「彗星」と「小惑星」の違いとは?定義から衝突するかまで解説

違いのギモン

宇宙の中には太陽や地球などのように大きな天体もありますが、これらよりずっと小さい天体もあります。

そして、小さい天体の例としては「彗星」や「小惑星」などがあげられるでしょう。

 

そんな「彗星」と「小惑星」の違いは何なのでしょうか。そんなの簡単だよ、と思う人も多いかもしれません。

しかし、この2つを判別するのは意外と難しく、「小惑星」だと思っていたものが「彗星」だと判明したり、「彗星」だと思ってたものが実は「小惑星」だった、などということも起きているようです。

今回は、そんな「彗星」と「小惑星」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:何か物質を放出しているかどうかが違う

「彗星」とは主に岩や氷などでできていて、ガスなどの物質を放出している小天体のことです。

一方、「小惑星」とは主に岩でできていて物質を放出していない小天体のことです。

つまり、「彗星」と「小惑星」では何か物質を放出しているかどうかが違うのです。

「彗星」をもっと詳しく

彗星とは主に岩や氷などでできていて、ガスなどの物質を放出している小天体のことです。

ちなみに、英語では “comet” と言い、日本ではほうき星と呼ばれることもあります。

これは、彗星が太陽に近づくと太陽風の影響で氷や岩などでできている核の部分が溶け、揮発性のガスなどとともに放出され、これが太陽に反射して光り、この時の彗星の形がほうきのように見えるからです。

そして、彗星の尾は進行方向に関係なく、必ず太陽と逆方向に発生します。

 

ちなみに、このように彗星が太陽に近づいている時は小惑星と簡単に判別することができますが、彗星が太陽と離れている時には判別が非常に難しくなります。

太陽と離れている時の彗星と小惑星とは物質を放出しているかどうかで分類されますが、地球からこれを観測するのは困難だからです。

 

ちなみに、彗星はよく、「汚れた雪だるまのよう」だと言われます。これは、彗星が氷や塵などの成分でできていて、宇宙空間に塵などをまき散らしながら進んでいくからです。

そのため、彗星が通った後にはたくさんの塵が残っています。

ちなみに、彗星が通った場所に地球が近づくと塵が地球の引力にひかれて落下し、空気との摩擦熱で燃えて流星になります。

そして、多くは燃え尽きてしまいますが、燃え尽きないまま落ちてきた場合は宇宙塵や隕石などと呼ばれます。

 

ちなみに、彗星はその軌道で大きく 3 つもしくは 4 つに分類することができます。

それは、双曲線の軌道を持つもの、放物線の軌道を持つもの、楕円の軌道を持つものです。

このうち、楕円の軌道を持つものは周期彗星と呼ばれ、このうち公転周期が 200 年より短いものを短周期彗星と呼び、200 年より長いものを長周期彗星と呼びます。

 

ちなみに、このうち双曲線のものと放物線のものは二度と太陽の近くに現れることはありません。

そして、長周期彗星は太陽に内容物を溶かされる頻度が少ないため、強い光を放つ大彗星になることが多いです。

例えば、1996 年に観測された百武彗星(ひゃくたけすいせい)は長周期彗星の一つですが、これは 1996 年の大彗星と呼ばれ、強い光を放っていました。

また、短周期彗星の例としてはエンケ彗星やハレー彗星などがあげられるでしょう。

 

ちなみに、彗星は小惑星同士が衝突しあうことで軌道がずれ、本来の軌道を外れて太陽に向かってくることにより生まれると言われています。

そして、彗星のうちでも短周期彗星はカイパーベルトから来るのではないかと言われています。カイパーベルトとは海王星の外側にある小さな天体が密集した場所のことです。

また、長周期彗星はオールトの雲からやってくると言われています。オールトの雲とは太陽の周りを囲むように存在する小さな天体が密集した場所のことです。

オールトの雲の存在はまだ確認されていません。

 

そして、以前は火星と木星の間にある小惑星帯には氷は存在せず、彗星も生まれないと考えられていました。

しかし、最近では小惑星帯生まれの彗星も発見されるようになっており、この説は間違っているのではないかと考えられています。

「小惑星」をもっと詳しく

小惑星とは主に岩でできていて物質を放出していない小天体のことです。

そして、小惑星の中でも太陽系にあるものは彗星と同じように太陽系小天体に分類されています。

ちなみに、小天体とは惑星、衛星、恒星、準惑星以外で球形になっていない天体のことです。

そのため、小惑星の中でも球形に近い形をしているものは将来的に準惑星に格上げされる可能性があります。

 

ちなみに、小惑星に決まった形はありませんが、丸みを帯びている場合が多いでしょう。

そして、直径は 100km 以下のものが多いです。

 

ちなみに、小惑星のほとんどは小惑星帯にありますが、カイパーベルトやオールトの雲にあるものも存在します。

まとめ

以上、この記事では、「彗星」と「小惑星」の違いについて解説しました。

  • 彗星:主に岩や氷などでできていて、ガスなどの物質を放出している小天体
  • 小惑星:主に岩でできていて物質を放出していない小天体

「彗星」と「小惑星」は意外と区別が難しいということがわかっていただけたでしょうか。

天体を研究している人や、それを目指している人はこの 2 つの違いに苦心することもあるのかもしれません。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。