「コンサート」と「ライブ」と「リサイタル」の3つの違いとは?

違いのギモン

歌手、バンド、アイドルなどのパフォーマンスは、動画サイトやCD、歌番組などで気軽に見ることができます。

しかし、実際に彼らの音楽を直接聞きに行くと、楽しさは倍増するのではないでしょうか。自分以外のファンと同じ空間に集まることで、一体感を味わうこともできますね。

このようなイベントには、「コンサート」「ライブ」「リサイタル」の3種類の呼び方があります。それでは、これらにはどのような区別があるのでしょうか。

そこでこの記事では、「コンサート」「ライブ」「リサイタル」の間にある3点の違いについて解説します。

☆「ライブ」「コンサート」「リサイタル」の違いをざっくり言うと……

コンサートライブリサイタル
その場でパフォーマンスするかどうかその場でのパフォーマンスでない場合もあるその場でパフォーマンスするその場でパフォーマンスする
披露するものの内容大人数が行う音楽音楽に限らない1人が行う音楽
会場の規模大規模小~大規模中規模

【1】その場でパフォーマンスするかどうかの違い


「コンサート」は、基本的にその場で演奏や歌唱が行われます。しかし、別の場所で撮影しているパフォーマンスの映像をスクリーンで上映する場合も「コンサート」ということができます。

「ライブ」は、「ライブコンサート」という言葉を略したものです。もともとは、ロックバンドの演奏会を指す言葉でした。ライブ(live)という単語には、「生(なま)の、実況の」という意味があります。ですから、「ライブコンサート」は生演奏・生歌唱であることを強調したいときに使われる名称なのです。

「リサイタル」も、「ライブ」と同じく、その場で演奏したり歌ったりすることにこだわるイベントです。

これらのことから、「コンサート」での発表形式は生である場合と生ではない場合があるものの、「ライブ」や「リサイタル」では生でのパフォーマンスしか行わないということがわかります。

【2】披露するものの内容の違い


「コンサート」と「リサイタル」では、歌や演奏といった音楽だけが披露されるイベントです。

ただし、「コンサート」は大人数の人が演奏・歌唱をするのに対して、「リサイタル」はあくまでも独奏・独唱をするという違いがあります。少人数で行われる「リサイタル」もありますが、その場合は例外的に「ジョイントリサイタル」と呼ばれます。

「コンサート」で行われることの例として、アイドルグループのパフォーマンスや楽団による合奏などが挙げられます。大人数でパフォーマンスをするという「コンサート」の定義にあてはまっていますね。

「リサイタル」で行われることの例には、ソロ歌手や1人の演歌歌手による歌唱、ソロの演奏者によるパフォーマンスがあります。独唱・独奏を行うという「リサイタル」の定義に合っています。

 

すでに述べたように、「ライブ」はもともとロックバンドの演奏を指す言葉であったため、現在でもバンドが演奏を披露する場は必ず「ライブ」と呼ばれます。

「ライブ」が「コンサート」や「リサイタル」と大きく異なるのは、披露するものが音楽に限らないということです。たとえば、お笑い芸人が会場に観客を集めて実演する場合、「お笑いライブ」といいます。また、「ライブ」はテレビの生放送を指すこともありますね。

このように「ライブ」の内容は様々であるため、パフォーマンスをする人の数も場合によって異なります。

つまり、「コンサート」は大人数が音楽を披露し、「リサイタル」では1人が音楽を披露し、「ライブ」では音楽以外のことも行い、人数も様々なのです。

【3】会場の規模の違い


「コンサート」「ライブ」「リサイタル」は、会場の規模がそれぞれ異なります。

「コンサート」は、大きな会場で行われます。このため、動員できる観客数も多いという特徴があります。

「ライブ」は、100人ほどしか入れない小さなライブハウスで行われることもありますが、「コンサート」と同じくらいの大きな会場で催されることもあります。

「リサイタル」が行われる場所は、「コンサート」の会場よりは狭いものの、ライブハウスよりも広いという傾向があります。

このように、会場の大きさを比べると、「コンサート」は大規模、「ライブ」は小~大規模、「リサイタル」は中規模なのです。

まとめ

以上、この記事では、「コンサート」「ライブ」「リサイタル」の違い3点を解説しました。あらためて、三者の相違点を表でおさらいしましょう。

コンサートライブリサイタル
その場でパフォーマンスするかどうかその場でのパフォーマンスでない場合もあるその場でパフォーマンスするその場でパフォーマンスする
披露するものの内容大人数が行う音楽音楽に限らない1人が行う音楽
会場の規模大規模小~大規模中規模

 

気をつけなければならないのは、これらの違いはあくまでも定義によるものであるということです。

実際には、主催する歌手やバンド、グループの意向で、「コンサート」「ライブ」「リサイタル」と呼び変えられることも多々あります。例えば、定義上は「リサイタル」に当てはまる場合でも、主催側が「ライブ」の方が響きが良いと判断した場合、「ライブ」と称されて行われることがあるのです。

今後、「コンサート」「ライブ」「コンサート」と称されたイベントに行く際には、それが定義通りの名前なのか、主催側のセンスでネーミングされているのか、注目してみるのもおもしろいですね。