私たちが身に着けている服は、木綿や羊毛といったように様々な種類で作られています。それぞれ特徴が違うので、用途や季節によって使い分けなければいけません。
しかし種類が多いため、「名前はわかるけれど、くわしい特徴はわからない」といったものもありますよね。
そこで今回は「シルク」と「サテン」について、特徴と違いを解説していきます。
結論:「シルク」は素材の名前、「サテン」は織り方の名前
どちらも光沢のある生地なので混同されることがありますが、同じものではありません。
「サテン」は生地の織り方の名前です。
「シルク」とは
シルクとは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)が原料の天然繊維です。日本では絹と呼ばれています。
蚕とは蛾(が)の幼虫です。成虫になるために繭を作ります。
「シルク」の特徴
シルクの生地は以下のような特徴を持っています。
- 軽い
- 光沢がある
- 柔らかい
- 丈夫
- 静電気が起こりにくい
- 吸湿性・保湿性が高い
- 紫外線を吸収する
繭は蚕の体を守るための物なので、生物にとって快適な環境になるような特徴を多く備えています。
また、シルクはとても柔らかく肌触りがいいため、上質なパジャマとしても高い人気があります。
紫外線を吸収してくれるので皮膚は守られますが、長時間日光に当たると、シルク自体が黄色に変色してしまうという欠点があります。干す場合は日光に当たらない場所を選んだ方がよいでしょう。
「サテン」とは
サテンは、絹・ナイロン・レーヨン・ポリウレタン・ポリエステルといった糸を用いて織られた生地です。日本では本繻子織(ほんしゅすおり)と呼ばれています。
つまりサテンは、原料の名前ではなく、織り方の名前なのです。
高級なドレスや服の裏地、パジャマに使われています。
「サテン」の特徴
サテンの生地は以下のような特徴を持ちます。
- 光沢がある
- なめらか
- つるつるしている
- 摩擦や引っ張られることに弱い
同じ原料を用いていても、他の織り方よりもサテン織りの方が滑らかでつるつるした肌触りになります。これは、サテン織りでは縦糸が表面に多く出るような織り方をするためです。
シルクが用いられているサテンはシルクサテンと呼ばれています。一方、ポリウレタンやポリエステルなどの化学繊維を用いているサテンは化繊サテンと呼ばれます。
このシルクサテンの見た目がシルクと似ているため、シルクとサテンが混同されることがあるようです。
化繊サテンは化学繊維の特徴を持つため、保湿性や吸湿性が低いものがあります。季節による使い分けが必要です。
おまけ:「シルクサテン」と「化繊サテン」の見分け方
シルクサテンと化繊サテンは同じサテン織りで作られているため、見た目がかなり似ています。そのため、見ただけで区別するのはかなり大変です。
しかし、生地を擦り合わせることで、一発で両者を見分けることができるのです。
化繊サテンを擦り合わせても何も起きませんが、シルクサテンを擦り合わせると、キュッという音が鳴ります。
この音は「絹鳴り」と呼ばれるもので、シルクの繊維同士が引っかかることで起きます。これはシルクの繊維が使われている生地でしか起きないため、見分けるポイントになります。
まとめ
以上この記事では「シルク」と「サテン」の違いについて説明しました。
- シルク:繊維の名前。絹。
- サテン:織り方の名前。本繻子織り。
シルクサテンや化繊サテンなど、サテンにも様々な違いがあります。
それぞれの特徴を知って、場面に合わせて活かしていきましょう。