高校を卒業した後の進路の選択肢として、「大学」を考える人は多いでしょう。では、「大学校」に行くことを考えた人はどれくらいいるでしょうか。大学校に通っている人・通っていた人もたくさんいる一方で、大学校という言葉を聞いたことがない人もいるかもしれません。
名前がよく似ている「大学」と「大学校」はどのような違いがあるのでしょうか。
結論:大学は法律で定義されている
また、大学を卒業すると、学士の資格が得られます。大学校では、特別に認められた場合を除いて、卒業しても学士は手に入りません。
「大学」をもっと詳しく
「大学」は、高校レベルの教育を受けた人が、次のステップとして学問や研究を行う学校です。
「学校教育法」では、次のように定められています。
第八三条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
2 大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
大学を作るには、国の許可が必要です。学部を新しく作ったり、統合や廃止をするときにも、国の許可が求められます。
大学を卒業した人は、学士の資格を手に入れることができます。学士は、「文学学士」「理学学士」などのように学問の名前が頭につくことが多いです。
2018年現在、日本には780近くの大学があります。国立・公立のものは一部で、8割ほどが私立大学です。国立大学では理系が多い一方で、私立大学では文系が圧倒的に多いため、全体としては文系が3分の2ほどを占めます。
「大学校」をもっと詳しく
「大学校」は、大学とは別の高等教育を行う学校です。「大学校」を規定する法律は特にありません。また、大学校を卒業しても学士の資格はもらえるとは限りません。
ただし、国や独立行政法人が運営する大学校の一部は、学士資格が認められています。学士資格が得られる大学を以下にあげました。
- 防衛大学校
- 防衛医科大学校
- 海上保安大学校
- 気象大学校
- 国立看護大学校
- 水産大学校
- 職業能力開発総合大学校(長期課程・総合課程)
学士資格が得られる大学校は、多くは在学中も公務員として扱われます。そして、学生たちは卒業すると、それぞれの大学校を運営する機関で本格的に働き始めます。
これら以外の、国や独立行政法人が運営する大学校もあります。たとえば、警察大学校などです。そうした大学校は、主に職員の研修などとして使われています。
一方で、私立の大学校もあります。ただし、学士資格が得られる私立の大学校はありません。また、市民向けの講座を大学校として開いているところもあるようです。
まとめ
以上、この記事では、「大学」「大学校」の違いについて解説しました。
- 大学:国の定めがある高等教育の場
- 大学校:特に定めはない