪問者に対して無愛想な対応をした彼を私は非難した。
  2. 今日の彼のプレーは決して好調とは言えず、ファンからは非難の声が上がった。
  3. なかなか一歩を踏み出せない私は臆病者だと非難された。

まとめ

以上、この記事では、「糾弾」と「非難」の違いについて解説しました。

  • 糾弾:罪状を問いただした上で相手を責め立てること
  • 非難:相手の欠点や過失を責め立てること
「糾弾」は「非難」の一部であり、両者は使う場面も似通っています。「糾弾」を「非難」に言い換えることは問題ないですが、その逆をするとニュアンスに違和感が出てきてしまいます。注意しましょう。