「絶対」と「絶体」の違いとは?意味から使い分けまでわかりやすく解説

違いのギモン

「絶対」と「絶体」は間違えやすい同音異義語です。使い分けが正しく出来ない方も多いと思います。しかし、ポイントさえ押さえれば簡単に違いを理解することが出来ます。

この記事では、「絶対」と「絶体」の違いを説明します。

結論:「絶体」は単体で使われることがない

「絶対」は、比較、対立がない状態を指します。

「絶体」は、危険、困難な状態を指します。基本的に「絶体絶命」という四字熟語でしか使用されません

「絶対」についてもっと詳しく

絶対は、他の対立や比較の対象が無い状態を指します。他に並ぶ物がないため、比べることが出来ない状態です。また、他に何ものにも制約、制限されないことも意味します。

比べる対象がないという意味で使用される場合、以下の単語が存在します。

  • 絶対君主
  • 絶対的存在

これらは、他に対立するものがない優れた人物を指します。

絶対は、副助詞としても使うことができます。「に」をつけて文章に取り込まれます。この場合の「絶対」は、何があっても必ず、という意味でも使用されます。目的の前に「絶対」をつけることで、より強い感情や意思を込めることが出来ます。

日常生活で使用される例に以下の文が存在します。

  • 万引きを絶対に許さない。
  • 絶対にこの試合で勝利したい。
  • 雨でも絶対に学校へ行く。

「絶体」についてもっと詳しく

絶体は、体が存続できない限界の状態を指します。また、体が尽きるような状態も表します。つまり、逃れられない窮地や立場に追い込まれることを意味します。

もともと運勢を占う九星占いの不吉な星のことを表しています。その意味が転じて、危険や困難から逃れられないことや、生きる道のない状態を指すようになりました。

絶体は絶対と異なり、単体で使われることはありません。基本的に絶体絶命という四字熟語でしか使用されません。絶体絶命の危機とは、死から逃れられないような状況を表す単語です。頻繁 (ひんぱん) に使用される文を紹介します。

  • 絶体絶命の時に助けていただいた恩を忘れない。
  • エースが怪我をする絶体絶命のピンチを乗り越え勝利した。

「絶対」と「相対」の違い

絶対の反対語は相対です。絶対と相対を使い分ける方法を説明します。まず、相対は互いに他との関係を持ち合うことで成立する状態を意味します。

学校の成績評価で採用されている方法に、「絶対評価」と「相対評価」があります。絶対評価は、仮に全員が 100 点を取った場合、全員が 5 段階評価の 5 をもらえる方法です。

対して、相対評価では他人との比較で成績が決まります。自分が全体と比べてどの位置にいるかが重要です。仮に自分は 80 点しかとれない場合でも、周囲の人が 70 点以下しかとれなければ、成績の 5 評価がもらえます。

逆に、99 点とれた時でも、周囲の人が皆 100 点であれば、低い成績をもらう可能性が高いと言えます。

絶対は、他人と比較することがありません。絶対評価は、比較対象がない評価の方法、ということです。

まとめ

以上の記事では、「絶対」と「絶体」の違いを説明しました。

  • 絶対:比較、対立がない状態。
  • 絶体:危険、困難な状態。絶体絶命でのみ使用される。

絶体は「絶体絶命」の単語でしか使用されないことを頭に入れておけば間違えません。これで誰でも使い分けを正しく行うことが出来ます!