「カーボンオフセット」とは?意味と使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「カーボンオフセット(carbon offset)」です。

「カーボンオフセット」の意味や使い方、語源、有名な「カーボンオフセット」の例、分類、デメリットについてわかりやすく解説します。

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「カーボンオフセット」とは?

カーボンオフセット(carbon offset):削減しきれなかった温室効果ガスを、別の手法で打ち消すこと

「カーボンオフセット」の意味を詳しく

「カーボンオフセット」とは、削減しきれなかった温室効果ガスを別の手法・場所で相殺(そうさい)することです。

近年、地球温暖化が注目され、温室効果ガスの削減が世界中で主張されています。しかし、人間が生活や経済活動を行うために、温室効果ガスはどうしても排出されてしまいます。

そこで、「まずはできるだけ温室効果ガスの削減に努め、どうしても削減できなかった分をほかの手法や場所で相殺する」という方法が「カーボンオフセット」です。

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「カーボンオフセット」の使い方

  1. 彼の所属する団体は、カーボンオフセットを推奨している。
  2. 技術革新によって、カーボンオフセットが活発化するだろう。
  3. 公共交通機関を使うことで、カーボンオフセットを実行する。
  4. これは、カーボンオフセットの料金を上乗せした商品だ。

「カーボンオフセット」の語源

「カーボンオフセット」の語源は英語の “carbon offset” です。

“carbon” は「炭素」のことです。 “offset” は「相殺」という意味の英単語です。

これら2つをつなげて、「炭素を相殺すること」という意味になります。

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有名な「カーボンオフセット」の手法

国同士や企業同士の「カーボンオフセット」の手法で代表的なものが2つあります。「クリーン開発メカニズム」と「排出権取引」です。

どちらも1997年に締結された「京都議定書」に明記されています。

クリーン開発メカニズム

「クリーン開発メカニズム」とは、「先進国が発展途上国に温室効果ガスの削減に貢献するような技術提供や資金支援をしたときに、途上国での温室効果ガスの削減量の一部を先進国の削減量としてカウントできる」というシステムです。

このシステムによって、温室効果ガスの削減する技術の無い途上国が技術を獲得することができます。また、支援する側の先進国にもメリットがあるwin-winのシステムです。

排出権取引

「排出権取引」とは、国家や企業ごとに温室効果ガスの排出枠を定め、排出枠が余った国と足りない国が排出枠を売買するシステムです。

「温室効果ガスの排出枠」とは、「各企業や国家が排出してもいい温室効果ガスの量」のことです。「排出量取引」と呼ばれることもあります。

例えば、日本と中国が200トンずつの温室効果ガスの排出枠を与えられていたとします。日本は技術によって150トンまで排出量を抑えることができました。しかし、中国はどうしても250トンまでしか排出量を減らすことができません。

このような場合に中国は、日本が余らせている50トン分の排出枠を買い取ることができるのです。

 

温室効果ガスの排出量を削減するのには技術や時間、労力が必要になります。そのため、与えられた排出枠より大幅に排出量を減らす国は損をしてしまうのです。

このようなシステムが無ければ、利益を優先する国や企業は、温室効果ガスを大きく削減しようとはしないでしょう。

しかし、この「排出権取引」によって、国や企業は余らせた排出枠をお金に換えることができるのです。

「カーボンオフセット」の分類

「カーボンオフセット」には大きく分けて2つの種類があります。「市場流通型」と「特定者間完結型」です。

市場流通型

「市場流通型」とは、その名の通り「市場を通したカーボンオフセット」のことです。大きく3種類に分かれます。

  1. 商品・サービス利用オフセット
  2. 会議・イベント開催オフセット
  3. 自己活動オフセット

➊の「商品・サービス利用オフセット」とは、消費者が商品やサービスを利用する際に排出するであろう温室効果ガスの排出量分、商品やサービスと一緒にクレジットを購入するオフセットです。クレジットとは、二酸化炭素の排出枠のことです。

消費者側は、クレジット分の料金が含まれている商品やサービスを任意で購入します。

 

➋の「会議・イベント開催オフセット」は、会議やイベントの主催者が、排出される温室効果ガス分をオフセットするシステムです。それにかかる費用は、主催者や参加者が負担します。

 

➌の「自己活動オフセット」とは、次の通りです。まず、排出削減を実現する団体は、二酸化炭素の排出枠を販売しています。そこで、個人や企業、団体または政府は、ここから排出枠を購入します。こうすることで、自らの活動に伴う温室効果ガスの排出をオフセットするのです。

例えば、あるA社が植林プロジェクトを行って、温室効果ガスの吸収に貢献したとします。B社がその分のクレジットをA社から購入して、自社の排出量をオフセットすることが「自己活動オフセット」に当たります。

すでに述べましたが、クレジットとは、二酸化炭素の排出枠のことです。

特定者間完結型

「特定者間完結型」とは、市場を通さずに特定の人や国同士でクレジットの取引を行う「カーボンオフセット」の方法です。

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「カーボンオフセット」のデメリット

「カーボンオフセット」は、無理なく二酸化炭素削減を目指せるいいシステムです。二酸化炭素排出量が数値として「見える化」されることで、意識の向上にもつながります。ただし、デメリットも存在します。

「クレジット」のシステムによって「お金さえ払えば二酸化炭素を排出してもいい」という意識が強くなってしまう点です。

 

また、国の経済力によって不平等が生じます。経済力のある国は、削減が少し足りなくても排出枠を購入すれば済む話ですが、途上国などの経済力がない国にとって、排出枠を購入することはとても大変なことです。

「クリーン開発メカニズム」も、先進国から発展途上国に行う取り組みなので、発展途上国が他国に技術提供をすることは難しいです。

 

さらに、「カーボンオフセット」の削減活動が実質的な二酸化炭素削減には結びついていないという指摘もあります。

この意見は、特にイギリスで強く主張されています。

まとめ

以上、この記事では「カーボンオフセット」について解説しました。

英語表記 カーボンオフセット(carbon offset)
意味 削減しきれなかった温室効果ガスを、別の手法で相殺すること
語源 「炭素」の意味の “carbon” と「相殺」の意味の “offset” から
有名な「カーボンオフセット」の手法 「クリーン開発メカニズム」と「排出権取引」
分類 「市場流通型」と「特定者間完結型」
デメリット 実質的な温室効果ガス削減にならない

「カーボンオフセット」という言葉は知らなくても、これらのシステムがあることは知っていた人もいるのではないでしょうか。

エネルギー問題が注目されている現代では、とても重要になる言葉です。

この機会に使いこなせるようになりましょう。

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