「コンテンポラリー」とは?音楽での意味から英語までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「コンテンポラリー」です。

「コンテンポラリー」の意味・使い方・語源・「コンテンポラリー」と「モダン」の違いについてわかりやすく解説します。

☆「コンテンポラリー」をざっくり言うと……

英語表記コンテンポラリー(contemporary)
意味現代的な(特に、芸術のジャンルで使う)
語源英語の “contemporary”(同時代の、現代的な)から
「モダン」との違いモダン(modern)は「近代的な」。コンテンポラリーはモダンへの挑戦

「コンテンポラリー」とは?

コンテンポラリー(contemporary):(特に芸術のジャンルで)現代的な

「コンテンポラリー」の意味を詳しく

「コンテポラリー」とは、主に芸術の分野で「現代的なスタイル」をさす言葉です。

特に、「コンテンポラリーダンス」と「コンテンポラリーミュージック」という2つの分野でよく使われます。

 

「コンテンポラリーダンス」は、バレエやクラシックなどの既存の分類にあてはまらない、新しいダンスのスタイルを指します。1960年代にフランスで始まった前衛的なダンスをつくる運動の流れにあるものだけを指すこともあります。

「分類されない」ことが特徴のカテゴリーなので、コンテンポラリーダンスは何かという定義は人それぞれです。強いて言えば、他のスタイルでは見られないおもしろさがあるという共通点があるかもしれません。

 

「コンテンポラリーミュージック」は、20世紀後半(第二次世界大戦後)のクラシックの流れを汲んだ音楽を指します。不協和音を多用し、調和(ハーモニー)を大事にしてきたこれまでの音楽とは全く異なっています。

「コンテンポラリーミュージック」は「現代音楽」と訳されることが多いですが、ポップミュージックやジャズなどは含まないことが多いです。あくまでも、クラシックの流れを汲みながら前衛的な作風で作られた音楽を指す言葉です。

コンテンポラリーミュージックの代表例として、オーケストラが全く演奏をせず沈黙を続ける『4分33秒』が挙げられます。このような、音楽の常識にとらわれない新しい音楽を、コンテンポラリーミュージックと呼びます。

「コンテンポラリー」の使い方

  1. コンテンポラリーミュージックを聞きに行ったが、雑音のようでよくわからなかった。
  2. コンテンポラリーダンスは奥が深く、面白い。

上の例文のように、コンテンポラリーは「コンテンポラリー〇〇」と芸術のジャンルとして使うことが多いです。

「現代的な」を「コンテンポラリー」と直訳して言ってしまうと、回りくどい言い方になってしまいます。

「コンテンポラリー」の語源

「コンテンポラリー」の語源は、英語の “contemporary” です。

“con” は「一緒に」、“temp” は「時」という意味があります。「時を同じくする」という意味から「現代的な」という意味が生まれました。「テンポよく物事が進む」「アップテンポの曲」という表現が使われていることから、“temp” に時間の意味があることは納得できるでしょう。

「コンテンポラリー」と「モダン」の違い

今風でオシャレな響きがする「コンテンポラリー」と「モダン」。どのような違いがあるのでしょうか。

 

モダン」は、「近代的な」という意味です。「近代」と「現代」では、意味が異なります

私たちが生きている時代も、広くとらえれば「近代」に入ります。歴史の上では、大まかに時代を「古代」「中世」「近代」の3つに分けるためです。しかし、とりわけ第二次世界大戦後の「近代的なもの」に対する反動が起こった時代を「現代」ということが多いです。

コンテンポラリーな芸術は、近代に確立された計算されたような精密で調和のとれた美しさに対して挑戦します。芸術に限らず、「現代」は様々な意味で「近代」に対する疑問や反発の時代と言えるでしょう。

まとめ

以上、この記事では「コンテンポラリー」について解説しました。

英語表記コンテンポラリー(contemporary)
意味現代的な(特に、芸術のジャンルで使う)
語源英語の “contemporary”(同時代の、現代的な)から
「モダン」との違いモダン(modern)は「近代的な」。コンテンポラリーはモダンへの挑戦

難しくて一見とらえどころのないように思われる現代の芸術。「コンテンポラリー」という言葉を手がかりにふれてみると、より楽しめるかもしれません。