皆さんは「シュークリーム」と「エクレア」ではどちらの方が好きですか?どちらもどこのコンビニにも置いてある定番のスイーツですが、二つの違いを説明できる人は結構少ないのではないでしょうか。
今回は「シュークリーム」と「エクレア」の違いについて解説します。
結論:違いは形状とチョコレートがかかっているかいないか
「シュークリーム」をもっと詳しく
シュークリームとはフランス発祥のお菓子で、置いてないコンビニは無いと言ってもいいほど、日本でもかなり親しまれています。
一般的に、薄力粉、バター、卵、砂糖などを混ぜ合わせて、中が空洞になるように焼き上げて作る生地を「シュー生地」と呼びます。そのシュー生地を丸く焼き上げ、中の空洞にカスタードクリームや生クリーム、チョコクリームなどを入れたものが「シュークリーム」です。
中にアイスを入れた「シューアイス」や、生地にクッキーを使用した「クッキーシュー」などのアレンジされたものもよく見られます。
歴史は古く、イタリアを代表する大富豪メディチ家の王女、カトリーヌ=ド=メディシスが、フランス王、アンリⅡ世に嫁ぐところから始まります。
カトリーヌが嫁いでくる際に連れてきた専属の料理人がシュー生地を発明し、フランスでその生地を用いて様々なお菓子が作られていきました。その中で誕生したのが「シュークリーム」です。
丸くポコッとした形はかわいらしく、美食文化を進めていたフランスでも広く愛されるようになりました。
「エクレア」をもっと詳しく
「エクレア」はシュークリームを応用して作られたお菓子です。同じく発祥もフランスです。
「エクレア」に使用されている生地ももちろんシュークリームと同じ「シュー生地」です。そのシュー生地を細長く、中が空洞になるように焼き上げ、中にカスタードクリーム、生クリーム、チョコクリームなどを詰め、さらに上から溶かした液体状のチョコレートをかけたものが「エクレア」です。
エクレアの起源についてはっきりはしていませんが、元々あったシュークリームをアレンジして作られたものであり、エクレアはシュークリームの一種と言うこともできます。
コンビニに置かれているラインナップ数、量からすると、日本ではシュークリームの消費量の方が高い気もしますが、発祥の地であるフランスではエクレアがより親しまれています。
というよりも、フランスではシュークリームはほとんど目にすることはありません。
フランスにおいては、シュークリームは新しく出てきたエクレアに取って代わられてしまったのです。
要因は形にあると言われており、細長いエクレアの方が食べやすく、シュークリームよりも上品に食べることができることがフランス人には良かったのです。
「シュークリーム」と「エクレア」の語源
「シュークリーム」と「エクレア」の語源についても触れておきたいと思います。
「シュークリーム」は日本でできたカタカナ語で、海外では通じません。フランス語で「キャベツ」を意味する “chou” と英語の “cream” を掛け合わせたものです。
フランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」と呼び、「シューにクリームを詰めたもの」という意味です。
このシューというのはフランスで「キャベツ」を意味する “chou” から来ています。丸い形がキャベツに似ていることからそう呼ばれています。
ちなみに英語ではクリームパフ(cream puff)と呼びます。英語では「シュー」は靴(shoe)を指し、「シュークリーム」と言ってしまうと「shoe cream」と変換され、靴を磨くクリームと勘違いされてしまうので注意が必要です。
「エクレア」はフランス語で「稲妻(いなずま)」を意味する “éclair” から来ています。
フランス語ではエクレアは「エクレール・オ・ショコラ」と呼びます。エクレアの代名詞とも言えるチョコレートを意味する「ショコラ」が名前に入っていますね。
なぜ、「稲妻」を意味する ”éclair” が名前の由来となったのかは諸説あります。
- 食べる際にクリームが飛び出さないように稲妻のような早さで食べるから
- チョコレートが溶ける前に稲妻のような早さで食べるから
- 感電するほどおいしいから
- 表面のヒビが稲妻に似ているから
- 表面のチョコレートが稲妻のようにギラッと光るから
まとめ
以上、この記事では、「シュークリーム」と「エクレア」の違いについて解説しました。
- シュークリーム:シュー生地を丸く焼き、クリームを詰めたお菓子
- エクレア:シュークリームの応用。細長い&チョコレートがかかっている
発祥の地フランスでは、先に誕生したエクレアの元祖とも言えるシュークリームがマイナーで、エクレアが愛されているという事実は少し皮肉のような気もしますが、どちらにも良さがあり、どちらもおいしいですよね。