「血で血を洗う」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「血で血を洗う(ちでちをあらう)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「血で血を洗う」をざっくり言うと……

読み方血で血を洗う(ちをちであらう)
意味殺傷に対して殺傷で対抗すること、血の繋がっている者同士で争うこと
由来旧唐書
類義語血を以て血を洗う、骨肉相食む、骨肉の争いなど
英語訳quarrel with one’s own flesh and blood(血で血を洗う、肉と血を伴う争い)

「血で血を洗う」の意味をスッキリ理解!

血で血を洗う(ちでちをあらう):殺傷に対して殺傷で対抗すること、血の繋がっている者同士で争うこと

「血で血を洗う」の意味を詳しく


「血で血を洗う」には、2つの意味があります。

1つ目は、「殺傷に対して殺傷で対抗すること」です。2つ目は、「血の繋がっている者同士で争うこと」です。

「血で血を洗う」のもともとの意味は、血を洗うために血を使うと、ますます汚れてしまうことです。ここから派生して、暴力には暴力、悪事には悪事、殺傷には殺傷で対抗するというように、残虐な手段で報復するという1つ目の意味が生まれました。

また、そこからさらに派生して、「血で血を洗う」の血が「血縁」という意味として解釈され、2つ目の「血の繋がっている血縁者同士が争うこと」という意味も表すようになりました。

「血で血を洗う」の使い方

「血で血を洗う」は、以下のように使われます。

  1. 世界では、かつて国家同士の血で血を洗う抗争が勃発していた。
  2. 彼は、今まで受けてきた嫌がらせの仕返しを企んでいるらしい。まさに血で血を洗うといった様子だ。
  3. あの家族は今、相続問題で血で血を洗うような争いをしているそうだ。

「血で血を洗う」の由来

「血で血を洗う」は、『旧唐書(くとうじょ)』という中国の歴史書に由来しています。

旧唐書のうちの源休伝に、「汝が国すでに突董等を殺す。吾また汝を殺さば、猶血を以て血を洗うがごとく、汗益甚だしきのみ」という一説があります。

この一説を現代語訳すると、「あなたの国はすでに私の叔父の突董を殺した。私があなたを殺せば、また血をもって血を洗うかのようにますます汚れてしまう」となります。

つまり、叔父が殺された恨みを殺害をもって報復しようとしていることを、「血を持って血を洗うかのようだ」と例えたのです。

 

ここから、「血で血を洗う」ということわざが「殺傷に対して殺傷で対抗すること」という意味で使われるようになりました。

「血で血を洗う」の類義語

「血で血を洗う」には以下のような類義語があります。

  • 血を以て血を洗う(ちをもってちをあらう):殺傷に対して殺傷で対抗すること、血の繋がっている者同士で争うこと
  • 骨肉相食む(こつにくあいはむ):血の繋がっている者同士が激しく争うこと。
  • 骨肉の争い(こつにくのあらそい):血の繋がっている者同士の争いのこと。
  • 兄弟牆に鬩ぐ(けいていかきにせめぐ):兄弟内もしくは仲間内でけんかをすること。

「骨肉相食む」の読み方は、少し難しいので注意しましょう。

「骨肉」とは、親子や兄弟などの血の繋がった者という意味です。

「血で血を洗う」の英語訳

「血で血を洗う」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • quarrel with one’s own flesh and blood
    (血で血を洗う、肉と血を伴う争い)
  • engage in a bloody feud
    (血で血を洗う、血を伴う争いで交戦する)
  • family discord
    (骨肉の争い)

まとめ

以上、この記事では「血で血を洗う」について解説しました。

読み方血で血を洗う(ちをちであらう)
意味殺傷に対して殺傷で対抗すること、血の繋がっている者同士で争うこと
由来旧唐書
類義語血を以て血を洗う、骨肉相食む、骨肉の争いなど
英語訳quarrel with one’s own flesh and blood(血で血を洗う、肉と血を伴う争い)

誰かの悪意によって何かの被害を被ったとしたら、どうにかしてやり返したくなるものでしょう。以前、とあるドラマでも「倍返しだ」というセリフが話題になりましたよね。

しかし、一度冷静になって考えてみましょう。

仕返しをすることで、あえて自分が悪者になる必要はあるのでしょうか。感情で動くのではなく、順当な手段を頭で考えて自分を低めない選択をすることが、結果一番自分を傷つけないと思いませんか。

「血で血を洗う」の意味と使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。