「カーニバル」と「フェスティバル」の違いとは?意味から英語まで解説

違いのギモン

毎年、日本でも世界でもさまざまなお祭り騒ぎがありますね。

「リオのカーニバル」や「フジロック・フェスティバル」などは、世界的に見ても有名なイベントです。見ても参加しても楽しめるお祭りは、たくさんの人でにぎわっていて活気が溢れています。ところで、みなさんは「カーニバル」と「フェスティバル」の違いについて知っていますか?

どちらも「お祭り」というイメージがあるかもしれませんが、実はもともとの意味は大きく異なるのです。

そこで、今回は、「カーニバル」と「フェスティバル」の違いについて解説していきます。

結論:カーニバルは謝肉祭、フェスティバルは一般的なお祭り

「カーニバル」とは、本来は謝肉祭というカトリック教の宗教行事で、現在では仮装やパレードを楽しむ行事のことです。

「フェスティバル」とは、一般的なお祭りのことで、大勢の人が集まってテーマに沿った催し物を行うことです。

「カーニバル」をもっと詳しく


「カーニバル」とは、謝肉祭という意味です。英語では “carnival” と表します。カーニバルの語源は、ラテン語で “carnem levare” 、直訳すると「肉を取り除く」という言葉が由来です。

ここで、謝肉祭について簡単に説明します。

謝肉祭とは?
謝肉祭とは、カトリック教の祭日である「四旬節(しじゅんせつ)」の直前の3日から1週間に渡って開催される祭典のことです。

四旬節とは、イエス・キリストの復活を記念して行われる「復活祭(イースター)」までの46日間(そのうち平日は40日)のことを指します。

この期間を通して、信者は過去の罪を悔い改め、節制に努め自分の生活を振り返ります。四旬節では、肉を食べない習慣があります。

そこで、謝肉祭は肉を絶つ前に、心おきなく肉を食べてみんなで楽しく遊ぶことを趣旨とした祭典として広まりました。

現在では、四旬節の時季に関係なく、華やかな衣装を着て仮装するパレードのことも「カーニバル」と呼ぶことが多いです。参加して楽しむことを目的として世界中で親しまれています。

ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで行われる「リオのカーニバル」がサンバ・パレードとして世界的に有名です。他にも、ロンドンで行われる「ノッティング・ヒル・カーニバル」や、東京で行われる「浅草サンバカーニバル」など、踊りを主体とした大規模なカーニバルが毎年行われています。

「フェスティバル」をもっと詳しく


「フェスティバル」とは、一般的なお祭りのことで、大勢の人が集まってテーマに沿った催し物を行うことです。英語では “festival” と表します。ラテン語の “festivus” が語源です。

カーニバルと違い、宗教的な祭典や祝祭日だけでなく、地域のお祭りや一般的に見て楽しむ催し物のことも「フェスティバル」と言うのが特徴です。

ちなみに、夏に行われる野外フェスや音楽フェスなどで使われる「フェス」は、フェスティバルの省略形です。

 

また、「バルーンフェスタ」や「ジャンプフェスタ」などの「フェスタ」はイタリア語でお祭りという意味です。「フェスティバル」と同じ意味合いで使われます。

日本でも近年人気である「オクトーバーフェスト」の「フェスト」はドイツ語でお祭りという意味です。こちらも「フェスティバル」と同じ意味合いで使われます。

「オクトーバーフェスト」は、ドイツのミュンヘンで毎年10月頃に開催される世界最大のビール祭りが発祥で、ドイツ語で「10月の祭り」という意味です。

似ている言葉「フェア」


他にも、フェスティバルに似ている言葉に「フェア」があります。

「フェア」というのは見本市、展覧会、展示会という意味です。英語では “fair” と表します。

デパートで都道府県のご当地特産品を展示する物産展を「〇〇フェア」と呼んだり、結婚を予定しているカップルを対象に結婚式場やホテルで行われる催し物を「ブライダルフェア」と呼んだりして使います。

お祭りというよりは、娯楽や商業目的で開催される一時的な行事、イベントという意味合いで使われます。

まとめ

以上、この記事では、「カーニバル」と「フェスティバル」の違いについて解説しました。

  • カーニバル:本来は謝肉祭というカトリック教の宗教行事で、現在では仮装やパレードを楽しむ行事
  • フェスティバル:一般的なお祭りのことで、大勢の人が集まってテーマに沿った催し物を行うこと
「カーニバル」と「フェスティバル」どちらも楽しいお祭りですが、もともとの由来が異なるため使い方が微妙に異なるのですね。そんなことを頭の片隅において、どちらも楽しんでいきましょう。