「チャリで来た」は、「ガッツポーズをしている写真」を表すスラングです。
「自転車で来た」という言葉とガッツポーズとが、なぜ結びつくのでしょうか?
この点が分からない人が多いはずです。
この記事では、「チャリで来た」の意味や元ネタ、使い方などについて解説します。
☆「チャリで来た」をざっくり言うと……
読み方 | チャリで来た |
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意味 | 「ガッツポーズをしている写真」を表すスラング |
元ネタ | 男子中学生4人がガッツポーズをするプリクラ画像 |
「チャリで来た」の意味
「ガッツポーズをしている写真」を表すスラング
「チャリで来た」とは、「ガッツポーズをしている人が映る画像」を表すネットスラングです。
2008年ごろ、インターネット掲示板での無断転載を機に、とあるプリクラ画像が有名になりました。
そのプリクラでは、ガッツポーズで映る男子中学生4人の姿とともに、「チャリで来た。」という言葉が書かれていました。
「チャリ」は「チャリンコ」の略で、自転車を指します。
この画像が有名になった結果、ガッツポーズから元ネタ画像を連想する人が増えたため、ガッツポーズの写真そのものが「チャリで来た」と呼ばれるようになったのです。
「チャリで来た」の使い方
「チャリで来た」は、SNSのなかでガッツポーズをしている画像とともに使うことが多いです。
ガッツポーズをしながら撮った写真に、「チャリで来た」という言葉を添えることで、元ネタの再現をするという遊びです。
また、有名人がガッツポーズをしている画像に対して、「これ、“チャリで来た”みたいなポーズだね」などとコメントして投稿する人もいます。
言い換え表現を使う場合も
「チャリで来た」をもじって、他の表現に変えて使う場合もあります。
いくつか有名な例を見てみましょう。
- JALで来た
(背景に空港の画像を入れて使う) - ソリで来た
(サンタクロースがガッツポーズをしている画像とともに使う) - 借りに来た
(元ネタ画像の背景に、消費者金融の景色を入れて使う) - かなり北
(元ネタ画像の背景に、日本最北端の場所の景色を入れて使う) - 神おりた
(元ネタ画像の4人を、画像加工で神様のような格好にして使う) - チャリ出来た?
(元ネタ画像の背景に、製造途中の自転車の画像を入れて使う) - パリに来た
(元ネタ画像の背景に、エッフェル塔の画像を入れて使う) - 釣りしに来た
(元ネタ画像の背景に、釣りの様子の画像を入れて使う) - 増えてきた
(元ネタ画像の4人を画像加工で増やして使う)
元ネタとなったプリクラを加工したり、背景画像を変えたりして、「チャリで来た」「〇〇で来た」を使う人も多いです。
しかし、元ネタとなったプリクラは、もともと無断転載から広まった画像でです。
そのため、元ネタ画像で遊ぶ行為は、あまりおすすめできません。
「チャリで来た」の例文
「チャリで来た」を会話のなかで使う場面は少ないですが、例文を挙げるとするならば以下のようになります。
- せっかくプリクラを撮るなら、「チャリで来た」っぽくしてみようよ。
- この人のポーズ、「チャリで来た」の人たちみたいだね。
「チャリで来た」の元ネタ
「チャリで来た」の元ネタについて、以下の3つのポイントに分けて詳しく解説します。
- 「チャリで来た」の画像の拡散
- 「チャリで来た」のスラング化
- 「チャリで来た」メンバーのその後
①「チャリで来た」の画像の拡散
2008年ごろ、インターネット掲示板の2ch(現・5ちゃんねる)に、あるプリクラ画像が無断転載されました。
その画像とは、男子中学生4人組がガッツポーズをしていて、「チャリで来た。」という言葉が書かれたプリクラです。
4人のうちの1人が、このプリクラをSNSアカウントのプロフィール画像に設定したところ、誰かが掲示板に載せてしまったのです。
「ヤンキーのような顔つきでガッツポーズをしながらも、“チャリで来た”という中学生らしい言葉が添えてある」というギャップが印象的であるため、このプリクラ画像はどんどん拡散されていきました。
②「チャリで来た」のスラング化
「チャリで来た」の画像が有名になると、元の画像のパロディのように、ガッツポーズでプリクラを撮る人が出てきました。
次第に、ガッツポーズそのものを見ただけで「チャリで来た」を連想する人が増えました。
スラングとして、ガッツポーズの写真が広く「チャリで来た」と呼ばれるようになったのです。
なお、「チャリで来た」の影響は、以下のように、他にも色々な出来事にも見受けられます。
- 2012年
スマホアプリ「チャリで来た。カメラ」ができる
(写真を元ネタ画像のように加工できるもの)
※2021年現在、サービスは終了している - 2015年
ロックバンド・GLAYのコンサートで、メンバー4人による「チャリで来た」のような画像がスクリーンに映し出される - 2016年
ラッパー・SLOTHさんが、楽曲『チャリで来た』をリリース
③「チャリで来た」メンバーのその後
元ネタとなったプリクラに映っていた4人のうち、3人のメンバーが、2012年に雑誌『egg』に登場しています。
誌面のなかでは、自分たちの画像を拡散した人たちに対し、「2ちゃんねらー、イイ加減にせえよ(笑)」という言葉を残しています。
ここ数年で、メディアによく登場しているのは、メンバーの1人だったユウタさんです。
ユウタさんは以下のようなメディアに登場しています。
- 2016年5月
BuzzFeedでのインタビュー - 2018年6月
バラエティ番組「激レアさんを連れてきた」 - 2020年3月
「LINEほけん」のコマーシャル - 2020年4月
マイナビウーマンでのインタビュー
ユウタさんは、テレビ番組やインタビュー記事のなかで、当時について以下のように振り返っています。
- プリクラに書く言葉が思いつかず、焦って書いたのが「チャリで来た。」という言葉だった
- 当時は住所が流出したり、犯罪者だというデマが出回ったり、無断で雑誌に載せられたりした
「チャリで来た」のまとめ
以上、この記事では「チャリで来た」について解説しました。
読み方 | チャリで来た |
---|---|
意味 | 「ガッツポーズをしている写真」を表すスラング |
元ネタ | 男子中学生4人がガッツポーズをするプリクラ画像 |
「チャリで来た」というスラングについて知れば知るほど、「写真の拡散には大きな影響力がある」ということがわかってきますね。
日頃の生活のなかで、無断転載は行わないようにしましょう。