今回ご紹介する言葉は、熟語の「知見(ちけん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「知見」をざっくり言うと……
読み方 | 知見(ちけん) |
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意味 | 見て知ること。また、実際に経験して得た知識。 |
類義語 | 見聞、見識、学識など |
対義語 | 無知、無学、迷妄など |
英語訳 | knowledge(知識) |
「知見」の意味をスッキリ理解!
「知見」の意味を詳しく
「知見」とは、字の通り「見て知ること」という意味と、「実際に経験して得た知識」という意味があります。「知見」には、前提として「実際に経験をする」という過程が含まれています。
似た熟語に「知識」がありますが、こちらは「知っていること」に焦点が当たっています。「経験を通して得た」というニュアンスが含まれていない点で、「知見」と「知識」は異なります。
また、「知見」は仏教用語としても使われます。この場合、「仏の悟りの力によって、正しい認識をすることができる」という意味です。
「知見」の使い方
- 海外留学の経験により、国際情勢の知見を深めることができた。
- 日本で育ったA先生と、アメリカで育ったB先生の知見は異なっている。
- 彼は、毎日必ず新聞を読むという習慣によって、知見を広めた。
❶の「知見を深める」は、「経験を通して、知識を深める」という意味です。❸の「知見を広めた」も、近い意味で使われています。「知見」の意味に含まれる経験とは、人づてに何かを教わったり、本を読んで知識を深めることも意味します。
❷の「知見」は、「経験して得た知識」という意味で使われています。
「知見」の類義語
知見には以下のような類義語があります。
- 見聞(けんぶん):実際に見たり聞いたりすること
- 見識(けんしき):本質を見る優れた判断力
- 学識(がくしき):学問を通して得た高い知識
- 私見(しけん):個人の考えや意見
- 所見(しょけん):見た上での見解や判断
「見聞」「所見」「学識」「私見」は、「経験して得た知識」に近い意味で使われる熟語です。「私見」は、「個人が自ら経験して形成した考えや意見」であるという点で、「知見」の類義語となります。
「見識」は、仏教語としての「知見」の類義語として使われます。
「知見」の対義語
知見には以下のような対義語があります。
- 無知(むち):知識がないこと
- 無学(むがく):学問・知識のないこと
- 迷妄(めいもう):物事の道理を知らず、考えが誤っていること
「知見」の英語訳
知見を英語に訳すと、次のような表現になります。
- knowledge
(知識) - finding
(知見) - insight
(洞察)
“knowledge” は非常に広い意味で「知識」と訳します。見解・学識・私見などをまとめて “knowledge” と英訳することができます。
「知見」に最も近い意味の単語が、 “finding” です。動詞の “find” は「見つける」という意味であるため、 “finding” には「実際に見て発見したもの」というニュアンスが含まれます。この場合、名詞として使われていることに注意しましょう。
また、”finding” は文脈によって意味が変わるため、注意が必要です。以下、”finding” を用いた二つの英文です。
- He announced his finding at the conference.(彼は自身の知見を会議で発表した)
- It was tough finding the new place.(新しい部屋を探すのは大変だった)
①では、「知見」という名詞として “finding” が使われています。一方、②では「探すこと」という動名詞として使われ、「知見」という意味は持ちません。動名詞と名詞を混同してしまわないよう注意しましょう。
仏教語の「知見」を英訳すると “insight” になります。 “insight” には「物事をの真相を見抜く力」「洞察力」という意味があります。仏教の要素はありませんが、英訳としては適切です。
まとめ
以上、この記事では「知見」について解説しました。
読み方 | 知見(ちけん) |
---|---|
意味 | 見て知ること。また、実際に経験して得た知識。 |
類義語 | 見聞、見識、学識など |
対義語 | 無知、無学、迷妄など |
英語訳 | knowledge(知識) |
「知見」は、ビジネスやきちんとした場で使われる熟語です。日常生活では使わなくても、意味を知っておくことで、いざという時に役に立ちます。ぜひ覚えてみましょう。