「たらこ」と「明太子」と「辛子明太子」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

皆さんはコンビニでおにぎりを選ぶ際に疑問に感じたことはありませんか。

現在発売されている手巻きおにぎりの商品名を見てみると、セブンイレブンでは「辛子明太子」、ローソンでは「博多辛子明太子」、ファミリーマートでは「辛子明太子」、ミニストップでは「あぶり焼きたらこ」です。

しかし、食べたいと思って想像しているものはどれも似たものではないでしょうか。

おにぎりだけでなく、「たらこ」「明太子」「辛子明太子」は私たち日本人の食生活に欠かせないものですよね。

この記事では「たらこ」「明太子」「辛子明太子」の違いをご紹介します。

結論:「たらこ」「明太子」に辛味調味料を加えたものが「辛子明太子」

まず、「たらこ」「明太子」「辛子明太子」に共通していることは、原料が「鱈(たら)の卵巣」であるということです。

その内、「たらこ」と「明太子」は呼び方が違うだけで全く同じものを指します。「たらこ」は日本でできた言葉、「明太子」は韓国由来の言葉です。

そして、「辛子明太子」は、「たらこ」「明太子」に辛味調味料を加えたものを指します。

「たらこ」「明太子」をもっと詳しく

「たらこ」「明太子」は鱈の卵巣を原料とし、塩漬けした加工食品です。実は、原材料である鱈の種類は、厳密には決まっていません。しかし、日本で生産されるほとんどが「スケトウダラ」と呼ばれる鱈からできています。

そして、「たらこ」と「明太子」は全く同じものです。「たらこ」は日本で生まれた言葉です。一方、「明太子」は韓国由来の言葉です。

製造方法は以下の通りです。

  1. 鱈の卵巣を冷凍したものを解凍
  2. 血液や粘膜を洗浄した
  3. 塩漬け
  4. 再び洗浄
  5. 水切り
  6. 整形
  7. 出荷
ちなみに「スケトウダラ」は中国語で「ミンタイ」、韓国語で「ミョンテ」、ロシア語で「ミンタイ」と呼ばれています。英語では “Mentaiko” です。

また、日本でも少しずつ呼び方に違いがあります。

関東ではもともと日本で使われていた言葉である「たらこ」と呼ばれることが一般的です。九州・関西方面では昔から中国・韓国と貿易が盛んであったことから、近隣国で呼ばれていた言葉が転じて、「明太子」と呼ばれることが多いです。

世の中で使われている「たらこ」と「明太子」

たらこパスタ、明太子マヨネーズ、たらこおにぎり、明太子チップス、などと、本来同じであるはずの「たらこ」と「明太子」は様々な呼ばれ方をされています。

この違いはなく、実は企業によって、製品によってかなり曖昧なものとなっています。

唯一コンビニ業界のおにぎりは便宜的に呼び方を使い分けています。塩味で加熱処理してあるものが「たらこ」、唐辛子味で非加熱処理のものが「明太子」です。

「辛子明太子」をもっと詳しく

「辛子明太子」は、一般的に「辛子明太子」は塩漬けにした「たらこ」を唐辛子や調味液に漬けこんで作られる加工食品です原材料に「スケトウダラ」という種類の鱈の卵巣を使ったものという唯一の定義があります。

諸説ありますが、「辛子明太子」は朝鮮半島の伝統食品で、昭和初期に博多にやってきたと言われています。博多「ふくや」の創業者が日本人に合わせて加工し、提供したのが始まりです。

 

ところで、「辛子明太子」だけでなく「明太子」も「辛い」という、定義にはないイメージがありますよね。

これは朝鮮半島から伝わった際、朝鮮半島の「明太子」が朝鮮人に好まれる味付けに加工されていたことが由来となっています。韓国の方は辛いものが好きな傾向にあるので、辛く味付けされていた名残なのです。

そして、次第に「辛子明太子」を「明太子」と略称で呼ぶ地域が出てきたため、「辛子明太子」と「明太子」は「たらこ」より辛いという印象がつきました。

まとめ

以上、この記事では、「たらこ」「明太子」「辛子明太子」の違いについて解説しました。

  • たらこと明太子:鱈の卵巣の塩漬け
  • 辛子明太子:鱈の卵巣の塩漬けを辛味調味料で加工したもの

さまざまな商品に使われている「たらこ」「明太子」「辛子明太子」、ぜひ頭に入れて商品探しを少し楽しくしてみてください。