心理学用語「脱中心化」とは?意味と具体例をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「脱中心化(だつちゅうしんか)」です。

言葉の意味、具体例、提唱者についてわかりやすく解説します。

 

「脱中心化」の意味をスッキリ理解!

脱中心化(だつちゅうしんか)幼児期の自己中心的な思考・視点から脱する過程

 

「脱中心化」の意味を詳しく

「脱中心化」とは、幼児期の自己中心的な思考・視点から脱する過程のことです。

人は幼児期には、自己中心的な考えしかできません。これを「自己中心性」と言います。この「自己中心性」を脱して、他者の視点を理解できるようになる過程を「脱中心化」と言います。

「脱中心化」についてより詳しく説明します。

「自己中心性」をもっと詳しく

「自己中心性」とは、幼児期に見られる自己中心的な思考・視点のことです。「わがまま」というわけではなく、他者の視点に立ってものごとを考えることができないのです。

幼児期には、自分から見える世界がすべてであり、「他者は他者の視点から世界を見ている」ということが想像できません。

もちろん、他の人間やおもちゃなどの物が自分ではなく、他の存在であることはわかっています。しかし、他の人間が自分とは別の視点・考えを持っていることを知らないのです。

「自己中心性」と「わがまま」「ナルシシズム」との違い

「自己中心性」と「わがまま」は違います。「わがまま」とは、利己的であること、つまり、自分のことだけを考えて、自分の利益だけを追求しようとすることです。

確かに、「自己中心性」も「自分のことだけを考える」という点は一致しています。しかし、「わがまま」が、他者の存在や視点を理解したうえで自分を優先しているのに対し、「自己中心性」とは、他者の視点をそもそも理解できていないのです。

また、「ナルシシズム」とは、うぬぼれること、自分に陶酔(とうすい)することです。こちらも、「自分が世界の中心にいる」という点では「自己中心性」と同じものがあります。

しかし、「自己中心性」は「ナルシシズム」とは違い、他者の視線や称賛によって満足感を感じることはありません。

「脱中心化」の具体例

「脱中心化」ができていない幼い子供は、かくれんぼをするときに自分だけ目をつむって、隠れた気になることがあります。

「他者が自分とは別の視点をもって自分を探している」ことが理解できないからです。

これに対して、「脱中心化」ができた子供は「相手ならどこを探すだろうか」という考えのもと、隠れ場所を探すことができます。

他者には他者の思考と視点があることを理解できているからです。

「脱中心化」の提唱者

「脱中心化」を提唱したのは心理学者のジャン・ピアジェです。「脱中心化」は、彼が唱えた「認知発達理論」のなかに登場する概念です。

「認知発達理論」は、人間が認知を獲得する過程を段階的に分けて考えたものです。以下のように分かれます。

  • 感覚運動段階(0~2歳):他のものと自分が違う存在だと覚えていく
  • 前操作段階(2~7歳):ものごとを区別して認識できる
  • 具体的操作段階(7~12歳):数の概念を理解し、重さや長さを比較できる
  • 形式的操作段階(12歳以降):抽象的な思考ができるようになる
  • 「全操作段階」までは、人間は自己中心的な認識しかできません。その後、「具体的操作段階」において「脱中心化」が進むと言われています。

    まとめ

    以上、この記事では「脱中心化」について解説しました。

    読み方脱中心化(だつちゅうしんか)
    意味幼児期の自己中心的な思考・視点から脱する過程
    提唱者心理学者のジャン・ピアジェ

    「脱中心化」は、人間なら誰しもが経験しているものです。「自己中心性」の考え方も含め、しっかりと理解しておけるといいでしょう。