心理学用語「代償行動」とは?意味と具体例をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「代償行動(だいしょうこうどう)」です。

言葉の意味・具体例・提唱者・似た概念・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「代償行動」の意味をスッキリ理解!

代償行動(だいしょうこうどう):ある目標を達成できなかったときに、その不満を解消するために別の行動をすること

「代償行動」の意味を詳しく

「代償行動」とは、ある目標を達成することができず、満たされない感情や欲求が生まれたとき、別の行動をすることで欲求を満たそうとする行為のことです。

「代償」は「防衛機制」の一種です。「置き換え」と呼ばれることもあります。「代償」は「欲求の対象を本来のものとは別のものに置き換えて、充足すること」で、「防衛機制」とは「不快な感情を弱めて、精神的安定を保つための心理メカニズム」を指します。

つまり、「代償行動」は目標を達成できず、傷ついてしまった心を守るための行動と言えます。

ちなみに、代償行動がもともとの欲求を満たす度合いのことを「代償価」と言います。つまり、代償価が高いほど満足度も高いということになります。

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「代償行動」の具体例

代表的な代償行動として、「過食」があります。無力感や孤独感を紛らわせるために、必要以上に食べてしまうことです。行き過ぎると「過食嘔吐」に繋がってしまうため、身体に悪影響を及ぼします。

また、いわゆる「衝動買い」も代償行為であると言えます。買い物をすることによってストレスを発散しているのですが、これも行き過ぎるとお金の浪費につながってしまいます。

他にも、海外旅行に行けないから代わりに海外ドラマを観る、恋人と別れてしまったので友達と遊びに行く、なども代償行動です。

このように、代償行動と呼べる行動は数多くあり、その行動は時には心や体に悪影響を与えてしまう場合もあります。

「代償行動」の提唱者

代償行動を含む防衛機制という概念を提唱したのは、オーストリアの心理学者であるジークムント・フロイトです。

後に、彼の娘であるアンナ・フロイトが父の研究をさらに発展させ、この概念は完成しました。

防衛機制には次の10種類があります。

10種類の防衛機制
  1. 抑圧:不快な感情や実現不可能な欲求を意識しないようにすること
  2. 退行:幼児的な行動をとること
  3. 反動形成:あえて自分の思考や感情とは逆の行動をとること
  4. 隔離:自分の思考と感情、あるいは行動と感情を切り離すこと
  5. 打ち消し:ある行動をして罪悪感を覚えたときに、それを打ち消すための代償的行動をとること
  6. 投影:受け入れがたい自分の思考や感情を他者のものだと思い込むこと
  7. 取り入れ:他者の思考や感情を、自分のものだと思い込むこと
  8. 自己自身への向け換え:他者に対する受け入れがたい思考や感情を自分に向けること
  9. 逆転:満たされない感情や欲求を、逆のものへと変化させること
  10. 昇華と置き換え(代償):満たされない感情や欲求の対象を別のものにすること
私たちはこれらを組み合わせることによって、日常に生じるストレスにうまく対処しているのです。

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「代償行動」と似た概念

代償行動と似た概念として、前述の「昇華」があります。

昇華とは、満たされなかった欲求を社会的に望ましいとされる行動をすることによって、不満を解消することを指しています。主にその行動は、スポーツや芸術であることが多いです。

たとえば、失恋してしまったのでその気持ちを歌にしてみる、むしゃくしゃすることによって生じる破壊衝動をボクシングに打ち込むことで解消する、などは昇華であると言えます。

代償行動とは違って、昇華する際に行う行動は社会的に高次元なものであり、心や体に悪影響を与えるということはありません。

「代償行動」の英語訳

代償行動を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • substitute behavior
    (代償行動)
  • compensatory behavior
    (代償行動)

“substitute”は、「代替の」、”compensatory”は「埋め合わせの」をそれぞれ指しています。

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まとめ

以上、この記事では「代償行動」について解説しました。

読み方代償行動(だいしょうこうどう)
意味ある目標を達成できなかったときに、その不満を解消するために別の行動をすること
提唱者ジークムント・フロイト、アンナ・フロイト
似た概念昇華
英語訳substitute behavior,compensatory behavior

いかがでしたでしょうか?時には、心身に悪影響を及ぼしてしまうこともある代償行動ですが、ストレスから心を守るには欠かせない機能です。うまく利用していきたいですね。

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