「打診(だしん)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「打診(だしん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「打診」の意味をスッキリ理解!

打診(だしん):体を叩いて内蔵の具合を判断すること。話を持ち掛けて相手の反応を見ること。

「打診」の意味を詳しく

「打診」には以下のような2つの意味があります。

「打診」の意味
  • 【医療用語】患者の体を指先で叩き、音などの反応から内臓の具合を診察すること
  • 相手の意向を知るべく話を持ち掛け、反応を見ること

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

意味①:【医療用語】患者の体を指先で叩き、音などの反応から内臓の具合を診察すること

「打診」はもともと医療用語でした。

意味は、「患者の体を指先で叩き、音などの反応から内臓の具合を診察すること」です。

指に代わって、打診器という医療器具が使われることもあります。

その名の通り、「打診」をするための器具のことです。

意味②:相手の意向を知るべく話を持ち掛け、反応を見ること

「打診」は、一般的には「相手の意向を知るべく話を持ち掛け、反応を見ること」という意味です。

これは、医療行為の「打診」における、「こちらから働きかけて、体の反応を伺う」という点が派生して出来た意味です。

ただし、一般的な意味の「打診」には、「相手に何かをするようにお願いする」というニュアンスはありません。

 

例として、A社が、業務提携しているB社に、新しい共同プロジェクトの案について「打診」する場面を考えます。

すでに述べたように、「打診」の目的は「相手の意向を伺う」ことです。

つまり、この例における「打診」は、「プロジェクトの案に対して、B社がどのような反応を示すかを確認すること」を意味します。

 

したがって、A社の人は、プロジェクト案への賛同を求めたり、プロジェクトを進める前提で何かをお願いしたりしてはいけません。

また、B社の人についても、即座に案への返事をする必要はなく、言える範囲でA社の人に意向を伝えれば良いということになります。

あくまで、ビジネスにおける「打診」は、「未決定の事項について、相手の意向を伺うこと」なのです。

何かの案について誰かに「打診」する時は、相手に対して押しつけがましい態度を取らないようにすることが大切です。

「打診」の使い方

  1. 医者は、私の背中を打診器で叩いている。
  2. 上司に、来季からマネージャーをやらないかと打診された。
  3. 新薬を開発したA社は、B社から提携打診を受けた。

①の例文における「打診」は、医療行為です。

医者が器具を用いて患者の背中を叩き、その反応から内臓の様子を知ろうとしているということを表現しています。

 

②の例文では、人事異動に関するビジネスシーンが描かれています。

マネージャーをやることに関して、「私」の意向を上司が尋ねてきたという意味です。

ここで注意すべき点は、「私」がマネージャーをやるかどうかは未定であり、あくまで意向を確認しているに過ぎないということです。

もし、「私」がマネージャーをすることが決定しているのであれば、それは「打診」ではなく「辞令」という表現が適切です。

「辞令」とは、企業が従業員に対して、人事異動などの命令を出すことです。

 

最後に、③の例文は、新薬開発に成功したA社と業務提携をしたいと考えているB社が、A社に意向を尋ねてきたということを言っています。

「提携打診」は、業務提携への意向を問うことを指す表現としてよく使われます。

「打診」の類義語

打診には以下のような類義語があります。

  • 提案:考えを提示すること
  • 表明:意見を明示すること
  • 依頼:用件などを人に頼むこと
  • 相談:どうすれば良いかを話し合うこと
  • 可否を問う:賛成か反対かなどを質問すること
  • 是非を問う:良いことか悪いことかなどについて問うこと

「打診」と「依頼」の違い

「打診」と「依頼」には以下のような違いがあります。

  • 打診:話を持ちかけて相手の反応を見ること
  • 依頼:用件を相手に頼むこと

上でも説明したとおり、「打診」は「依頼」よりも「相手の意見を聞く」というニュアンスが強いです。

その場で賛成か反対かなどをはっきりと表明する必要はありません。

一方、「依頼」の場合は「頼み事をする」というニュアンスが強いため、賛成か反対かなどを表明する必要があります。

「打診」と「表明」の違い

「打診」と「表明」には以下のような違いがあります。

  • 打診:ある事柄について相手の意向を伺う
  • 表明:ある事柄について自分の意見を述べる

「打診」は「相手の反応を見る」というニュアンスが強いですが、「表明」は「自分の意見を述べる」というニュアンスが強いのです。

「打診」の英語訳

打診を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • percussion
    (打診)
  • sounding
    (調査、打診)
  • offeer
    (提供する)
  • suggest
    (提案する)
  • approach
    (話を持ちかける)

“percussion” の意味

“percussion” は、医療行為における「打診」を指します。

「~を打診する」という動詞の形で用いる場合は “percuss over ~” と表現します。

“sounding” の意味

“sounding” は、「話を持ち掛け、相手の意向を伺う」という意味です。

動詞の形で用いる場合は “sound ~” や “sound out ~” を使います。

たとえば、「彼の考えを打診する」と言う場合は、”sound his opinion” や “sound out his opinion” と表現します。

「打診買い」「打診売り」とは?

「打診買い」「打診売り」は証券用語のひとつです。

それぞれ以下のような意味があります。

  • 打診買い
    相場が下がってきている時に、そろそろ下げが終わるかと予想して買い注文を入れること
  • 打診売り
    相場が上がってきている時に、そろそろ上げが終わるかと予想して売り注文を入れること

まとめ

以上、この記事では「打診」について解説しました。

読み方打診(だしん)
意味体を叩いて内蔵の具合を判断すること。
話を持ち掛けて相手の反応を見ること。
類義語提案、表明、依頼など
英語訳percussion, soundingなど

医療用語でもあり、ビジネスシーンでも用いられる「打診」ですが、「こちらから働きかけて、相手の様子を伺う」という本質を押さえておけば、意味を覚えやすくなるでしょう。