今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ケミカル」です。
「ケミカル」の意味・使い方・語源についてわかりやすく解説します。
☆「ケミカル」をざっくり言うと……
英語表記 | ケミカル(chemical) |
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意味 | 化学的、化学的に合成した |
言葉 | ケミカルウォッシュデニム、ケミカルシューズ、ケミカルピーリングなど |
語源 | 英語の “chemical” |
「ケミカル」の意味をスッキリ理解!
「ケミカル」の意味を詳しく
「ケミカル」は、「化学的、化学的に合成した」という意味です。また、「化学物質を含むもの」そのものを指します。
以下でそれぞれの意味を解説します。
「化学的、化学的に合成した」という意味を詳しく解説
紙や合成皮革(ごうせいひかく)などの製造で、化学的な処理を行い合成されている製品に対して使います。
たとえば、化学的な処理が行われ製造された紙をケミカルパルプと言います。パルプとは、紙の原料である木材を紙に加工しやすい形に処理したものです。以下にパルプの製造工程をまとめました。
- 原料である木材を、処理しやすいように数センチにカットしサイズし形をそろえます。
- このチップに薬品を加え、高温・高圧で煮ます。紙に必要のない樹脂(リグニン)を溶かします。
- パルプを洗浄し、異物を除去します。
- 薬品でパルプを漂白し、白くします。
ほとんどの紙がこの製法によって製造されています。
「化学物質を含むもの」という意味を詳しく解説
「ケミカル」を「化学物質を含むもの」、「ノンケミカル」を「化学物質を含まないもの」と分類し使う場合があります。
たとえば、化粧品では合成香料や合成着色料を使用している製品を「ケミカル」と呼びます。
しかし、化学物質の定義が曖昧なため、何が含まれているかは製品によって異なります。また、使用時に化学反応を起こす製品を「ケミカル」と呼ぶ場合もあります。
元々は日焼け止めに対して使われていました。紫外線吸収剤が含まれているものを「ケミカル」、紫外線散乱材が含まれているものを「ノンケミカル」と表現していました。
紫外線吸収剤は、日光の照射により化学反応を起こすことで日光を吸収します。ここでの「ケミカル」は、化学反応が起きるという意味で使われていました。
「ケミカル」がつく言葉
「ケミカル」がつく言葉には以下のようなものが挙げられます。
- ケミカルウォッシュデニム:薬剤を用いて洗い、意図的に色落ちさせたデニム
- ケミカルシューズ:合成皮革で作られた靴
- ケミカルピーリング:薬剤により肌の古い角質を取り除くスキンケア
- ケミカルエンジニアリング:化学工業において必要とされる様々な装置や操作についての研究を行う工学の一分野
- ケミカルスーツ:化学薬品などの付着から皮膚を守る作業着
「ケミカル」の使い方
- 今はほとんどの製品がケミカルな製造方法により製造されている。
- ケミカルシューズは軽くて履き心地が良いから愛用している。
- 安全なものを使用したいため、ケミカルの購入は控えている。
上の例文のように、「ケミカル」は製造方法や製品について使用されます。
①の「ケミカル」は「化学的、化学的に合成した」という意味です。
②は「合成皮革で作られた靴」という意味で「ケミカルシューズ」が使用されています。ビニールやナイロンなどの化学物質が素材として用いられます。一般に、革靴より安価です。
③の「ケミカル」は「化学物質を含むもの」を指します。主に、化粧品に対して使用されることが多いです。
「ケミカル」の語源
「ケミカル」の語源は英語の “chemical” です。
学問としての化学を意味する “chemistry” から派生した言葉です。
「化学」は「科学」と区別されて使われています。「科学」が自然の仕組みを研究する学問全般を指すのに対し、「化学」は別の性質を持った物質に変化する仕組みを研究する学問を指します。
「化学」の知見を用いて目的のものを作ることを化学合成と言い、その化学的な物質を “chemical” と表現します。
まとめ
以上、この記事では「ケミカル」について解説しました。
英語表記 | ケミカル(chemical) |
---|---|
意味 | 化学的、化学的に合成した |
言葉 | ケミカルウォッシュデニム、ケミカルシューズ、ケミカルピーリングなど |
語源 | 英語の “chemical” |
化学物質は体に悪いというイメージがあり、「ケミカル」の製品を避けている人も多いでしょう。しかし、今の生活から「ケミカル」を切り離すことはできません。
信頼できる情報を入手し、正しく「ケミカル」と付き合っていく必要があります。