子供の遊びの代表格といえば、お絵かきですよね。
子供のお絵かき道具には「クレヨン」や「クレパス」が使われるのが一般的ですが、この2つの違いをご存知ですか。この記事では、私たちにも身近な「クレヨン」と「クレパス」の違いを解説します。
このページの目次
結論:違いは「原材料」
クレヨンはパラフィンワックスと顔料から作られますが、パステルはクレヨンの原材料とオイルから作られます。
クレヨン
クレヨンとは、石油から作られる固形のパラフィンワックスというものと、顔料を合わせることで作られる、棒状の画材のことです。
クレヨンは硬いので、線を描くことに適していますが、色を混ぜることや重ね塗りには適していません。また、クレヨンは描いた後に紙から色が落ちにくいことも特徴で、扱いも簡単です。
クレヨンの歴史はとても長く、起源は古代ギリシャやエジプトで使われた、エンカウスティークという絵画技法です。その技法は蜜蝋(みつろう)と顔料を合わせたものを、溶かして焼き付けるという当時としては高度な技法でした。
そして現在の形のクレヨンは、19世紀にフランスのクレヨンコンテ社が、クレヨンと名付けて販売したのが始まりです。日本ではフランスに留学していた画家の山本鼎(やまもとかなえ)が、1916年に帰国したときに日本に持って帰ってきたのが始まりで、山本鼎が子供用の絵を描く道具として広めました。
現在の日本ではクレヨンにもオイルを混ぜて、柔らかい描き味にすることが多くなっていますが、海外では本来の硬い描き味のクレヨンが主流です。
クレヨンの用途
- クロッキー
- スケッチ
- 子供のお絵かき道具
クレヨンが子どものお絵かき道具として適しているといわれる理由は、クレヨンは柔らかく先が丸いこととクレパスと違って塗りカスが出ないので、汚れにくくカスが口に入る心配がないからです。
クレパス
クレパスは、クレヨンの原材料にオイルを混ぜて作られていています。
どのオイルを使っているかを調べたところ、あるメーカーでは、ヤシの油と硬化油(常温で固形の状態の油)を使用しているとの記載がありました。しかし、ほかのメーカーには記載がないため、メーカーによって使っているオイルは異なる可能性があります。
クレパスの正式名称は、オイルパステル( “oil pastel” )といい、クレパスという名前は文具メーカーのサクラクレパスの商品名です。だから、海外ではクレパスと言っても通じません。
ちなみに、クレヨン( “crayon” )は英語ではおなじみのクレヨンという意味で通じます。しかし、フランス語でクレヨンとは鉛筆の意味になることにも注意しましょう。
[出典:https://www.amazon.co.jp/]
クレヨンは海外で発明されましたが、実はクレパスは日本発祥で、1925年にサクラクレパスが世界で最初のオイルパステルを販売しました。しかし、クレパスはオイルを使っているので、気温の影響を受けやすいのが難点でした。
それを解決するために、発売当初は夏用と冬用のクレパスがありましたが、店頭に並ぶころには季節が変わっていました。
そのことで苦情が多く寄せられたため、夏用と冬用のクレパスは販売されなくなりました。その後改良され、現在では気候の変化に関係なく使用できます。
クレパスの名前の由来は、クレヨンとパステルを合わせた言葉で、文字通りその2つのいいところを取った画材ですが、クレヨンよりも柔らかく、線を描くことはもちろん、重ね塗りもできます。
もともとパステルという画材はチョークのような見た目で、柔らかい色の感じが表現できます。しかし、パステルの欠点は粉状なので色が落ちやすいことです。そのため、描いた後にはスプレーをかけて色を定着させる必要があります。
クレパスの用途
- イラスト
- 絵画
まとめ
以上、この記事では「クレヨン」と「クレパス」の違いについて解説しました。
ポイントについて、下にまとめてみました。
- クレヨン:原料がパラフィンワックスと顔料で、線を描くのに最適
- クレパス:原料は、クレヨンの原料とオイルで、線を引くことも塗ることも可能
「クレヨン」と「クレパス」は原材料の違いから、描き味にも違いが出ることが分かりましたね。
違いを知って、大人になってから絵を描いていないという人も、久し振りに挑戦してみてはいかがでしょうか。子供のころには気づかなかった新たな発見があるかもしれませんよ。