目上の人に対して教えてもらう時に使われる「ご教示」と「ご教授」がありますが、これらの違いをご存知ですか?似ている2語には実は違いがあります。
この記事では、「ご教示」と「ご教授」の違いを詳しく説明していきます。
結論:知識や方法を教え示す「ご教示」。学問や技術を教え授ける「ご教授」
一方、専門的な知識、学問、技術を継続的に教えてもらうことを指すときは「ご教授」を使います。
「ご教示」をもっと詳しく
「ご教示」とは、「教え示す」という意味に接頭語「ご」を付けた言葉です。「ごきょうじ」と読みます。
特に、書類や知識、方法、作業工程など、簡単に教えられる内容に使われます。目上の人にそれらを教えてもらいたい時に使い、自分が「教示する」とは使わないので注意しましょう。
また、「ご教示ください」はメールや書類で書き言葉として使われることが多いです。会話の中で使うと堅苦しい表現となるため、「お教えください」や「教えていただけますか?」などと言い換えると自然です。また「ご教示いただけますでしょうか」など、語尾を丁寧にしてもよいです。
「ご教示」の使い方の例
- この分析結果について、確認したいことがありますので、今月中のご都合の良い日時を、ご教示いただけますでしょうか。
- お時間よろしい時に、出張の申請方法をご教示願います。
②では、出張の申請方法を教えてもらうだけで、時間はかからないことですので、「ご教示」を使っています。
「ご教授」をもっと詳しく
「ご教授」は、「教え授ける」という意味の「教授」に接頭語である「ご」を付けた言葉で、「ごきょうじゅ」と読みます。
特に、学問や専門的な技能など、習得に時間がかかり、長期間にわたり継続して教える必要のあるものに使われます。
教えてもらいたい時に、「ご教授ください」とよく使われますが、こちらも、主に書き言葉で使われます。会話の中では「お教えください」や、「教えていただけますか?」、「ご教授いただけますでしょうか」と言い換えましょう。
「ご教授ください」は、ビジネスシーンにおいて、やや大げさな印象となるので、長期的に教えてもらう場合以外は、「ご教示ください」を使う場合が多いです。
「ご教授」の使い方の例
- このプロジェクト実行に当たって、貴社が培ってきた経験と技術をどうかご教授くださいませ。
- 新人の頃から、○○さんにご教授いただいていたおかげで、お客様からの信頼と高評価につながりました。
②は、先輩などに感謝を述べるシーンですが、長期間にわたって教え続けてもらったことが対象となっているので、「ご教授」となります。
類語
「お教えください」という言い方以外にも、以下の類語があります。
- ご指導
- ご指南
②の「ご指南」も「教え導くこと」です。本来は武術や芸能において使われる言葉ですが、実際はビジネスシーンなどでも広く使われています。
まとめ
以上、この記事では、「ご教示」と「ご教授」の違いについて解説しました。
- ご教示:知識や方法を教え示すこと。
- ご教授:学問など、専門的な知識や技術を教え授けることで、時間がかかることが多い。