「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の違いとは?

違いのギモン

道路や建物などの材料である「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」はどれも聞いたことはあると思います。しかしその違いは意外と分かりませんよね。この記事ではその 4 つの違いについて解説していきます。

結論:「コンクリート」と「モルタル」は「セメント」から作られる

「セメント」は石灰石などからできた灰白色の粉末で、無機質接着剤の総称です。

「コンクリート」は「セメント」に砂と砂利と水を混ぜて練ったものです。

「モルタル」は「セメント」に砂と水を混ぜて練ったものです。

「アスファルト」は、炭化水素が主な成分の黒色の固体、または粘り気のある液体です。

「セメント」

「セメント」は石灰石、粘土、硅石(けいせき)、鉄鋼などを混ぜ、燃焼し、細かく粉砕した灰白色の粉末です。

本来は無機質接着剤の総称で、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメントなどの種類があります。しかし一般的に「セメント」というときにはコンクリートやモルタルの主原料となる土木建築用のセメントのことを指します。

使い方の例

「セメント」は粉末状ですが水を入れてかくはんすることで化学反応が起き、時間とともに凝固していきます。

「セメント」はそれだけでは強度は弱く、砂や砂利などを混ぜてコンクリートやモルタルなどに変化させて使います。モルタルやコンクリートを作るときのつなぎのような役割というわけです。

水だけで練ったペースト状のセメントは、強度は弱いですがきめが細かいのが特徴で、ヒビの補修やタイルの目地などに使われます。

「コンクリート」

「コンクリート」はセメントに砂と砂利を混ぜて、水を加えて練ったものです。固まったものは「コンクリート」、固まっていないものは「生コンクリート」と呼び分けることが多いです。

「コンクリート」は外からの圧力に強いことが特徴です。しかし、引っ張られることに対してはもろいです。それから、固まったコンクリートは耐久性に富んでおり、数十年は十分に持ちます。

使い方の例

建築資材として多くの工事で使用されています。マンションやオフィスビル、橋、ダム、道路、トンネルなど様々なものに「コンクリート」が使われています。

使う際にはコンクリートブロックにしたり、鉄筋と組み合わせて鉄筋コンクリートにしたりします。鉄筋と組み合わせることで、引っ張られる力に対しての補強になります。

「モルタル」

「モルタル」はセメントに砂と水を混ぜて練ったものです。砂利も混ぜる「コンクリート」と違い、強度よりも仕上がりの美しさが重視された建築資材です。

混ぜる水の量で質感が変わり、多くの水を混ぜるとなめらかになりより仕上げに向いたモルタルになります。

使い方の例

「モルタル」は仕上げに使われることが多いです。壁の下地塗りや上塗り、コンクリートの表面の仕上げ、レンガ・ブロックの目地塗りなどに使用されます。

高価であり、時間とともに伸縮することが多いため、単独で使用されることはあまりありません。

「アスファルト」

「アスファルト」は、炭化水素が主な成分の黒色の固体、または粘り気のある液体です。(常温では固体、高温では液体です。)

天然のものも存在しますが、日本で「アスファルト」といえば、原油を蒸留したときにできる「石油アスファルト」が一般的です。

例えば「コンクリート」よりも工賃が圧倒的に安く済みますが、熱で簡単にやわらかくなってしまいボコボコになるため、修繕が必要になります。

使い方の例

防水材、防音材、接着剤、緩衝材、道路舗装材など様々な用途があります。

一番よく目にする道路舗装材として使われるときには、液体状のアスファルトに砂利などを混ぜます。

まとめ

以上、この記事では、「セメント」と「コンクリート」と「モルタル」と「アスファルト」の違いと使い方について解説しました。

  • セメント:石灰石、粘土、硅石(けいせき)、鉄鋼などを混ぜて細かくした粉末
  • コンクリート:セメントに砂と砂利を混ぜて、水を加えて練ったもの
  • モルタル:セメントに砂と水を混ぜて練ったもの
  • アスファルト:炭化水素が主な成分の黒色の固体、または粘り気のある液体

どれも建築資材として使われていますが、「セメント」は「コンクリート」や「モルタル」を作る材料の一つで、「アスファルト」は原油からできる、他の 3 つとは全く異なったものです。