今回ご紹介する言葉は、熟語の「無聊(ぶりょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「無聊」をざっくり言うと……
読み方 | 無聊(ぶりょう) |
---|---|
意味 | することがなく、退屈であること |
類義語 | 退屈、有閑、所在ない、徒然など |
英語訳 | boredom(退屈) |
「無聊」の意味をスッキリ理解!
「無聊」の意味を詳しく
「無聊」は、やるべきこと・することがなく、退屈であることを意味する熟語です。また、心にわだかまりがあり、気分が晴れない様子も表します。
「聊」は、「聊(いささ)か」と読むことができ、「数量・程度が少ないさま」「楽しむ」という意味があります。「無聊」は、後者の意味が色濃くでています。
「無聊」は、「聊」の「楽しむ」という意味を打ち消した表現であり、「楽しみが無い」と言い換えることができます。
このことから、「無聊」が、退屈であることや気分が晴れないことを表しています。
なお、「無聊」は「ぶりょう」と読むのが一般的ですが、「むりょう」と読むこともできます。
「無聊」の使い方
- 彼は無聊を慰めるために、地元の居酒屋に向かった。
- 金も元気もなくなった彼にとって、テレビを観ることだけが唯一の無聊を慰める手段だった。
- 無聊をかこって日々を怠惰に過ごすだけでは、人生の生きがいは見えてこないだろう。
「無聊を慰める」「無聊をかこつ」の2つが、「無聊」の代表的な定型文です。前者は例文➀➁で、後者は例文➂で使用しています。
「無聊を慰める」は、退屈な時・心が晴れない時に、気をまぎらわせるという意味です。「慰める」は、「一時の悲しみや苦しみなどをまぎらわせる」という意味で使われています。
「無聊を慰める」の類義語は、「気晴らし」です。「気晴らし」は、「ゆううつな気持ちを発散させる」という意味です。
多くの場合、嫌な気持ちから目をそらし、他の物事に関心を向ける様子を表します。つまり、一定期間後には、再度根本的な問題と向き合う必要があります。
一方、「無聊をかこつ」は、やることが見つからず、退屈な自分自身を嘆くという意味です。
「かこつ」は、「不平を言う・嘆く」という意味で、漢字では「託つ」と書きます。例文➁のように、「無聊をかこって」と活用させて使うことも多いです。
「無聊」の類義語
「無聊」には以下のような類義語があります。
- 退屈:時間を持てあますこと、飽きて嫌気がさすこと
- 有閑(ゆうかん):暇の多いこと
- 所在(しょざい)ない:やるべきことがなく、時間を持てあますこと
- 徒然:やるべきことがなく、時間を持てあますこと
「有閑」には、「生活に余裕があり、時間がありあまっている」という意味合いがあります。そのため、よい意味で暇である様子を表す時に、使うことが多いです。
例えば、「時間的・金銭的に余裕があり、気の向くまま趣味や娯楽にいそしむ婦人」のことを、「有閑夫人」といいます。
「徒然」は、日常会話で使うことは少ないです。しかし、吉田兼好(よしだけんこう)が書いたとされる随筆『徒然草』の題名・冒頭で使用されています。
「無聊」の英語訳
「無聊」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- boredom
(退屈) - dreariness
(ゆううつ、退屈) - feel depressed
(気がめいる、気持ちがふさぐ)
“escape boredom” で「退屈から逃れる」、 “escape the dreariness” で「ゆううつから逃れる」という意味になります。
まとめ
以上、この記事では「無聊」について解説しました。
読み方 | 無聊(ぶりょう) |
---|---|
意味 | することがなく、退屈であること |
類義語 | 退屈、有閑、所在ない、徒然など |
英語訳 | boredom(退屈) |
「無聊を慰める」「無聊をかこつ」といった表現は、聞きなれない方も多いでしょう。しかし、一度意味を知ってしまえば、それほど難しくはありません。
使用頻度がそれほど高くない表現ですが、しっかり意味や使い方を覚えておきましょう。