「寛大」と「寛容」の違いとは?意味や使い分けから類義語まで解説

違いのギモン

人の性質や性格を表すときによく使われる、「寛大」と「寛容」と言う、よく似た2語の違いをご存知ですか?

どちらも「心が広い」など、同じような意味で使われますが、実は意味にも使い方にも、いくつか違いがあります。

この記事では、「寛大」と「寛容」について例文を用いながら、違いを詳しく解説していきます。

結論:「寛大」は他人に厳しくないこと。「寛容」はよく受け入れること。

「寛大」とは、心が広く、他人に対して厳しくないさまを言います。

一方で、「寛容」とは、心が広く、よく受け入れ、許すことを意味します。

「寛大」をもっと詳しく


「寛大」は、「心が広いこと」に重点を置いた単語ですが、「他人に対して厳しくない、思いやりがある」というニュアンスで使われます。

「寛」という漢字には、「心が広い、ゆとりがある」といった意味があります。それに、「大きいこと、立派である」という意味の「大」が合わさりできた言葉です。

「寛大」の使い方の例

例文
  1. 新人の教育に必要なのは、叱責することだけでなく、寛大な態度で、個々のポテンシャルを発揮させることだ。
  2. 社長の寛大さに触れ、社員は一丸となり会社に貢献するようになった。
  3. 彼は深く反省をしている様子であったので、寛大なる処置が取られた。

①の「寛大な態度」とは、新人に対して厳しくばかりせず、広い心でいることを言っています。

②の「寛大さ」は、社長が厳しくなく、思いやりのある人柄であることを示しています。

③の「寛大なる処置」とは、反省している彼に対して思いやりを持ち、厳しくない内容であることを表しています。

「寛容」をもっと詳しく


「寛容」とは、広い心で許し、受け入れることを意味します。

 

それぞれの漢字の意味を見てみましょう。

「寛」は、「心が広い、ゆとりがある」という意味を持ち、「容」は、「受け入れる、許す」という意味です。

これらを合わせて「寛容」という単語になります。

 

漢字からわかるように、「寛容」は、人の過ちなどを許すさまに重点を置いた言葉です。

「寛容」の使い方の例

例文
  1. 仕事でミスをしたとき、部長はいつも寛容な態度でフォローしてくれる。
  2. 誠に恐縮ですが、ご寛容のほどよろしくお願いいたします。
  3. 彼女はとても寛容であるので、数分遅れても待ってくれていた。
  4. その国特有の不寛容な文化に、苛立つこともあるかもしれない。

①の「寛容な態度」とは、仕事でミスしたことを咎めずに広い心であることを意味します。

②のフレーズは、「許してください、咎めないでください。」といった意味で使われています。ここでは、「寛容する」といったように、動詞として使われますが、これは「寛容」のみの使われ方で、「寛大する」のようには使われないので注意しましょう。

③の「寛容である」とは、彼女の性格が心が広く、遅刻を許してくれる、ということを表しています。

④の「不寛容」は、心が狭く、人の言動を受け入れないことを意味します。こちらも、「寛容」特有の使い方であり、「不寛大」とは使いません。

対義語

「寛大」の対義語
  • 「偏狭」:度量が小さく、狭い考えにとらわれるさま。
「寛容」の対義語
  • 「厳格」:規律に厳しく、不正や怠慢を許さないこと
対義語を見ると、「寛大」と「寛容」の違いがわかりやすくなりますね。

類語

  • 大らか
  • 雅量(奥ゆかしく、大らかな度量。)

まとめ

以上、この記事では、「寛大」と「寛容」の違いについて解説しました。

  • 寛大:心が広く、他人に厳しくないさま。
  • 寛容:心が広く、許して受け入れること。
「寛大」であり、「寛容」であることは、ビジネスでも、人間関係において大事ですよね。

心の大きさを重視している「寛大」と、許すことが重視されている「寛容」というそれぞれの特徴を理解できたでしょうか。

これを機に人の性格を表すときにも、しっかりと使い分けていきましょう。