コントラストとは「画像の明暗や彩度の対比」「物事や人物の抽象的な対比」いう意味です。
コントラストは、画像編集でよく聞く言葉ですが、明確な意味をわからずに使ってしまっている人も多いのではないでしょうか。
誰かから「この画像のコントラストを高くしてください」と頼まれても、意味がわからなければ対応できないですよね。
そこで、この記事では、コントラストの意味や使い方、語源について詳しく解説します。
☆「コントラスト」をざっくり言うと……
読み方 | コントラスト |
---|---|
意味 | ①画像の明暗や彩度の対比 ②物事や人物の抽象的な対比 |
語源 | 英語の “contrast” |
類義語 | 対比 対照 |
「コントラスト」の意味
- 画像の明暗や彩度の対比
例:彼の写真は明暗のコントラストが高い。 - 物事や人物の抽象的な対比
例:この2つの事象は特徴が似ているので、コントラストが弱い。
コントラストとは「対比」のことです。
主に、画像の明暗や彩度の対比を指します。
また、比喩的に物事や人物の抽象的な対比として使われることもあります。
それぞれの意味について詳しく解説します。
①画像の明暗や彩度の対比
コントラストは、画像の明暗や彩度の対比を指します。
画像の例としては、写真や絵などが挙げられます。
具体例
最近はパソコンやスマホで、画像のコントラストを簡単に調整することができます。
コントラストの具体例には、下記のようなものがあります。
コントラストが高い | コントラストが低い | |
---|---|---|
明暗 | 明暗の対比が大きい | 明暗の対比が小さい |
彩度 | 色彩の対比が大きい | 色彩の対比が小さい |
大きさ | 大小の対比が大きい | 大小の対比が小さい |
エッジ(※) | 背景との対比が明確 | 背景との対比が曖昧 |
(※)エッジ:背景との境界のこと
上記の表からもわかるように、コントラストが高くなるとメリハリがつき、鮮やかな印象になります。
ただし、コントラストが高すぎると印象があまりにも強くなるため、不自然になったり、見づらくなったりします。
そのため、落ち着いた印象や柔らかい印象に仕上げたいときには、画像のコントラストを低くすると効果的です。
②物事や人物の抽象的な対比
コントラストは、画像における文脈以外で使われることもあります。
比喩的に、物事や人物の対比を指す場合もあるのです。
具体例①物事の対比
物事におけるコントラストを考えてみましょう。
たとえば新聞の紙面では、重大なニュースの見出しは大きく書かれています。一方で、そのほかのニュースは比較的小さめな見出しになっていますよね。
このように、見出しのインパクトに対比を作ることで、ニュースのコントラストをつけることができるのです。
具体例②人物のコントラスト
次に、人物におけるコントラストを考えてみましょう。
たとえば演劇のなかで、Aさん・Bさんという2人の登場人物を登場させるとします。
Aさんを活発な性格に、Bさんをおとなしい性格に設定すれば、キャラクターの対比が生まれますね。
この対比も「コントラスト」ということができます。
『コントラスト』は楽曲名でもあります。
1938年、バルトークが作曲した作品です。
この曲はクラリネット・バイオリン・ピアノが奏でる曲で、『コントラスツ』とも呼ばれます。
「コントラスト」の使い方
コントラストは、おもに以下のような言い回しで使います。
- コントラストが高い/強い
対比にメリハリがあり、はっきりしている - コントラストが低い/弱い
対比にメリハリがあり、はっきりしている - コントラストを上げる
対比を強くする - コントラストを下げる
対比を弱くする - コントラストをつける
対比を強くする - コントラストを調整する
対比を調節する - コントラストが大きい
対比のメリハリが強い - コントラストをなす
対比が生まれている - AとBのコントラスト
AとBの対比 - コントラストが〜だ
対比が〜だ(「綺麗だ」鮮やかだ」など)
これらの言い回しをおさえたうえで、コントラストの意味ごとに例文を見ていきましょう。
①画像の明暗や彩度の対比
「画像の明暗や彩度の対比」を表す場合、コントラストは以下のように使います。
- 彼の写真は明暗のコントラストが高く、印象的な作品だった。
- このポスターは色合いのコントラストが少し弱いから、少し調整が必要かもね。
- 彼女のイラストは、コントラストがとても美しい。
- 先生に、風景写真のコントラストを調整する作業を手伝ってもらった。
- この写真は非常にシンプルだけれど、白と黒のコントラストが映えているね。
- この抽象画のコントラストカラーは、当初赤とオレンジにしていたが、より印象的にするために、赤と青の組み合わせに変更した。
※コントラストカラー:対比となる色の組み合わせ
②物事や人物の抽象的な対比
「物事や人物の抽象的な対比」を表す場合、コントラストは以下のように使います。
- この2つを比較して議論するには、あまりにも特徴が似ているのでコントラストが弱い。
- 2つのエピソードを話すときは、もう少しコントラストを大きくしたほうが、1つ目のエピソードがメインであることがわかりやすくなると思う。
- このドラマは、兄と弟の正反対な性格が良いコントラストになっている。
「コントラスト」の語源
コントラストの語源は、英語の “contrast” です。
【名詞】対比、差異
【動詞】対比する
英語の “contrast” の語源をさらにさかのぼると、フランス語にたどりつきます。
フランス語の美術用語には、以下のような言葉があります。
- contraste
対比がわかるようにに並べること - contraster
対比がわかるようにに並べる
- contraste
これらの言葉がもととなって、英語の “contrast” がうまれました。
ちなみに、フランス語の “contraste” と “contraster” は、下記のラテン語に由来します。
- contra:~に対して
- stare:立てる、置く
「コントラスト」の類義語
コントラストには以下のような類義語があります。
- 対比
2つのものを比べること - 対照
物事を照らし合わせて比べること
- 対比
「コントラスト」のまとめ
以上、この記事ではコントラストについて解説しました。
読み方 | コントラスト |
---|---|
意味 | ①画像の明暗や彩度の対比 ②物事や人物の抽象的な対比 |
語源 | 英語の “contrast” |
類義語 | 対比 対照 |
写真や絵を見るときには、色彩や明暗のコントラストを意識してみましょう。