今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「物情騒然(ぶつじょうそうぜん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「物情騒然」をざっくり言うと……
読み方 | 物情騒然(ぶつじょうそうぜん) |
---|---|
意味 | 世間が騒がしく、落ち着かない様子 |
類義語 | 物議騒然、物論騒然、物論囂囂 |
英語訳 | unrest prevailing(実勢の不安)など |
「物情騒然」の意味をスッキリ理解!
「物情騒然」の意味を詳しく
「物情騒然」は、「世の中がざわついていて、落ち着きがない様子」を表した四字熟語です。
「物情」は、世間のありさまや、人々の心情や有様を表します。
「騒然」は、「大勢の人が、がやがやと騒がしくしている様子」という意味です。
また、「騒然」には、「不穏である様子」という意味もあります。ですから、人々が騒がしくなる理由は、「何か悪いことが起こりそうで、不安であること」なのです。
つまり、「物議騒然とした状態」とは、「何が起こるか明らかではないけれど、世の中の動きが怪しい状態」ということになります。このように、「物情騒然」は「不安で満ちた世の中の様子」を表す四字熟語なのです。
「物情騒然」の使い方
- 国内の政権争いが激しくなり、物情騒然としている。
- 最近の物情騒然とした状態も、金融問題が落ち着けば収まるだろう。
- 紛争が起きている国では物情騒然としているため、あまり近づかない方が良い。
- クーデターが起きたことにより、国内全体が物情騒然とした。
「物情騒然とした状態」は、戦争の直前や、国内の金融の乱れ、政治的問題がある時などに引き起こされます。
「物情騒然」の使い方としては、主に「物情騒然としている」や、「物情騒然とした状態」などの形になります。
「物情騒然」の類義語
物情騒然には以下のような類義語があります。
- 物議騒然(ぶつぎそうぜん):世論が騒がしく、落ち着かないさま
- 物論囂囂(ぶつろんごうごう):世間のうわさや物議が騒がしく、落ち着かないこと
- 物論騒然(ぶつろんそうぜん):世の中でうわさが騒がしくなり、落ち着かなないこと
「物議」と「物論」は、「世の中に広がっているうわさや評判」という意味です。「物情」が人々の動きを表すのに対して、「物議」と「物論」は人々の声を示します。
「囂囂」は「多くの人が声を出して、騒がしいさま」という意味です。「口」という漢字が四つ使われていることからもわかるように、人が口々に言い立てる様子を表す熟語です。
「物情騒然」の英語訳
物情騒然を英語に訳すと、次のような表現になります。
- unrest prevailing
(実勢の不安) - turmoil reigning
(現在の混乱) - public unrest
(物情騒然)
unrest prevailing と public unrest に共通する unrest は、「不穏な状況」という意味を持ちます。つまり、「騒然」の英語訳にあたります。
unrest prevailing に含まれる prevailing は、「流行」を表します。言い換えると、「世間の流れ」という意味になります。ですから、「物情」の英語訳にあたります。
public unrest に含まれる public は、「社会全体の様子」を指します。「物情騒然」の英語訳では、両方の意味を持ちます。
まとめ
以上、この記事では「物情騒然」について解説しました。
読み方 | 物情騒然(ぶつじょうそうぜん) |
---|---|
意味 | 世間が騒がしく、落ち着かない様子 |
類義語 | 物議騒然、物論騒然、物論囂囂 |
英語訳 | unrest prevailing(実勢の不安)など |
世の中は、政治的な争いや経済の浮き沈みなど、常に「物情騒然」としています。
現代において「物情騒然」としている場所の1つに、インターネットの世界があります。
最近では地震や災害が起こって、不安な気持ちを共有する場として、SNSが使われることもあります。また、政治において揉め事があったときに、様々な意見が飛び交う場所もインターネットです。
様々な意見を得る手段として、インターネットはとても便利です。しかし、「物情騒然」とした社会に飲み込まれず、客観的に世の中を見ることが大切です。